就活を考えはじめると、とりあえず登録する「就活サイト」。
すでにいくつか登録をしている人も多いはず。(そのなかにジョブラスが入っているととても嬉しいです)
わたしも仕事柄、たくさんのサイトを見ることがあるのですが、今更ながらあることに気づいたのです。
「就活サイトは青が多いな」と。
なぜ青が多いのか、気になったら調べないと気が済まないわたしは、さっそくデザイナーの方に聞いてみました。
わたし: 「ジョブラスを含めて、青い就活サイトが多いのはなぜなんですか?」
デザイナーさん:「それは、”サイトが完成するまでの過程”を知っておいた方がいいね」
と教えていただいたことは、予想以上にスケールの大きなお話でした。
サイトが出来るまでには、簡単に言うとこんな流れがあるようです。
1.サイトコンセプトをつくる(こういうサービスがしたい! という理念や方向性のこと)
…ユーザー(企業・学生)にとってどんなサイトにするか、ということをまとめます。
2.開発基準をつくる(コンセプトにあった開発とは? を考えていくこと)
…サイトコンセプトに合ったものを作るために、開発する際の基準を作ります。
サイトを使った際にユーザーが、こんな印象を受けるサービスを開発していこう! と決めるわけです。「わかりやすさ」とか「面白さ」、「安心」といったように、基準を明確にすることで、その基準にあった開発をしていこう! と全体の意思疎通をはかるわけです。
3.サイトのデザインやロゴをつくる
…開発基準を作ったあとは、実際にどのようなサイトにしていくのかを考えていきます。
「考える」といっても、机の上で想像して、クリエイティブに……、ということではありません。色相環(色相を環状に配列したもの)と呼ばれるチャートに、さまざまなサイトのイメージカラーを並べていきます。
そのなかで「イメージカラーをピンク色にするとターゲットが女性に絞られてしまうな、黄色だとターゲットよりは幼いかな…」というように、これからつくる新サービスは他社サービスのイメージカラーと並べたときにどのあたりに置くとよいのか、を決めていくのです。
また同時にロゴのフォントについても、明朝体がいいのか? ゴシックがいいのか? 細型? 太型? など決めていきます。
ゴシックだと現代性・先進性、明朝体だと格調・品格という印象を与えるそうです。
コンセプトや設計基準に当てはまるのはどんな色を使い、どんな書体であったほうがよいか、考えていくわけです。
またここで、どんなサイトのデザインにするのかを、開発基準に当てはめて決めていきます。
ここでも想像……ではなく、さまざまなサイトデザインと比較、実際にテキストやイメージをひとつひとつ当てはめて検証するというのです。
(ジョブラスではなんと120パターンほど作ったそうです!)
ちなみに今年のジョブラスは「レスポンシブ・デザイン」を採用。パソコンでもスマートフォンでも見えやすいデザイン、とのことです。
→気になる方は実際にサイトのデザインを見てみてください。 https://jobrass.com/
4.準備終了!開発スタート
そうして諸々のデザインや設計案を確認後、開発スタート! となるわけです。
本当にざっくり書いてしまいましたが、その他にも細かな確認や作業を重ね「設計案の確認」に行くまで、ジョブラスの場合は半年~1年かかったそうです。
商品によってはもっとかかることの方が多いんだとか。
若干脱線した気もしますが、「青がかっこいい! 」という感じで、色単体で決めているのではなく、サービス全体を考えて決定しているということがわかりました。
では、最後に本題の色問題をまとめます。
ここまで読んでいただければ分かっていただけたかと思いますが、重要なのは「色が与える印象」。例えば、赤ちゃんのおもちゃを扱うサービスで、サイトの色が紫や茶色で埋められていると違和感を覚えますよね。
就活サイトで多く使われる「青」という色は、「インテリジェンス・知性」という印象を与えます。逆にエネルギッシュ、パワーが必要な「転職」を扱うサイトは、「赤色」であることが多いです。
JRやゆうちょ銀行のロゴを思い浮かべると緑が多いのも、緑は「安定・安心」を印象づける色だからともいえます。
しかし同じ金融業界でも赤いロゴであったり、青いロゴであったりさまざま。
ロゴやサイトに使われる色には、その企業が消費者や世の中に与えたい印象が凝縮されています。これから出会う企業のロゴやサイトなどもチェックして、「その企業が何を目指しているのか」を少し予想してみるのも良いでしょう。
もしサイトの設計などに興味があるようだったら、Webデザイナーなどクリエイティブ系のお仕事にも視野を向けて話を聞いてみると面白いかもしれませんね。