就活で、大学の教授は頼りになる? 教授の「推薦状」って、頼めば書いてもらえるの? また、どのくらい効力をもつの? 気になる教授のパワー。就活で教授が頼りになるケースと教授推薦について、まとめました。
JOBRASS編集部では、就職活動生、卒業生、社会人になりたての人352名に、「大学の教授は就活で頼りになるかどうか」を尋ねました。
【大学の教授は就活で頼りにならない?】
・そう思う 41.2%
・そう思わない 58.8%
「頼りにならない」という人は41.2%、「頼りにならないことはない」、つまり「頼りになる」とした人が58.8%と、約6割を占めました。男女別では、「頼りになる」とした男性が55.3%、女性が61.7%という結果でした。
就活をするにあたり、相談相手といえば大学の先輩、キャリアセンター、そしてゼミなどの教授が挙げられます。
大学(ゼミ)の教授に相談することの3大メリット:
1)推薦状を書いてくれる
2)ゼミOB・OGへのつながりを作ってくれる
3)理系などでは「ゼミ枠」を持っている企業がある
学校が出す「推薦状」と異なり、「教授推薦」は、教授が優秀で、かつその企業に貢献できそうな学生に対して出すものです。
企業側にしてみれば、推薦状があると、志望動機などでふるいにかける段階で残すことがあるといわれます。何もないと最初のステップにすすめないけれど、推薦状があると、最初のステップはつかむことができるということ。落ちないというわけではありません。また推薦状があると、(教授の信用にかかわるために)内定を辞退しにくくなるので、企業側にとっても推薦状がまったく意味をなさないわけではありません。
なお、教授推薦をするかどうかはあくまで教授判断に委ねられるため、教授によって基準は異なります。上智大学文学部社会福祉学科の岡 知史教授は過去、気軽に推薦書(推薦状)を依頼する学生がいることを憂え、推薦書についての考え方などを詳細にまとめています。(※)
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そもそも推薦書を依頼するとは教授に対して、「企業に私を誉めろ」ということ。なのに、ゼミ生でもなく、卒論指導でもなく実習担当でもないなど、教授とあまりコミュニケーションをとったこともないのに、自分を誉めてというのは、虫の良い話です。
日頃から推薦書を依頼できる関係をつくっておくことが大切で、かつ、その分野で知られているなど、その企業に提出して多少なりとも納得感のある教授に依頼するとよいでしょう。
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岡教授は、「あなたのことをよく理解していると思う教員に、推薦書をお願いすること」とまとめており、
「『そんな人はいない。私のことを理解してくれる教員はいない』というのなら、あなたには推薦書を依頼する条件が ありません。あなたは教員と、それだけの人間関係をつくってこなかったのです」と説明します。また、自身が推薦書を書いたなら、「少なくとも3年から5年は、そこで働いてもらいたい」
とも。書く人にとっては自分の信用を賭けるものであり、それくらい、推薦書というのは重たいものなのです。
就活の際は、もてる人脈は駆使するのが鉄則ですが、それに向け、日頃から人とのコミュニケーションを密にしておくことが大切なのですね。
※推薦書について / 岡 知史 / 上智大学文学部社会福祉学科
https://pweb.sophia.ac.jp/oka/edu/suisen.html
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年9月25日(金)~2015年9月28日(月)
対象:
就職して1~2年たった社会人になりたての人計128名
就職活動生(大学3年生、大学院生(修士課程または博士課程))114名
2016卒(現大学4年生)110名