面接時のムチャぶり質問……いわゆる「圧迫面接」というものですが、耳にしたことはありますか? そんなことを本当に聞きたいのかというような質問や、嫌がらせに近いような言葉を投げかけられることもあるといいます。ちなみに著者の友人は、過去に小柄な体格を「そんなひ弱そうな体で、そこのドア(大きい)開けられるの?」と嫌味を言われたことがあったとか。「それを聞いてどうするんだ!」と憤慨していました。また「圧迫」とまではいかなくても、簡単に答えるのが難しい質問をうけるケースは多々あるでしょう。
面接官の中には、どうして学生を困らせるような質問をする人がいるのか……JOBRASS編集部では採用担当者を直撃! 決して「嫌がらせ」ではないという、採用担当者の「理由」とは――
【学生を困らせるための質問をすることがある?】
・ある 26.0%
・ない 74.0%
採用担当者100名に、学生を困らせるための質問をすることがあるかどうか聞いたところ、「ある」と答えた人は26%。ということは、学生はおよそ4人に1人の割合で、困らせるためだけの質問をされる可能性があるということです。
・質問されたことのないような、珍しい質問をする
質問:「あなたが入りたいという気持ちを、体を使って表現してください」
意図:「学生が事前に答えを用意していないような質問をして、学生の真の姿を見極める」
咄嗟の対応力があるかどうか、ストレスがかかった時でも対応できるか、見極めるための質問であり“嫌がらせ”ではないようです。
質問:「当社には向いていないように思うが、不採用になったらどうするのか」
意図:「予想外の質問をすることで“考える力”があるかどうかみたい」
アドリブで答えさせることにより、表現力の有無をみているんですね。
・やりがい、将来の展望を聞く
質問:「将来のビジョンはありますか?」
意図:「この会社で働く、という具体的なイメージができているかどうかで、志望度・本気度をみたい」
どの会社の面接でも使えるテンプレのような答えではなく、この会社でどのように働きたいのか、という学生の意欲をみたい、という採用担当者の意見です。
質問:「あなたが求めている“良い会社の雰囲気”とは? あなたにとってのやりがいとは?」
意図:「純粋に学生の考えを知りたい。特に嫌がらせをしているつもりもない」
学生にとっては答えにくい質問であっても、採用担当者はあなたの考え方や価値観を知りたいと思って質問しています。
・あえて答えがない質問をする
質問:「2つの業務がある。どちらも重要な業務。しかも業務を与えているのは別々の人。そのような場合に、あなたならどうするか?」
意図:「瞬時の判断ができるかどうか、また逆質問でさらに詳しい状況や優先順位を判断するための材料を引き出す力があるかどうかみたい」
これは、学生自身の優先とする基準・価値観を知るための質問と言えます。答える内容をみているのではなく、思考力や瞬発力をみている、ということです。
・過去の失敗事例を聞く
質問:「過去に失敗して後悔したことがあるか?」
意図:「そこから自分で考えたこと、学んだことは何か知りたい」
採用担当者としては、失敗そのものを聞きたいわけではなく、学生の対応力・学習能力を知りたいのです。アピールポイントとして、自身の成功体験ばかりを語る学生には採用担当者も食傷気味。「バイトリーダーをやりました」「サークルでマネジメントをやりました」など、成功体験は大体似通っているもの。逆に「失敗」は人それぞれのものなので、聞きたいという採用担当者もいるようです。
答えにくい質問にも、質問する裏側には理由があることがわかりましたね。もちろんすべてに理由がある、とは言い切れませんが、採用担当者も「嫌がらせ」をしたいわけではないことを知ってください。
どんな質問をされるかわかりませんが、大切なのは臨機応変に返答できるかどうか。そして、「自分で考えた」ものを答えることができれば、あなたのアピールにも繋がる、ということです。
想定される質問への答えを事前に考えておくことも重要ですが、どんな質問にも答えられるように、しっかりと自己分析や企業研究・志望動機をまとめておくと良いと思います。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年11月10~2015年11月13日
対象:企業の採用担当者 計100名