就職活動を開始して本格的に選考が始まると、最初に取り組むのがエントリーシートあるいは履歴書の作成でしょう。これら書類の作成は、手書きの人もいれば、パソコンで作る人もいます。どちらにしても、できる限り見やすく整った内容が良いことは、言うまでもありません。
選考試験では、提出した履歴書やエントリーシートがそのまま書類選考の材料として用いられるケースが一般的です。履歴書は「学歴」や取得した「資格」「趣味」「卒論や研究のテーマ」を基本とし、端的にまとめた自己PRなどが加えられます。これに対してエントリーシートは、「自己PR」や「応募の動機」「将来の展望」など内面的な内容を書くことが多いでしょう。文章量についても、履歴書に比べて長くなることがほとんどです。
各業界内でも人気の高い企業では、エントリーシートの提出数が1万を超えるとも言われています。その中から最後まで読んでもらえるエントリーシートにならなければ、最初の関門を突破することはできないでしょう。では、どうすれば読んでもらえるエントリーシートを作成することができるのか。ここでは、その基本とも言えるポイントを解説していきます。
読み始めてすぐに誤字脱字が目についてしまうのでは、選考として話になりません。そこから先は、読んでもらえる確率が大幅に減るでしょう。なぜなら、持っているべき基礎学力が不安視される恐れがあるからです。
誤字脱字を防ぐ方法としては、第一に何度も繰り返し読み直すことが挙げられます。そのうえで出来上がったものをプリントアウトし、音読してみて下さい。黙読だと、つい読み飛ばしてしまう可能性があります。また、Wordで作成したのであれば、校正機能でチェックの入った部分に注目してみること。あるいは、Web上の校正ツールを活用することもおすすめです。
また、正しい意味を知らない言葉は、何となく使わないようにしましょう。「役不足」「姑息」「破天荒」「失笑」などはその代表的な言葉です。意味が曖昧なまま使うと、文章としておかしくなり、適当さが感じられてしまいます。不安な場合には、まず調べてみることが大切です。また、「おざなり」と「なおざり」のように、音は似ているものの意味は違うという言葉もあるので、くれぐれも注意しましょう。
エントリーシートを見た瞬間、文字がぎっしり詰まっていて、改行やスペースが見られない文章。果たして、読む気持ちは起きるでしょうか。残念ながら、読みづらく感じてしまうはずです。また、逆にスペースだらけだったり、文字数が少ないうえ必要のない改行が目立ったりするものも同様でしょう。
見やすいエントリーシートにするためには、まず自分が採用担当者の立場になって考えることが大切です。特に手書きの場合、「文字が細かすぎないこと」「読みやすい楷書で書くこと」「きちんと清書されていること」を念頭におきましょう。そうすることで、読む人に対する配慮を感じさせるエントリーシートに仕上げることができます。
しかし人間なのですから、ここまで気をつけても間違ってしまう場合はあるはずです。書き終えてから間違いに気付いた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
まず「してはいけない」こととして、修正液や修正テープによる削除と上書きが挙げられます。修正液や修正テープは、確かに簡単で比較的きれいに修正することが可能です。しかしこれらによって誤りを正したものは、正式な文書としては認められません。これは、エントリーシートでも同様です。以前は、「砂消しゴム」を使って間違えた部分を削り取り、書き直すという方法も見られました。もちろんこれも、修正液や修正テープと同じく避けた方が賢明です。
そうなると、修正せず書きなおさなければいけないのか。社会に出て企業で働くようになると目にする機会が増えますが、修正したい部分に二重線を引き、その上に訂正印を押すことで修正するという方法があります。しかし間違えたからといって、むやみやたらにこの方法で修正するのは避けましょう。最大でも1~2ヵ所に止めてください。もし修正ヵ所がそれ以上になる場合、面倒でも全部書き直したほうが良いでしょう。やはり、出来ることならば修正の無いエントリーシートが、見栄えから気持ちよく読んでもらえるはずです。
履歴書ならば、新たな用紙を購入すれば何枚でも書くことができます。しかしエントリーシートには、枚数に限りがある場合もあるでしょう。そんな時は必ず下書きを行い、誤字脱字や言葉遣い、句読点の場所、改行、スペースなどを確認してから清書することをおすすめします。最後に、エントリーシートを書く際のステップをまとめておきましょう。
・音読も含め何度も読み直し、誤字脱字や言葉の使い間違いをチェックする。
・Wordの校正機能やWeb上の校正ツールで校正する。
・改行やスペースが適当で見栄えは良いかチェックする。
・修正する場合は二重線を引き訂正印を押して直す。
以上を参考に、誤字脱字のないエントリーシートを作成しましょう。