現在、入社3年以内での離職率はおおよそ3割。
離職する理由は人によってさまざまですが、残業が多い、忙しいなど「就活中に思っていた企業と違う」という人も多いようです。
これだけ長期にわたって就職活動をしているのだから、可能な限り理想に近い働き方ができる会社に勤めたいものですよね。
しかし、社会人の生活をイメージしきれないまま就職活動を続けていると、どの企業もよく思えてきて、結局「この企業は自分にとって働きやすいのか」「理想の働き方ができるのか」ということがわからず入社して後悔してしまう人もいます。
今回は、就活中に企業情報を見極めるヒントをお伝えします。
まずはこちらを読んでみてください。
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これは企業の採用ページでよく見かける1日のスケジュールを追った【社員の1日】。
皆さんからすると企業によってこのスケジュールに何の違いがあるのか、と思われがちですが、このページでもいくつかのポイントに注目してみることで、企業の働き方をよりリアルに把握することができます。
<社員の1日のスケジュールではここをチェック!>
▼出社時間
会社によって意外と違うのがこの出社時間。7時~10時代までさまざまです。大学生活だと1限の授業を敢えてとらず、午後から通学……なんてことも履修を調整してできましたが、社会人はそうもいきません。
最近は社員自身が一定の定められた時間帯の中で、始業および終業の時刻を決定することができる「フレックスタイム制」を導入している企業も多いので、一概に早朝に出発するとはいえませんが、社員のスケジュールをみるときに、どれくらいの時間に出社しているのか、というのを確認しておくとよいでしょう。
社員の1日のスケジュール以外にも、募集要項の就業時間の項目でも、その企業で働く際のコアタイムを確認することができます。
▼打ち合わせ
社会人のスケジュールを見ていると、やたらと目につく「打ち合わせ」。
この打ち合わせには様々な種類があります。打ち合わせは【誰と】【どこで】【何を】という3点で違いを把握することができます。
営業職の場合、クライアントは新規(これまで取引がない相手)と既存(これまでに取引がある相手)に分かれ、相手の会社内で打ち合わせをすることが多いです。また広報などの場合、自社でPR会社や新聞社などメディア対応も多くなってきます。
プロモーション部やマーケティングの部署の場合は、逆に他社の営業を受ける役割になる場合も多々あります。また、職種だけでなく業種でも異なり、百貨店や小売業、メーカーなどでたくさんの仕入れを必要とする場合は取引先も多く、営業を受ける可能性も高まります。
つまり誰との打ち合わせが多いのか、という観点から仕事の内容を把握することができます。
逆にどのような人と打ち合わせをする仕事に就きたいのか、という観点でも仕事を選ぶことができるでしょう。
▼退社時間
残業時間が少ない企業はもちろんありますが、全くないという企業を探すのは非常に難しいもの。採用ページ等に載っている退社時間はリアルな時間でないかもしれませんが、夜に重そうな仕事をしている場合は残業時間が比較的多いと予測されます。営業職の場合、日中は外出し、夕方帰社した後に事務処理を行うことが多いので、残業時間が他の職種よりも多い場合があります。
しかし内勤職であったとしても、部署によっては夜遅くまで業務を行っていることもあります。営業職だから残業が多い、一般職だから残業が少ないなど、職種名にとらわれることなく、「どのような業務を任されるのか」を確認しておくべきでしょう。
長期インターンシップなどを行っていると、社会人の生活を実感することもできますが、
多くの人は、実際に働いてはじめて学生時代との違いを実感するものです。
入社して仕事内容以外で会社によって違いが出るのは大きく3つです。
1)給料
2)労働時間
3)休日
1)給料は、職種によってもさまざまです。
総合職が高く、一般事務職は数万円程度低いのが一般的。
「人間関係、やりがい、苦労……気になる一般職の実態をインタビュー」の記事をみてもわかるように、一般職は、一般的に給与は安定している一方で、総合職に比べると、一気に給料があがるということが多くありません。
アルバイトでもらった賃金と比べると、社会人の月給は高くみえますが、家賃や光熱費、洋服代など、圧倒的に使う料金も増え、一般職と総合職の月給の差は数十年後かなり大きなものになります。人生設計にも大きくかかわってくる大事な項目です。必ず確認しましょう。
2)労働時間
先にも挙げましたが、フレックスタイム制などの導入により、企業によって就業時間帯も異なっています。更に残業時間も企業・部署によって大きく異なってきます。1ヶ月に数時間の残業という企業もあれば、数十時間の企業もあります。「アフターファイブ」と呼ばれる仕事後のプライベートの過ごし方を充実させる、ということができるかどうかは企業によって様々です。
例えば、「月平均残業時間 20時間」とサイトに書いてあったり、担当者から説明を受けた場合は、おおよそ1日1時間の残業と想定され、17時定時の場合は、18時ごろ帰宅できるというわけです。
同様に30時間、40時間の場合も考えてみるとおおよその帰宅時間も推測できるでしょう。
3)休日
働き方としては「月曜日~金曜日」働いて「土曜日・日曜日(祝日)」を休むという固定制のスタイルか、「早番・遅番」など接客業・サービス業に多いシフト制のスタイルの働き方があります。前者のスタイルのメリットは、先々のスケジュールや決めやすいこと、デメリットとしては圧倒的にこのスタイルの人が多いので、休みの日はどこへ行っても混んでおり、役所や銀行などがなかなか行くことができないことです。後者のシフト制のメリットは平日が休みの場合もあるため、混雑を避けることができ、役所や銀行なども行きやすくなります。ただし友人と休みが合わせづらく、労働時間もバラバラになることが多いため不規則な生活になりがちです。
これまで学生時代、友人とは大きく生活が異なる、という経験は少なかったかもしれませんが、社会人になるとどの業界、どの企業、どの職種で働くかによって大きく生活が変わってきます。入社した企業にスタイルをあわせていくというのももちろん必要な要素ですが、自分の中でどうしても避けたい…などのスタイルがないか事前に考えてみましょう。入社した後に「こんな生活なはずではなかった」ということが少なくなるはずですよ。
自分が思い浮かべているイメージがおおよそあっているかは、周りの社会人に聞いてみるのがよいでしょう。
とはいえ、会社説明会や企業公認のOB・OG訪問ではなかなか聞きづらいもの。
一番良いのは数年前に就活をした同じ年代の社会人の先輩です。
親御さんだと、すでに部長や課長など役職についていたり、パートなど勤務体系が異なっていたり、みなさんが入社する時の状況と違ったお話になってしまうかもしれません。
リアルな声を聞きたい場合はやはり大学の先輩など、同世代の社会人の方に「学生時代との生活リズムの違い」や「企業の選び方」などを参考として聞いてみるとよいでしょう。
今はまだ就職活動の時期ではないという方は、ぜひ一度体験型の長期インターンシップを受けてみましょう。業務内容の体験だけではなく、毎日朝早く起き、長時間働くという生活を一度体験しておくだけでも、社会を知ることができます。
一度社会人の生活に近い体験をすることで、いざ就職活動をする際に、そのときの経験を振り返って企業選びをすると、ミスマッチを防ぐことができるでしょう。