マスコミ業界は、例年多くの就活生が志望しています。そのため競争率が高く、倍率は数ある業界の中でもトップクラスです。そんなマスコミ業界には、学生の中でも優秀層が集まっていると言えるでしょう。他業界と同じ感覚で挑んでも、太刀打ちでないかもしれません。
マスコミ業界は、主にテレビと広告、出版の3つが軸となって成り立っています。ここではその中で、出版に属する新聞社への就職についてご紹介しましょう。
マスコミ業界の魅力には、やはり他業界に比べて高い給与が挙げられるでしょう。業界大手の年収の高さは、他を圧倒するものがあります。就活を考え始めた学生の中には高い給与と共に、世間から注目度が高い点に魅力を感じて志望する人が少なくありません。
給与の高さはマスコミ業界の中でもテレビやラジオといった放送関連が抜きん出ていますが、大手新聞社もまた同様です。35歳の平均年収が、1,000万円を超えるという高収入も夢ではありません。
そんな大手新聞社としては、次のような企業が挙げられるでしょう。
・朝日新聞
・読売新聞
・毎日新聞
・日本経済新聞社
・共同通信社
中でも朝日新聞と読売新聞、毎日新聞の3社は「三大全国紙」と呼ばれます。しかし、近年はインターネットの普及や記事の取り消しといった騒動もあり、少しずつ状況が変化しているようです。
また共同通信社については、新聞社と呼ぶことに違和感を感じる人がいるでしょう。しかしニュースの情報源となっていることから、同じグループに属す企業と見ることができます。さらに日本経済新聞社は、ビジネス新聞の筆頭として有名です。その他にも地方紙をはじめ、各業界に特化した専門誌など多彩な新聞社が存在します。
新聞社への就職を志望する学生には、「新聞社で記者としての基礎を学びたい」という人がいます。しかし、難関といえる新聞社への新卒入社の中でも、記者としての採用は非常に厳しいものです。また、入社後に記者として活躍できるか否かも、簡単ではないでしょう。
例えば朝日新聞は、入社するとジャーナリスト学校があり、そこで基本を学んで配属先へ向かいます。取材源の秘匿や取材資料の目的外使用の禁止、その他、守らなければならない記者倫理などの基本を学んだうえで、取材の最前線へスムーズに入るための準備をするのです。このジャーナリスト学校では、その後も半年、1年、2年、3年目に研修が行われ、中堅やデスク研修もあります。
新聞社の仕事といえば、記者を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし新聞社には、その他にも数多くの職種があります。実際に、新聞社では社員の約4割が記者以外の仕事で働いているのです。
職種には、例えば営業や企画、システム部門などが挙げられるでしょう。あるいは、新聞の配達員や専売所の管理などもあります。新聞社は全国に拠点を持っていますが、この取材網を支えているのは記者以外の人たちです。また新卒だけでなく、中途採用で入社した社員も多く見られます。
新聞社と聞くと、文系のイメージを持つかもしれません。しかし技術者も働いていますので、理系でも知識を活かした職種が見つかる可能性はあるでしょう。ただし、どの仕事でも新聞社の役割や仕事への理解は必要です。紙面や社風に共感し、新聞社で働くことに熱意のある人が求められます。
新聞社の多くでは、部門ごとに採用試験が行われます。一般的な分類は、編集(記者)と営業(販売、広告)、総務、技術などです。
筆記試験は、時事・常識問題と語学、作文・論文が中心となります。競争率も激しい新聞社の筆記試験は非常に難しく、勉強が必要です。時事・常識問題は新聞を丹念に読んで、言葉の意味から背景、影響までを深く掘り下げた知識が必要とされるでしょう。
また作文・論文において、新聞記事は大学の卒業論文のような形式と異なります。新聞記事に適した書き方を身に付けるため、新聞社で行われている受験者向けセミナーを受けるなど、文章力を磨く訓練も必要となるでしょう。新聞社の筆記試験をパスするためには、早い時期からの準備・対策が必要です。
新聞社では面接の一環として、グループディスカッションを実施することが多く見られます。また、特定の対象を取材して記事を書く、模擬取材を取り入れる新聞社も増えているようです。
面接は1次から3次まで行われる企業が多く、面接毎に違った形式が取り入れられます。面接官の人数や個人面接、グループ面接など、異なる面接形式への対策が必要となるでしょう。例えば1次面接が1時間程度で終了するのに対し、2次面接では丸1日をかけたディスカッションが行われるといった企業もあります。
ディスカッションでは時事問題等をテーマに挙げることが多く、そうした情報を常に把握し、議論できることが求められます。受け答えはもちろん、情報感度や知識量なども見られる試験です。毎日ニュースや新聞をチェックしながら自身の意見を考えるなど、日頃からの訓練が必要とされます。