就活の面接では、必ずと言えるほど自己PRを聞かれます。自己PRは履歴書にも書くことが多く、就活生が誰しも考えておかねばならないものです。この自己PRは、自分を企業に売り込むための最大のチャンスともいえるでしょう。しかし実際は、なかなか上手くできない人が多いようです。
一生懸命に話していても、人事からは高く評価されない。そんな自己PRを繰り広げる就活生が少なくありません。自己PRを上手く話せれば、志望企業から内定を得られる可能性も高まるでしょう。では、どんな自己PRが人事に好感を与えられるのか。具体例を見ながら考えてみましょう。
自己PRは就職だけでなく、中途の転職でもよく聞かれる内容です。自分の強みや採用によるメリットを、具体性を持たせて伝えましょう。しかしこの自己PR、なぜ面接で聞かれるのでしょうか。その意図は企業によりさまざまですが、次のようなものが挙げられます。
入社後に活躍してもらうためには、会社が求めている能力を持っていることが必要です。例えば商社なら、管理能力や交渉能力などが求められるでしょう。コンサルタントであれば論理的思考力が必要とされます。こうした能力を持っているか、あるいは身に付けられる素質があるのかを、自己PRから知ろうと考えているのです。
自己PRでは、自分の長所をアピールすることが多くなります。得意としていることや自信を持っていることはアピールしやすいですが、「〇〇が得意です」と言うだけでは採用担当者に対し説得力がありません。そのため、アピールの根拠となる経験やエピソードを添えて話すことが大切です。能力が十分であるかを判断してもらうためには、問題を解決した、あるいは事態を改善したなどの具体例が有効となるでしょう。
就活の面接で自己PRを成功させるためには、アピール内容が会社の求める人物像と合致している必要があります。何を求めているのかは、会社によって異なるでしょう。ここでは自己PRの具体例を挙げていきますので、企業研究と合わせて参考にしてください。
「私の長所は、積極性があることです。勉強でもアルバイトでも、いつも人に言われる前に自分から積極的に行動してきました。その甲斐もあり、アルバイトではリーダーとして他スタッフの管理も任されました。もし御社で働けることになった場合には、仕事にも同じく積極的な姿勢で取り組んで参ります。もちろん仕事だけでなく、スキルアップへの努力も怠りません。常に今より上を目指しながら、何事にも取り組んでいきます。」
過去を振り返るだけで、積極性は伝わらないものです。そのため積極性を伝える場合は、過去のエピソードを話すだけでなく、未来に向けた目標などを添えると効果的です。また、態度や表情で明るく前向きな印象を与えるようにします。暗い印象では、いくら積極性をアピールしても説得力がありません。
「私の長所は、体力と計画性があることです。平日は郵便局で事務のアルバイトを行い、さらに土日祝日はスーパーでレジ打ちのアルバイトに従事してきました。毎日休みなく働いてきた経験から、自然と体力と計画性が身に付いたのだと考えています。休日が少ないからこそ、その限られた休日をどのように過ごすかを考え、有意義に使うよう心がけてきました。このように身に付けた体力と計画性は、社会生活でも必要な要素だと思います。この強みを活かし、御社にも貢献していきます。」
体力のアピールは、例えば学生時代ずっとスポーツを続けてきたような人も出来るはずです。特に新卒入社してすぐは、覚えることばかりで毎日が大変でしょう。忙しさに負けず仕事に取り組めるという点は、職種を問わずプラスとなります。また仕事には効率も求められますので、計画性について理解し、実践してきたというアピールは、企業に対して良いアピールになるでしょう。
「私は学生時代を通じ、飲食店で接客業務のアルバイトをしてきました。アルバイトを始めて3年目からは、接客業務のリーダーを担っています。リーダーの役割を担うと店舗の経営状況を知る立場となり、売上の状況について課題意識を持ちました。そして集客を増やすことが利益確保に繋がると考え、休日に企画を練り、店長に承諾を得たうえでキャンペーンを実行した経験があります。キャンペーンはリピーター優待をするもので、来店頻度に応じて最大30%の割引を行いました。その結果、キャンペーン開始から2週間で集客が増え始め、1営業日あたり5万円の売上アップに貢献した実績があります。」
具体的な行動の説明があり、成果もきちんとアピールできる内容でしょう。採用担当者に対して印象に残る自己PRとなっています。特に成果を数字で表しているため、相手にもその程度が伝わりやすい内容です。
自己PRは、自分らしさ、あるいは自分だからこそ持ちうる強みを相手に知ってもらうチャンスでもあります。例え素晴らしい能力があっても、伝え方が悪ければ非常にもったいない結果となるでしょう。相手の立場を考えて内容を整理し、自分の魅力を最大限に伝えましょう。