生命保険大手の明治安田生命が、今春の新入社員を対象に就職活動、働き方・お金に関する意識についてのアンケート調査をおこなった結果、女性新入社員の半数以上が「管理職を目指す」と回答したことを発表しています。
女性は「役職には興味がない」という人の減少傾向が顕著で、直近5年間では「役職には興味がない」が13.9ポイント減少する一方、「役員クラス」「部長クラス」「中間管理職(課長など)」が合計14.5ポイント増加し、50.9%と過半数を超えたとのこと。仕事に対する意欲は、男性よりも女性のほうがあるのでしょうか……!?
これは1月、この春就職の男女を対象にインターネットでアンケート調査したもの。男性557人、女性555人の計1112人から回答を得ています。
それによると、内定企業数は2.37社と4年連続増加し、2008年の調査開始以来最高値を更新。男女別でも男性が2.44社、女性が2.29社とそれぞれ最高値を更新したとのこと。また、就職活動の満足度は過去最高値を記録した昨年とほぼ同水準の76.9%。特に女性は調査開始以来最高値となる77.5%を記録したそうです。
将来目指すポストについて、全体としては「役職には興味がない」が昨年より微増し、36.8%で1位となりましたが、この5年間としては減少傾向。つまり役職につきたい人が増える傾向にあるということです。
めざすポストのなかでは、「部長クラス」「中間管理職(課長など)」が増加傾向、「社長」・「役員クラス」とする人が減少傾向とのことで、“管理職になってお金は欲しいけれど、責任が重くなりすぎるのも……”という人が増えているということでしょうか。
男女別にみると、女性では「課長などの中間管理職」が23.2%、「部長クラス」が16.2%、「役員クラス」が11.5%、「社長」が2%。これにより「課長などの中間管理職」以上を目指すと答えた割合は合わせて52.9%となり、4年連続で増加していることが明らかになりました。
一方、男性では「課長などの中間管理職」が7.5%、「部長クラス」が22.8%、「役員クラス」が28.7%、「社長」が14.4%となり、「課長などの中間管理職」以上を目指すと答えた割合は去年よりおよそ3ポイント減って73.4%という結果でした。
ある化学メーカーの採用担当者は、「女性のほうが優秀かどうか」という点について、こう話してくれました。
「確かに、面接をしていても、優秀な女子学生は増えていると感じます。そして昔は、女性はすぐやめる、あるいは結婚したらやめるといった勝手な考えから、なるべく男性のほうが良いとされていたこともありました。でも今は、むしろ女性のほうが我慢強い。結婚しても、働き続けたいという女性も増えています。なので、採用のときに性別で優劣をつけることはありません。仮にすぐに辞められてしまうとしても、優秀なほうが良いという考えです。
その結果、内定者に女性の割合が増えています。これはそもそも大学からそうで、とりわけ国立大学の女性の割合は増えているなという印象があります。女性の進学、総合職就職が当たり前になった結果、実は優秀な女性は多かったということでしょう。
ただ、“優秀な女性が増えている”ということが広く知られるようになり、また実際に活躍する女性がメディアなどに多数取り上げられると、“努力をしない”人も出てきている感じがします。“女のほうが採用されやすいんだって~”などと情報に踊らされた結果、です。
もちろん、優秀な男性が減ったということではないでしょう。女性が目立つようになっただけです。女性の“ほうが”優秀なのではなく、優秀な女性が増えただけのこと。そして、男性にあったように、今度は女性のなかで圧倒的な“格差”が出てくるでしょう。大事なのは、他の人や情報に惑わされず、自分の能力を高める努力をし続けることだと思います」