就活をしているみなさんの中には、面接で自分のことを話すのに苦手意識がある人もいるのではないでしょうか。今回は、そんな悩みをもつ人たちの参考になる“話し方のコツ”についてお話します。
みなさんは、『TED』をご存じですか? 『TED』とは、テクノロジー、エンターテイメント、デザインの3つの分野から感動や衝撃をもたらすアイデアを紹介し、広めていくことを目的としたコミュニティイベント。TEDによるプレゼンテーション動画『TED Talk』は、SNSでシェアされることも多いので、ご覧になったことがある方も多いかと思います。
■TED.com/talks
https://www.ted.com/talks?sort=newest&language=ja
TEDの動画を見ていつも感心するのは、講演者たちの抜群のトーク力と、惹きこまれるプレゼン内容。最も重要とされているのは“アイデア”なので、ステージに立つのは著名人だけでなく無名な人が多いのも魅力の一つです。講演時間の長さは様々で、中には30分近いものもありますが、まずはご存じのない方のために、6分以内の短いプレゼンテーションを3つご紹介します。
(※字幕が出ないときは、画面下のボタンから日本語に設定してください。)
■マット・カッツ 『マット・カッツの30日間チャレンジ』
■ケネス・シノヅカ 『祖父の身を守るための僕のシンプルな発明』
■リチャード・ジョン 『成功とは終わりのない旅である』
これらの動画を見て、あなたはどう感じましたか? それぞれの話はとても説得力があり、本当に惹きこまれますよね。『TED』を見ていると、中には「自分に起きた困難から何を学んだのか」など、思わず感情的になりそうな内容もあるのですが、どの講演者も自分自身を俯瞰しているおかげで、安心して聴き入ることができます。
このように、自分の中の“冷静”と“情熱”を上手くコントロールして話すことは、就活などの面接においても、とても役に立ちます。しかし、どのようにすればそれらが身につくのでしょうか。もう少し深く考えてみることにしましょう。
自分の話を人に伝える上で、客観的に過去のストーリーを整理し、わかりやすくなるよう工夫するのは、とても大切なことです。就活生の中には、面接で語れるほどのストーリーなんてもっていないという人も少なくありません。しかし、実際には様々な何気ないストーリーがありすぎて、どれにスポットライトを当てれば良いのか迷ってしまっているのではないでしょうか。
TEDの講演者の話を聞いていると、実はごくごく個人的な出来事や気づきから話が展開されているものがほとんどです。むしろ、だからこそ私たちも講演者の話に共感することができ、惹きこまれていくのかもしれません。
では、彼らと私たちとは、一体なにがそこまで違うのでしょうか。
最も注目すべき点は、一つのアイデア(=ストーリー)に絞って、その人ならではの考察を盛り込んでいるということ。話をシンプルにすれば、それだけ意識を集中して内容を磨きあげられるようになります。
次に、ストーリーの軸が明確になったら、数字や固有名詞など、聴き手の想像が働く要素を取り入れ、論理的に組み立てていきましょう。具体性が増すとそれだけ信憑性が高まるため、説得力が増します。そうすると聞いている人があなたを好意的に見るようになりますし、あなた自身も手ごたえを感じてさらに堂々と話せるようになることでしょう。
面接では、論理的に話すことに加えて、「この企業で働きたい!」という熱意を伝えることも大切です。先ほどご説明したように、自分の中でシンプルな軸を作っておくと、自然とストーリーに集中できるようになり、情熱をこめて話やすくなります。
とはいえ、採用担当者の心を動かすほどのトーク力を身に付けるためには、やはり何度も練習することが重要です。失敗を恐れて緊張したり、記憶を辿りながら話したりしているようでは、残念ながらあなたの気持ちは少しも伝わりません。やはり、ここは練習あるのみ。スラスラ話せるのが当たり前というところまでやっておき、当日は熱意を伝えることに専念できるようにしておきましょう。
具体的な対策方法としては、まずは大学のキャリアセンターや就活セミナーなどで、フィードバックをもらいながら面接の練習しておくのがオススメです。JOBRASSの『学Biz(マナビズ)』でも面接対策ができるセミナーを開催していますので、ぜひ利用してみてください。
また、一人や友達と練習するときは、スマートフォンなどで動画に撮っておき、自分がいかにダメなのか早めに自覚するのも良いでしょう。最初は恥ずかしかったり落ち込んだりするかもしれませんが、次はそれよりも上手くやろうと思うようになり、どんどんトーク力に磨きがかかります。
そして、人は緊張すると早口になることを覚えておきましょう。堂々としているように見せるには、話すスピードを一旦落とし、内容に合わせて自由にコントロールするのがコツです。例えば数値を出すときはゆっくり低めの声で説明し、気持ちを話すときは力をこめて明るく話して抑揚をつけるなど、自分なりに考えて工夫してみましょう。
* * * * *
最後に“おまけ”でちょっと笑えるこの動画を。ウィル・スティーヴンの『頭良さそうにTED風プレゼンをする方法』は、プレゼンテーションのテクニックがどれだけ話の印象を変えるのかを思い知らせてくれます。まずは字幕なし、次に日本語字幕ありで聞いてみてください。笑えるだけでなく、きっとなにか気づくことがあるはずです。
■ウィル・スティーヴン 『頭良さそうにTED風プレゼンをする方法』
いかがでしたか?
『TED talk』のプレゼンテーションを見ていると、動画を視聴するだけでなく会場に行ってみたくなりますよね。
実は日本にも各地にTEDの正式なライセンスを取得した『TEDx』というコミュニティがあり、5月29日(日)には東京大学の安田講堂で『TEDxUTokyo 2016』が開催されます。このイベントには、脳科学者の茂木健一郎さん、まるめがねJK企業家の仲田洋子さん、デザイナー・研究者のLaila Cassimさんなど多彩な約15名がスピーカーとして登壇しますので、興味がありましたらぜひ参加してみてくださいね。
■『TEDxUTokyo 2016 ”VIVID VISION”』
https://tedxutokyo.com/2016/tedxutokyo2016/
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