インターンシップとは、学生が一定期間企業で“働き”、実際の就業体験を行える制度です。これまでは本格化する就活スケジュールに先駆け、大学3年生の春・夏の休暇中におこなわれるケースが多かったようですが、昨年からスケジュールの変動によって秋・冬にインターンシップを開催する企業も増えているようです。
ところで、インターンシップってどうして参加するの? 参加しないと内定がもらえない!? インターンシップに参加した学生と募集した企業から、そのメリットと実情を教えてもらいました。
学生にとって、インターンシップの最大のメリットは「その会社の雰囲気をつかめること」「実際の仕事を体験できること」。インターンシップの段階で自分が思っていた企業イメージと違う、職務内容と違う……ということに気がつけば、効率的な就活をおこなうことができますよね。
・インターンシップに参加した学生の声
WEB業界でインターンシップに参加したという大学3年生のAさんは、メリットとして
「業界の雰囲気を知ることができた」
「社会人というもの、またビジネスマナーについても学ぶことができた」
ことを挙げます。
「業界で集まる講演会や、他媒体の人と話す機会があって、入る前は業界の雰囲気がどういうものかわからなかったが、全部ではないにしろ、つかむことができた」(Aさん)
そこではホームページつくったり、動画をつくったりと“即戦力になりえそうなスキル”を磨くことができ、有意義な時間が過ごせたとのこと。Aさんの場合、もともとWEB業界に興味があり、実際に職場と仕事を体験することで、より志望が固まったといえそうです。
一方で、「インターンシップに参加した企業とは違うところに就職した」という人も、もちろんいます。それっていいの!? と気になるところですが、これはOK。インターンシップは「マッチング」の差異をなくすことが目的でもあるので、互いに「合わなかった」ことを確認できたのは、良かったことなのです。大切なのは「目的意識をもって臨むこと」。”どこでもいいからインターンシップに応募してみる”のは時間のムダ! 企業に対しても失礼です。それならアルバイトでもして、いろいろなことを見聞したほうが面白いかもしれませんよ。
企業側にとって、もっとも大きいメリットは「学生とのミスマッチを少なくできる」ということ。主に、
・人物
・仕事への取り組み方(自分で考え、行動できるかどうかなど)
・社会常識(マナーなど)
をみています。
インターンシップへの参加にも、“選考”がある場合があります。企業側にとって、誰でも参加させられるわけではありません。そのため、インターンシップ選考を通過した時点で、最初の関門は突破していると考えられます。
ただ、それに甘えないこと。インターンシップのときの態度や仕事の取り組み方が企業にフィットしなかったから、あるいはインスピレーション的に「ウチとこの学生は合わないな」と思われたから、その後落ちるということはよくある話。
逆に、インターンシップ選考に落ちたからといって、もうチャンスがないわけではありません。ある程度の規模以上の会社になれば、インターンシップだけで採用枠を埋めることはしないことが多いからです。とはいえ、面接時に「インターンシップに参加したかどうか」を聞かれることはあるでしょう。明確な理由があれば良いのですが、制度をもうけている会社を受けるのであれば、基本的には応募するほうがベター。企業選びをするときには、インターンシップをおこなっているかどうか、調べておきましょう。