総合職採用の場合、多くの企業が内定後、あるいは入社時に「希望の部署」を訊ねますが、必ずしも希望通りというわけではないのが現実です。一体どれくらいの割合の人が希望の部署に配属されるのでしょう? そして、「配属」が決まるカラクリは!?
まずJOBRASS編集部では、社会人になりたての人128名に、「希望の部署に配属されたかどうか」を尋ねてみました。
【希望の部署に配属された?】
・配属された 66.4%
・配属されなかった 33.6%
その結果、「配属された」人は66.4%、「配属されなかった」人は33.6%。6割以上の人が「希望の部署」に配属されているのですね。
男女別にみてみると、男性で「希望の部署に配属された」という人の割合は58.2%。配属されなかった人の割合は41.8%でした。一方、女性で「希望の部署に配属された」という人の割合は72.6%と、男性よりもかなり多い割合。「配属されなかった」という人の割合は27.4%でした。
そもそも働いたことがない学生が希望する「部署」の仕事が、果たして本当に自分の「イメージ」通りなのか、また自分に「合う」かどうかは微妙です。
求められる能力や仕事内容と、自分の適性が合っているかどうかは、自分でわからなくて当たり前。そういった点では、人事担当者など企業側のほうが見抜く目はあるといえるでしょう。
例えばメーカーの「広報部」。
華やかな印象があり、希望していたのに配属されず、営業部になったAさん。同期で広報部に配属されたBさんのことを羨ましく思い、「おとなしいBさんより、ミーハーな自分のほうが向いているのに」とさえ思っていました。でも、営業部でAさんは“外で人と会い、話をすること”の面白さ、楽しさにのめり込んでいきます。一方Bさんは、“出過ぎない”物腰が、地道な仕事も多い広報部では重宝されました。
どうせ希望通りになるかどうかわからないのであれば、「言っても仕方がない」と思うなかれ。企業側も、その人がどういったことに興味があるかを知るのは必要なことなのです。そのうえで、適性やその人のキャリアプランなどを考えるのですが、それ以前に企業側には「都合」というものがあります。
全員の希望を聞いていたら、人員配置がアンバランスになってしまいますよね。配属先の部署が、人員を欲しているかどうかという“枠”。そして、どんな人員が欲しいかという要望があります。枠がいっぱいなら待たなくてはいけないでしょうし、自分がその部署の欲しい人材のタイプでなかったら、配属される可能性は低いといえるでしょう。
どうやって配属が決まるかは、大きく3つのポイントがあります。
1)採用時に想定されている
採用時、自社のどういった仕事向きかといった適性を見られていることがあります。
そういう意味では、希望部署があるなら、その会社に入社した後、どういう部署でどういうことをやりたいか、といった具体的なイメージをもっておくのはいいことです。
採用面接官にとっても、「内定がゴール」だと思っている学生より、「内定をもらった後のあり方」を語ることができる学生のほうが好印象です。
2)希望部署のニーズ
人事というものは、いろいろな部署へ人材を配置する“パズル”のようなもの。需要と供給のバランスがあり、希望部署のニーズにその人が合っているかどうかということです。
3)アピール
「希望」はあくまでも“確認”という場合も少なくありません。ただ、総合職であればいずれ異動があることを考えると、新卒で「希望」の部署に配属されることが、必ずしもハッピーとはいえないかもしれません。
配属先で目の前の仕事にどう取り組むかという勤務姿勢は、さまざまなルートで人事の耳には入っているものです。また一生懸命取り組むことで、自分でも思って見なかった適性が発揮されることもあります。入社後は経験を積みつつ、定期的におこなわれる面談で、希望の部署へのアピールをすれば良いでしょう。
総合職採用の場合、企業はさまざまな部署で経験を積ませようとします。人事からすれば、与えられた仕事を頑張れなくて、希望の部署に配属できるわけがない、というのもホンネでしょう。「自分は○○部に向いているハズだ!」など、自分を自分で決めつけてしまうのは、視野を狭くしてしまいます。希望はありながらも、経験できるすべてのことを吸収する気持ちで、目の前のことに取り組みましょう。
これらのことは、就活でも同じ。「自分は○○業界に向いているハズだ!」と思い込み過ぎず、いろいろな業界をみてみましょう。そうしているうちに、最初は考えてもみなかった業界や企業と出会えるかもしれません。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年9月25日(金)~2015年9月28日(月)
対象:就職して1~2年たった社会人になりたての人計128名