地方大学の就活生には、「地元で就活しようか、それとも東京など都市部の企業に就活しようか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。実は、就職先を地元なのか都市部に絞るのかを考える前に考えるべきことがあります。それは、これからの長い人生の中で「どのような仕事をしていきたいのか」ということです。それが地元への企業で実現できない場合、必然的に東京などの都市部へ目を向けなくてはならなくなるでしょう。
自らの成長は、自分の中で「成長したい」という気持ちさえあればどこでもできると思うかもしれません。しかし地方と東京とでは、やはり身に付く能力やスピードが多少違ってきます。
例えば、地方で地元の金融関係企業へ就職したとしましょう。その業務範囲では、大企業の経営幹部と商談するチャンスを手に入れることは難しいかもしれません。しかし東京ならば、若手のうちからでもそのチャンスが多く広がっています。こうした地方と東京での差は、働く環境の違いから現れるのです。つまり東京には地方とは異なるチャンスがあり、だからこそ、さまざまな経験を通じてそれに付随する多くの能力を身に付けることが可能と言えるでしょう。
地方大学の学生が東京の企業を視野に入れて就活を進める場合、そこにどのような地域による差があるのかをよく認識しておきましょう。ここで、具体例を3つ取り上げておきます。
1)就活費用の格差
ほとんどの企業は、都心近郊での説明会が中心となります。そのため、地方の学生が就活対策でもっとも大変になるのは、都心近郊へ行くために時間と交通費がかかるということです。また、その他にも東京などの都市部で開催されるインターンシップへ参加する場合、宿泊費などもかかることが予想されます。地方学生にとって、経済的負担はかなり大きいのです。
2)情報格差
インターネットを利用することで、誰でも多くの就活関連情報を収集することが可能です。そのため、地方学生と都心の学生との情報格差は、さほどないと思われるかもしれません。しかし企業説明会や合同説明会、あるいはOB・OG訪問などで得られる情報は、インターネットで得られる情報以上に価値あるものと言えるでしょう。地方に住んでいる場合、そうした機会も少なくなってしまいます。
3)機会格差
就活のスタート時期が改定されるなどの背景から、インターンシップを通じて企業との接点を持ちたいと考える就活生が増えています。このインターンシップに参加できる機会が多いのも、やはり都心近郊の学生です。
社会人として働くイメージを形成するために、インターンシップ経験は非常に有意義なこととなるでしょう。就活面接の際にも、エントリー先の企業でインターンシップに参加していれば、有利に働く可能性があります。また社会人とのコミュニケーションに慣れることで、落ち着いて対応できるようになるはずです。しかし地方学生の場合、インターンシップを経験するには時間や金銭面で課題があります。
地方学生が都心近郊の企業へ就活する場合、より効率的に活動できるようしっかり戦略を立てることが大切です。まずは本当に働きたいと思える企業を選ぶため、企業研究・業界研究を綿密に行ってください。そして、できるだけ早い時期に都心近郊の就活イベントなどへ参加し、就活のイメージや感触を掴んでみることです。都市部の学生と同じ場に立つことで、就活への温度差を感じ、気持ちをしっかり切り替えられることでしょう。自身のモチベーションも高まり、就活に対する意気込みも形成できます。
また、都市部へ赴いた際にその時間を有効なものとするため、事前の情報収集も欠かせません。インターネット等から得られる情報を整理し、予備知識を持ってイベントや説明会、選考に臨みましょう。そして大切なのが、スケジュール管理です。時間や費用面で課題のある地方学生ならば、できるだけ効率よく就活を進めたいと考えるでしょう。例えば同日に複数企業での面接をセッティングしたり、空いた時間で開催されているイベントを探したりと、限られた時間を就活に投下できるよう調整してください。面接のたびに地元と都市部とを往復するのでは、ストレスも溜まってしまいます。
場合によっては、マンスリーやウィークリー型のアパートを借りてしまい、一定期間滞在して就活を行うのも1つの方法です。何度も繰り返し移動すると考えれば、そのほうが費用も抑えられる可能性があるでしょう。
毎年多くの地方学生が、都市部の企業へ就職しています。もちろん地元企業への就職も選択肢として考えられますが、「地方だから」と都市部での就職を敬遠する必要はありません。ここで取り上げた内容を参考にしながら効率よく就活を進め、自分にとっての就活成功を勝ち取ってください。
地元と東京の就活で迷っている方はこちらの記事もチェック!
就職は地元に戻るべきか……東京で働く入社3年目が振り返って考えてみた。