面接では、あまり答えたくないことを聞かれる場合があります。例えば自分の弱みを聞かれることを、好ましいと感じる人はいないでしょう。そんなとき、どのように答えたらよいのか。ここで詳しく解説していきます。
まず、なぜ企業が学生の弱みを聞くのかを考えてみましょう。面接官の質問には、必ず何かしらの意図があるものです。その意図を知ることで、企業が求めている的確な回答ができます。
・自分の弱みを認識しているか
弱みがない人間はいません。その弱みを認識して、それに対して対策をしているかが重要です。弱みをしっかり認識している人は、その弱みを克服するための努力もできるでしょう。学生の弱みを尋ねることで、学生の自己認識力を見ています。
・弱みをカバーしたり、克服したりする努力ができているか
自分の弱みがわかっているのに、それを放っておくのはよくありません。マイナス面をカバーするため、どのような対策や工夫、努力をしているかが重要です。社会人になれば、仕事という新たな場面で、これまでと異なるマイナス要素が出てくるかもしれません。この質問では短所の有無ではなく、それを克服するための努力できる人であるかどうかを見ています。
・自分の弱みを率直に話せるか
自分の弱みを認識して、それを誠実に認められる人は謙虚な人でしょう。謙虚さは成長するために必要なことです。傲慢な人が他人から尊敬されるような、素晴らしい人だというケースはほとんどありません。謙虚な人は自分のいたらなさを素直に認められるため、次の成長に繋がります。自分の弱みを率直に話せるか判断し、その学生の誠実さを確かめています。
企業は、採用時に「学生自身の能力が仕事で生かせるかどうか」を考えています。弱みを聞くことで、その弱みが仕事で致命傷とならないかどうかを見極めているとも言えるでしょう。
・具体的な改善対策を示す
「弱みを教えてください」と質問されたとき、答えた内容から「この子はウチでやっていけるだろうか……」と不安に感じられ、さらにその対策法が示されなければ印象は悪くなってしまいます。そのため弱みを伝える際には、具体的な改善対策も伝えることが大切です。
自分の弱みに対して、どのような対策を行っているのか。あるいはどのように努力しているかを伝えれば、弱みと向き合う姿勢をアピールできるでしょう。そうすれば、一見マイナスになる弱みから、自分の努力や認識度などプラスの面を知ってもらうことができます。
・改善対策とともに効果や改善度合いも伝える
弱みの改善対策を伝えたら、その効果や改善度合いも伝えましょう。「具体的にこのような効果が出ている」「こう感じている」といった情報です。効果が出ているのであれば、弱みを克服し、成長していける人間だと受け止めてもらえます。
・決定的な弱みを言う必要はない
面接官から弱みを尋ねられても、自覚はあるけれど、あえて言う必要のない短所まで答える必要はありません。仕事を遂行するうえで致命的な短所は、重大なマイナス要素になってしまいます。わざわざ、自分から告白することはないでしょう。何を伝えるのか、その選択が重要なのです。
最後に、弱みを聞かれた際の回答例を見てみましょう。面接でよく聞かれる質問の1つですので、これらを参考にして、自分なりの回答を考えてみてください。
「私の弱みは計画性がないことです。大学時代には留学をしたり、ボランティアに参加したりしましたが、計画性がないために要する時間を把握できていなかったため時間を有効に使えず、他にやらなければならないことが疎かになってしまうこともありました。そんな経験から、今は必ず目標を立てて、やろうとすることに必要な時間や労力を予め調べて、どのように実行するかを考えるようにしています。これからも自分の弱みに対しては、真っ直ぐに向き合って克服するように努力したいと思っています。」
「私の弱みは細かいことにこだわりすぎることです。あまりにこだわりすぎてゼミの課題の資料がギリギリになってしまったことがあります。リミットが近づいているのに、些細な配色や字組のバランスにこだわってしまったことが理由です。時間のリミットがあるときは、それまでに求められた結果を出すことが優先であることを、しっかりと頭に入れて行うようにしたいと思っています。最近はこの弱みを改善するために、今一番求められていること、優先しなければならないことは何かを考えて、作業するようにしています。自分の頭の中で優先順位をつけた上で作業することを心がけています。」
2つの例文から、自分の弱みが必ずしもマイナスになるものではないことが分かるでしょう。弱みを聞かれたときの答え方も前もって準備しておくことで、むしろプラスに繋げることができます。