近年、福祉に関するニュースを頻繁に目にしませんか。日本は世界でもトップクラスの長寿国。人々が長生きできる社会であることは望ましいことですが、多くの高齢者が介護を必要としています。また児童に関しては、保育園に入りたくても入れない「待機児童」の多さが社会問題化。さらに近年は“格差社会”といわれ、生活困窮者や生活保護についても問題となっています。こうした状況の中、介護・保育・看護などを含む福祉業界はますますニーズが拡大。高い意識をもった人材が求められているんです。
ここではそんな福祉業界を目指す学生に向けて、仕事内容や業界概要を踏まえながら、志望動機作りに役立つポイントをご紹介します。
(※こちらの記事は、2015年10月28日に公開したものを更新しています。)
志望動機を書くには、まず仕事内容を押さえておくことが重要です。福祉の仕事は、対象者やサービス内容によって以下に分類されます。
・介護(ケアワーク)
高齢者や障がい者への介護業務。介護福祉士やホームヘルパーなどの資格が必要。
・保育
乳幼児や児童への保育業務。保育士などの資格が必要。
・相談、援助
生活に関する相談や支援業務。社会福祉士などの資格が必要。
・看護、リハビリ
病院や利用者自宅などでの看護業務。看護師や理学療法士などの資格が必要。
・栄養、調理
入所施設などにおける栄養管理・調理業務。栄養士や調理師などの資格が必要。
・運営、管理
入所施設などの運営・管理業務。施設長などが行う。
利用者が施設に入所して24時間体制のサービスを受ける場合、原則として地方自治体もしくは社会福祉法人が運営することと定められています。そのため多くの民間企業やNPOでは、通所サービスや訪問サービスの運営に携わっています。では民間企業によって運営されている通所・訪問サービスには、具体的にどんなものがあるのでしょうか。
・介護に関する通所・訪問サービス
訪問介護(ホームヘルプ)、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション など
・障がい者に関する通所・訪問サービス
居宅介護(ホームヘルプ)、児童デイサービス、共同生活介護(ケアホーム)、自立訓練 など
・児童に関する通所・訪問サービス
保育園、学童保育 など
このように、福祉の仕事には多くの職種があります。また、その多くに資格が必要とされているのです。福祉業界へ就職を考える場合、志望職種の仕事内容と必要資格をあらかじめ把握しておきましょう。また、説得力のある志望動機を作るには、その企業の行っているサービスについて詳しく知っておくことも大切です。企業のパンフレットやホームページ、あるいはOB訪問などによって、情報を集めておいてください。
志望企業が決まって情報が集められたら、いよいよ志望動機を書きます。福祉業界を志望する就活生には、使命感や責任感、奉仕の心を持っている人が多いでしょう。しかしボランティア精神だけでは、仕事を続けていくことは難しいかもしれません。
今後、ますます必要性が高まる福祉業界。福祉を「ビジネスとして発展させたい」という視点も重要です。将来、どのように企業へ貢献したいのかを、志望動機でアピールしましょう。具体的には、以下3つのポイントを押さえておくと、読みやすい志望動機になります。
・企業で働くにあたって重視していること
・企業の特徴についてどの部分と自分の方向性が一致しているのか
・それによって社会にもたらすことのできる価値はどんなことか
実際の志望動機について、文例を挙げておきます。参考にしながら、独自のエッセンスと加えて志望動機を作成してみてください。
上記の文例は、主に介護分野を想定したものです。ただし他の分野であっても、「自分の興味・価値観」「企業の魅力」「将来の目標」を組み合わせて書くことによって、熱意の伝わる志望動機となるでしょう。自分オリジナルの具体例を付け加えれば、より説得力が出ます。企業の魅力的な点を探し、その企業で自分がどのように貢献したいのかを伝えられれば、その志望動機は採用担当者に強く印象付けられますよ。