本当かどうかはさておき、学歴でエントリーシートのふるい分けがあるというのは有名。そう、エントリーシートは、一種の“足切り”なのです。では、学歴以外で見られているポイントは?
多くの学生が面接に殺到する企業では、すべての学生と会う時間はありません。そのため企業側は、あらかじめ学生に聞きたい質問を用意して記述提出させ、面接で実際に会ってみたい学生を選別。つまり効率化を図っているのです。
ある採用担当者の話。
「正直、ひとつのESにかける時間は数十秒だと思います。1分くらいはあるかもしれませんが、3分となると微妙ですね。なので、もっとも重視するのは
・読みやすいかどうか
に尽きます。汚い字など、どれだけいいことが書いてあったとしても、読む気になりません。読みやすいかというのは、「読みたくなる」かどうかということ。このフィルタに引っかからないと、次にすすめません。
読みやすいかどうかというポイントは、
・字が丁寧に書かれている
・一行が曲がりくねっていない
・フリースペースなどでは、段落分けや見出しをつけるなど、読ませる工夫がなされている
・文字を詰め込みすぎず、スカスカでもない分量
など。
さらに、文章も、最初にある程度結論をいってくれたほうが読みやすいです。長ったらしい文がダラダラ書かれていると、それだけで“もういいや”という印象になってしまいます。つまり、ESも“見た目”が重要ということです」
かといって、面接官がESに書かれた内容に、まったく目を通していないというわけではありません。
「見た目ばかり重視して、同じ内容の繰り返しになっているものなどは、結局“外見だけを重視し、頭では何も考えていないんだな”感が強まります。最近の学生は、検索で“こういうふうに書け”というものをコピペしてくるのか、フリースペースでは意味もなく枠で囲ってあったり、図を描いてみたりといったテクを駆使した結果、センスも内容もないことがバレバレになっているケースが散見されます。
見た目はもちろん大事ですが、内容あってこそ。ESを書くときには、まず書く内容を考えてから、どう見せれば良いかを工夫しましょう。どれだけ見た目が良くても、もちろん内容はきちんと目を通します。
魅力的なESとは何か。これまで、“読ませるためには”“面接官の立場だったら”といった視点ばかりが重視されてきましたが、内容的にも書き方的にも、一度“自分だったら、読みたくなるかどうか”を考えてみると良いのではないかな、と思います」(前出・採用担当者)