特定業界への就職を目指す場合などには、関連資格を取得しておくことで就活に有利となることが少なくありません。それは、知識面から業界・業務への理解があるため、就職後に早い段階から活躍してもらえる可能性が高まるからです。そして取得した資格は、就職後も実務でおおいに役立つでしょう。
では、どのような資格が就活で有利となるのか。代表的な資格をいくつかご紹介します。
簿記は、経営管理・経営分析の基礎技能や、営業時の原価表や見積もりの作成等に役立つ資格です。以前は経理部や財務部に所属する人が取得を目指す資格でしたが、最近では多様な業種・業務で役立つものとし、取得が推奨される傾向が強まっています。
簿記の学習を始めると、多くの人は馴染みのない単語に戸惑うことでしょう。しかし経済新聞などを読んでみると、簿記で学ぶような経済用語が多く出てきます。簿記検定で基礎知識を身につけてからこうした経済新聞などを読むと、より理解を深めることが可能です。そのため、社会人の基礎として持っておきたい知識と言えるでしょう。
社会保険労務士の仕事内容といえば、次のようなものが挙げられます。
・社会保険や雇用保険の手続き
・就業規則や賃金制度の指導・作成
・社内研修のプログラム作成
・従業員の募集や採用、退職に関する指導・相談
・労働問題の解決 など
つまり、企業の労務・人事に関する仕事ということが分かります。仕事内容は、そのほとんどが企業や従業員のためになる仕事であり、やり甲斐も大きいでしょう。社員から感謝される機会もあります。
社会保険労務士受験資格には、大学卒業者、または大学において62単位以上を修得済みの者という条件があります。そのため、62単位を習得できていれば在学中でも挑戦できる資格です。対象となり、企業の労務・人事に興味のある人ならば、資格取得を目指すと良いでしょう。
TOEICは、個人の英語能力を表す指標として広く知られています。しかし就活に有利と言えるレベルには、それなり高得点を求められるでしょう。外資系企業やグローバル展開を推進する企業、あるいは海外との取引を持つ部署などでは、必要不可欠なスキルです。
TOEICは試験の難易度が高いだけでなく、時間的拘束が長いことも特徴です。そのため、試験中に集中力を持続させることも重要な要素になってきます。高得点を取得するには、やはり日頃からの努力が一番の近道となるでしょう。
企業によっては、就業後も受験を勧める場合が見られます。しかし、まとまった学習時間を持つことは、なかなか難しくなるでしょう。できれば一度、在学中にチャレンジして頂きたい試験です。
一般に宅建と呼ばれますが、正式名称は宅地建物取引主任者です。その内容は、土地建物の売買や事務所・マンション等の賃借契約など、不動産取引に携わる業務において必要となる資格です。企業のみならず、生活にも密接した資格といえます。
大手企業になると、支店の資産である土地建物に関する売買や賃借契約について、各支店の担当部署に取引業務を任せているでしょう。不動産取引を行う場合、事業所毎に従業員5人のうち1人は宅建の資格保持者を配置することが義務付けられています。つまり不動産業界だけでなく、住宅や金融、サービスなどさまざまな業種の企業において、財務部門に宅建の資格保持者が必要なのです。企業によっては、宅建の資格保持者に手当を出す場合もあります。
宅建の資格取得に、年齢や学歴等の制約はありません。そのため、大学在学中でも資格を取得している人が比較的多い資格です。
通関士とは、輸出入業者から通関業務を代行し、税関の手続きを行う唯一の国家資格です。 日本には、多くの輸出入貨物が出入りしています。例えば小麦や果物、お肉、石油、鉄鋼など、その種類は多様です。しかし各国に様々規制があり、好きな貨物を好きなだけ輸出入できるわけではありません。これを判断するのが税関ですが、通関士はその税関に代わって輸出入の諸手続きを行っています。
通関士の活躍の場は、通関業務を行う会社(運送業、倉庫業など)や輸出入業務を行っている一般企業などが挙げられます。通関業者は営業所に1名以上の通関士を置くことが義務づけられているため、今後さらに見込まれる貿易自由化に伴い、通関士のニーズはますます高まっていくでしょう
ただし通関士の資格を働きながら取得しようとすれば、最低1年は勉強が必要となります。そのため、まとまった時間の持てる在学中に資格を取得しておくことは、将来的に見ても有利といえるでしょう。通関士の人数が足りない企業であれば、資格を持っていることそのものが採用に大きなメリットとなります。
業界あるいは実務に直結した資格を持っておくことで、就活を有利に進められるでしょう。もし就職後に取得が必要となりそうな資格があれば、時間のある在学中に取得しておくことは、自分自身にとっても大きなメリットをもたらします。業界や業務を詳しく調べ、資格を就活における1つの武器として身につけてはいかがでしょうか。