履歴書やエントリーシートを書く際に、意外と多くの就活生が悩む「趣味・特技」の欄。中には「選考にどう関係するの?」と考え込んでしまい、すんなり答えられなくなってしまった人もいるかもしれません。
では、もし人に紹介できるような趣味や特技がない場合、どのように書けばいいのでしょうか? JOBRASS編集部では、就活でよく聞かれる「趣味・特技」について、面接官が質問する意図や答え方を考えてみました。
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実は、趣味・特技の欄において、「どんな趣味や特技を書けば就活において有利」というような法則はありません。それよりも、面接官はこれから一緒に働く上で、ある程度は学生の人柄についても知っておきたいと思うもの。趣味・特技の欄は「普通の会話」を切り出しやすいという意味で、学生の人柄を知るのに最適な話題というわけです。
ですから、これは人として当たり前のことですが、趣味や特技に関しても嘘をつく必要はありません。面接官の印象を良くしたいあまり普段やらない趣味などを答えても、ちょっと突っ込んだ質問をされたら、たちまち付け焼き刃だと気づかれてしまいます。
それでは、もしあなたがアクティブな趣味を挙げてアピールしたいと思っているにも関わらず、本当は読書以外に趣味がない場合、どうしたら良いのでしょう。これも、無理する必要はなく、読書に関してしっかりアピールするほうが面接官から見て好印象になります。
ただし、趣味として読書を挙げるならば、「どんなものをよく読むの?」と質問された時に、「はい、ミステリーが好きで、最近は京極夏彦の作品をよく読んでいます」といった受け答えくらいはできるようにしておきましょう。そうすれば、「京極夏彦のどんなところが魅力だと思う?」など、会話が盛り上がる可能性も出てきます。
さらに、あらかじめ履歴書の趣味の欄に「読書(京極夏彦など)」とカッコ書きで少し詳しく書いておけば、面接官側から見て具体的にイメージしやすくなります。もしかしたら、面接官から「京極夏彦が好きとはなかなかセンスがいいな。ちょっと会って話してみようか」などと興味を持ってもらえることもあるかもしれません。(あくまで、その他の自己PRや志望動機が及第点だったとしたらの話ですが……)
それでは逆に、趣味に関して面接官に質問されることを想定していなかった場合、どのような会話になるかについても考えてみましょう。たとえば「趣味は音楽鑑賞」という学生に対して、面接官は「どんな音楽をよく聴きますか?」という質問をしたとします。
これでは会話が盛り上がるはずがありませんよね。「この学生はあまり自分のことを話したくないのだろうか?」という印象を面接官に与えるだけです。こんなしらけたムードにならないよう、面接前はあらかじめ、質問されたときに話が広がりやすいような回答を用意しておきましょう。
たとえば、「どんな音楽をよく聴きますか?」と聞かれたとき、誰でも知っている有名な音楽なら話が広がりやすくなりますし、もしくは逆に、多くの人が知らないようなマニアックな音楽を答えて、どのようなところが魅力なのかわかりやすく説明するという方法もあるでしょう。上手くいけば、他のライバル達との差別化にもなり、「面白い学生だな」などと覚えてもらえるチャンスが生まれるかもしれません。
いずれにせよ、面接官は趣味の内容で合否を決めているのではなく、あなたの“素”を引きだそうとしています。そのことをよく理解し、あなたも自分の人柄を上手に伝えるようにしましょう。
趣味・特技についてどんなことを話したらいいのか悩んだときには、できるだけ象徴的な“エピソード”や具体的な“数値”を示すと、相手に自分の熱意が伝わりやすくなります。
たとえば「私の趣味はスノーボードをすることです。あまりに好きすぎて、スノーボードをするためだけにカナダまで行ったこともあります」というように、自分の情熱を象徴するような“エピソード”があれば、面接官に強い印象を与えられるでしょう。
もしくは、「世界各地の料理に興味を持ち、1年間で料理に関する本を50冊読みました」といったように具体的な“数値”で示すと、どのくらい好きなのかがわかりやすく伝わり、面接官の記憶に残りやすくなるのでオススメです。
面接官によっては、趣味に関してどのように熱中していたかを聞くことによって、あなたが仕事に熱中できたときの取り組み方をイメージしているという人もいます。ぜひ「カッコ悪い趣味だから……」などと躊躇せず、できるだけ好きな気持ちを具体的に表現しましょう。
「人は“ギャップ”に惹かれる」とよく言いますが、面接でも“ギャップ”を上手く利用して相手の興味を引くというのも一つの手です。
例えば「趣味は昔から続けているサッカーで、特技は大学で勉強したデータ分析です」という風にイメージが違う二つを並べてみると、「おっ! この学生はなんだか人間の幅が広そうだな。もう少し話を聞いてみよう」と思ってもらえるかもしれません。
もしくは、地味な見た目を逆手にとって「特技はファイヤーダンスです」と言ってみたり、逆にいかにも体育会系の見た目に反して「趣味は生け花です」と言ってみたり……そんな見た目と中身の“ギャップ”がある回答も効果的。面接官は「へぇ~意外!」と内心驚き、思わずあなたに興味を持つことでしょう。
このように、もしあなたが趣味を持っていなかったり、逆にありすぎて一つに絞れなかったりするときは、自分の見た目とのバランスを意識してみるのもオススメです。
先程もお話したように、面接官は趣味や特技の話をすることによって、あなたの人柄を見ようとしています。人柄を知ってもらえるためには、会話をすることが一番。なるべく話が弾むきっかけを作れるような回答を心がけましょう。
趣味・特技に関して話すときのポイントは、以下の3点です。
【1】その趣味・特技をはじめたきっかけ
【2】その趣味・特技の面白さ
【3】その趣味・特技によって得たこと
このとき気を付けたいのは、マニアックな趣味や特技の場合などでも【2】の面白さに関して、わかりやすいように話すこと。ついついまわりくどく長い説明になりがちですが、初めて聞いた人が「???」とならないよう気を付けて、全体的にバランス良く話すことが大切です。
では、例を挙げます。
【回答例1】
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いかがでしたか? 面接における「趣味・特技」について、面接官が質問する意図や答え方を理解していただけたでしょうか。
人は自分が好きなことをやっているとき、最高にキラキラするものです。そしてそれは、自分の趣味や特技について語るときも同様のはず。好きなことを思い浮かべながら話している人は、誰から見てもキラキラと魅力的に映るのではないでしょうか。自分の趣味がどのようなものであれ、面接で質問されたときは、目を輝かせて語れると良いですね。