就活を始める頃になって、初めてスーツを購入する学生も多いでしょう。その際、男性ならば合わせてネクタイを準備するはずです。スーツが初めてということは、当然ながらネクタイを巻くのも初めて。いざスーツを着るタイミングになって、上手くネクタイを巻けず慌ててしまうかもしれません。
そうならないために、あらかじめネクタイの巻き方を覚えておきましょう。ここでは初めての人にも簡単にできるネクタイの巻き方を見ていきましょう。
初めてネクタイを巻くという人は、まずもっとも基本となる巻き方から覚えましょう。簡単にできますので、ネクタイに不慣れな人もご心配なく。
<プレーンノット>
プレーンノットは社会人でも使用頻度が高く、応用範囲も広い基本的な巻き方です。一般的なレギュラーカラー(襟)のシャツとも相性が良いので、就活生・新入社員は覚えておくと重宝するでしょう。巻き方の手順は、次の通りです。
1.大剣を長めに取り、大剣側が小剣の上になるようにクロスします。
2.上に重ねた大剣側を後ろから1周まわします。
3.そのまま後ろから前に持っていきます。
4.ループ状のところに大剣を通します。
5.結び目が固く小さくなるように結びます。
6.小剣を引っ張りながら上にあげます。
プレーンノットは別名「フォア・イン・ハンド」(FOUR IN HAND)とも呼ばれる巻き方で、19世紀のイギリスの4頭立て馬車の時代に発祥した歴史の古いものです。着脱による生地へのダメージも少ないことから、万人から支持されています。プレーンノットは細いネクタイだと小さめ、太めのネクタイだと大きめに仕上がるので、ネクタイによって印象も変えられます。
<ダブルノット>
ダブルノットは、二重に重なるノットが特徴の巻き方です。プレーンノットの大剣を二重巻きにするため、ボリュームのある結び目になります。ノットの重なりが少し見えるように巻くことがポイント。大きすぎず上品に仕上がり、粋な演出ができます。プレーンノットに慣れてきたら、ぜひチャレンジしてみてください。巻き方は次の通りです。
1.小剣を短めに取って、ネクタイの縫い目を目印に大剣が前にくるようにクロスします。
2.上の大剣側を後ろから2周まわします。
3.ループ状の部分の前側に大剣を上から通します。
4.結び目が固くなるように整え、小剣を引っ張りながら上にあげます。
ダブルノットの巻き方は、女性が男性用ネクタイを使用するときにも使えます。長さを調節するのに適した巻き方です。
基本の巻き方をマスターしたら、少しアレンジのある巻き方にトライしてみましょう。
<スモールノット>
名前のとおりノットが小さく仕上がる巻き方です。結び目が小さくなりますので、大きな結び目が苦手な人、あるいは結び目にボリュームが出すぎてしまうと感じている人におすすめです。生地の厚いニットタイを結ぶときにも合います。スモールノットも簡単な巻き方なので、覚えておいても損はありません。以下が手順です。
1.ネクタイを首にかけて小剣を180度ねじる。
2.小剣を左胸側に寄せて大剣の下で交差させる。
3.小剣を大剣を巻くようにして前に持っていく。
4.右胸前にある小剣を襟元からくぐらせて、結び目の袋に小剣の先を通す。
5.結び目を調節しながら襟元の位置まで上げる。
6.位置と形を整えたら出来上がり。
スモールノットは別名「オリエンタル・タイ・ノット」と呼ばれ、背が高い人や上半身が長い人、首が太い人に似合う巻き方です。シャツはレギュラーカラー、ウインザーカラーと合います。
<プレーンノット変形>
こちらは、少し変わった巻き方です。目を先に作ってから首に通すという巻き方なので、うまく結び目が作れないという不器用な人にも使えます。次の手順で巻いてみましょう。
1.小剣を上に重ねて輪を作り、その間に通す。
2.輪を通して小剣を1回ひねる。
3.小剣を首の周りに回して、反対側から持ってくる。
4.結び目の輪を通す。
5.結び目を調節しながら襟元の位置まで上げる。
6.位置と形を整えて出来上がり。
このプレーンノットの変形は、美しい結び目やディンプル作りなど、大剣の長さ調節が簡単にできることを活かしてアレンジできます。クタッとしてしまって、結び目が作りにくいタイを使うときに役立つでしょう。
最後に、少し難易度の高い巻き方を1つご紹介します。ここで紹介するのは、あらたまった大切な場にも適した巻き方です。
<ウインザーノット>
ウインザーノットは、英国調スタイルの強い巻き方です。イタリアンカラーなどのワイドカラータイプのシャツに合います。少し巻き方は難しいですが、以下の手順に沿って巻いてみてください。
1.縫い目が首の位置に来るように短めに小剣を取ります。
2.小剣を折り曲げて後ろから前に持っていきます。
3.大剣を後ろから前に持っていき間に通します。
4.通した反対側から外側にまわして、内側から外に持っていきます。
5.ループ状のところに大剣を通します。
6.結び目の形を整えて少剣を引っ張りながら上にあげます。
この巻き方は、ウインザー公(英国王エドワード八世)が流行させたといわれています。長すぎるタイやボリューム不足のノットには、ウインザーノットで巻くことで結び目がふっくらと大きく仕上がるでしょう。