「あなたの短所を教えてください。」
毎年、就活をはじめたばかりの学生は、面接官から聞かれるこの質問に、とまどいを感じてしまう人が多いようです。
「短所ってどう答えればいいんだろう?」
「正直に言ったら落ちるんじゃない?」
そんな風に、思わず心の中でつぶやきたくもなりますよね。実際、長所は堂々と話せても、短所となると途端に口こもってしまう人も少なくありません。
学生から嫌がられつつも、就活では定番とされているこの質問――。なぜ、企業の面接官はあえて短所を聞くのでしょうか? その意図がわかれば、きっと事前に対策も立てられるはずです。
今回は、就活で聞かれる「短所」について、考え方や面接での回答例など、詳しくお話していきます。
当たり前のことですが、誰にでも短所はあります。あなただけでなく、同級生の友人たちも、就活のライバル達も、すでに働いている先輩方も、企業の採用担当者にも、必ずあるはずです。
それは面接官もわかっていることですから、「短所のある人は採用しない」というわけではなさそうです。では、どうしてこの質問をするのでしょう? 企業にもよりますが、その目的は主に以下のようなことが考えられます。
【1】自分をどのように認識しているのか知りたい。
……例えば、上司があなたの苦手なことについてアドバイスしたときに、自己認識ができていれば素直に聞けますが、そうでないとコミュニケーションが上手くいかなくなるかもしれません。自分の特徴をしっかり認識できていることは、これから働く社会人としては、案外大事なことなのです。
【2】短所を改善しようとする姿勢があるのか知りたい。
……仕事をしていると、誰でもさまざまな壁にぶつかることがあります。そんなとき、現状に目をそむけてしまうのではなく、どうしたら良くなるのか改善案を考えて実行できる人を、企業は求めています。
【3】どう切り返すか、その答え方でトーク力や素の部分を見たい。
……頭の回転の早さを見たり、その学生の素を引きだしたりする意図があるようです。営業などでは特に必要な力ですよね。
【4】自社の社風に合うタイプか知りたい。
……人間性は良いとわかっても、それとは別に、自社の社風に合う人物か見られている場合もあります。極端に違いすぎると早期退職の可能性が高まりますし、社風に合っている人のほうがスムーズに仕事ができるから、といった理由が考えられます。
【5】正直に話すかを見て、誠実な人物か知りたい。
……面接官から見て、ごまかしや嘘はバレるものです。仕事は信頼し合って進めていくものですから、誠実な人物を採用したいと考えるのは当然ですよね。
誰にでも長所と短所がありますが、それらは表裏一体で、短所は長所にもなりえます。みなさんも、自分の性格について良い面と悪い面の両方を見てみてください。そして、社会に出たらどんな壁にぶつかりそうか、どうやったら克服できそうか想像してみましょう。
以下に、短所を長所に置き換える考え方の例をあげてみます。
<短所>心配性 ⇔ <長所>確認を怠らない
<短所>周りを気にしすぎる ⇔ <長所>気が利く
<短所>すぐ一人で抱え込んでしまう ⇔ <長所>責任感がある
<短所>視野が狭い ⇔ <長所>集中力がある
<短所>頑固 ⇔ <長所>意志が強い
<短所>飽きっぽい ⇔ <長所>気持ちの切り替えが早い
<短所>おせっかい ⇔ <長所>面倒見がいい
<短所>周りの意見を聞くことができない ⇔ <長所>自分の意見を持っている
<短所>なれなれしい ⇔ <長所>人見知りしない
<短所>せっかち ⇔ <長所>行動力がある
<短所>あきらめが悪い ⇔ <長所>粘り強い
<短所>すぐ怒る ⇔ <長所>情熱的、熱意がある
<短所>主体性がない ⇔ <長所>協調性がある
<短所>嫌と言えない ⇔ <長所>我慢強い
<短所>八方美人 ⇔ <長所>褒め上手
<短所>優柔不断 ⇔ <長所>慎重
それでは、短所の回答例をご紹介します。
話のポイントは、【1】どのような失敗をしたか 【2】その経験から何を学んだか 【3】どう改善しようとしているか です。
短所に関しては、言い訳したくなるあまり、話が極端に短くなったり長くなったりしがちですが、シンプルにわかりやすく話せるよう、あらかじめ頭の中を整理しておきましょう。
また、短所の内容によっては、仕事をするにあたってマイナスにとられがちなものもあります。例えば、正確性が特別求められる職種なのに、短所が「大ざっぱ」と話してしまうなどです。あくまでも、面接官が短所を聞く目的を頭に入れながら話すようにしましょう。
■<短所>心配性 ⇔ <長所>確認を怠らない
私の短所は、心配性なところです。完璧だと思えるまでしっかり準備しておかないと、自信が持てずに実力を発揮できないところがあります。
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■<短所>おせっかい ⇔ <長所>面倒見がいい
私の短所はおせっかいを焼きすぎてしまうことです。以前はアルバイトで後輩が困っていると、すぐに助けていました。ですが、店長から「それでは後輩が仕事を覚えられないよ。助けるのではなく、見守るようにして。」と注意されてしまいました。 |
いかがでしたか?
昔から「モノは言いよう」といいますが、短所も工夫次第で、正直に話しても自己PRにもなるということがわかっていただけたかと思います。
短所を話すことは、あなたの人間性を伝えるチャンスでもあります。ぜひ自分の特徴に正面から向き合い、どんな風に話せばプラスになるのか考えてみてくださいね。
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