就職活動をしていると、なかなかうまくいかずに一人で悩んだり、思い詰めてしまいがち。そんなときにはリフレッシュしたいですよね。
スポーツやショッピングなどアクティブに動くのもよいですが、音楽や、映画、本などエンターテイメント作品にじっくり触れるのも一つの方法。
その中でも今回は、就職活動をはじめるみなさん、就職活動中のみなさんに、おススメしたい本をご紹介しますよ。
・月間100万PVを誇る人気ブログ「Chikirinの日記」の筆者、ちきりんが「思考の方法論」を公開した一冊。
例えば――
先輩の世代の内定率が90%だった。
と聞いたとしたら、みなさんはどのように思いますか。
「とても高いな」「就活楽勝だな」と思うでしょうか。
それとも「調査対象は?」「母数は?」「昨年と比較するとどうなのか?」と思うのでしょうか。
ではもう一問。
内定率が90%だったとしてそれってどうなのでしょうか。
みなさんの世代はどうなると思いますか?もっと言えば将来の内定率はどうなると思いますか?
卒業論文やレポートを書く際に文献などで毎日触れているであろう数値やデータ。
本書では、情報の見方、分析、そしてその先に必要な行動まで「“一歩先”の思考法」を学ぶことができます。
そのなかでも第7章「情報ではなく『フィルター』が大事 就活のための企業研究が無意味なワケ」は、
就職活動生にぴったりな内容となっており、企業規模や業種など企業の「情報」にとらわれず、
そこから自分自身のフィルターを発掘していく必要があることの重要性、
フィルターを探すヒントが書かれています。
就職活動中に企業を、業界を研究しているとき、
規模、将来性、安定性、知名度 ……など、情報収集だけで終わってしまっている
あなたにおすすめな一冊です。
・BOSS「宇宙人ジョーンズ」、トヨタ自動車「こども店長」などのシリーズを手掛けるCMプランナーの著書。
地味で暗くて、人づきあいが苦手で、気弱な「電信柱の陰から見てるタイプ」のCMプランナーであると自称する筆者が
描く企画術の本。とはいえ、小難しいスキルや戦略方法はなく、
「私は、他人とうまくコミュニケーションがとれません」という志望理由で電通に入った就職活動。
「自分には才能がない」と認めた30歳。
……といったように筆者の半生を振り返るかたちで、描かれています。
この本を読んでいると、どこか後ろ向きで、どこか遠慮がちながらも、自身が言うように「フツ―」だからこそ、一度は見たことのあるこども店長やエネゴリくんのような、やさしく、共感しやすいCMが作られたのだろうと思わず納得してしまいます。
きらきらして、ぎらぎらしているイメージのCMプランナー。
でも、そうではないタイプの筆者の考え方がかいた文章だからこそ、読み終わった後はとても落ち着き、ちょっとがんばってみよう。という気持ちになりますよ。
・就職活動を経験した平成生まれの作家による直木賞受賞作。
ジョブラスマガジンでは以前、
就職活動ラブ経験者は6.0%! しかし、「仕事ができる」という人に限ってみると…
という記事をご紹介しました。
このように就職活動では、同じ夢を目指す仲間が出来たり、恋人ができたり、社会人の頼もしい先輩ができたり……いままで以上に多く、幅広い人との出会いがあります。
しかし一方で、これまで、当たり前のように隣にいた友人との関係と微妙に距離が出てくることもあるのです。
「あいつの方が先に内定が出た」「OBOG訪問とかインターンシップとか知らない間にしてたんだな」それまで何気なく話していた就活の話題が、なんとなく触れてはいけない話題になることもあります。
登場人物は、「あなたの周りに絶対一人はいる」人達。そしてあなたもまた、登場人物の「誰か」であり、その「誰か」に共感できるはずです。
本作品はエントリーシート、成績証明書、インターンシップ、黒髪、スーツ…という就活の「普遍的な象徴」と、ツイッター、シェアハウスなど「この時代ならではの人とのつながり」という要素によって「今の就職活動」が非常にリアルに描かれています。
あまりにも物語が生々しいので、私自身は正直「就活中に読まなくてよかった」と思いました。でも「終わってからでも読んでよかった」とも思いました。
逆にわたしの友人は「就活中に読んでおけばよかった」と言っていました。
その判断はみなさんにおまかせします。
いかがでしたか?今回は、それぞれタイプの違う本を3冊ご紹介しました。
就職活動に役立つ本というと、ビジネス書や、業界研究、経営者の本を想定しがちですが、
それだけではなく小説、エッセイ、コミックエッセイなどさまざまなタイプの本があります。ぜひ読んでいて自分に合う本を探してみてくださいね!