就活をはじめる際、企業の採用担当者が新卒に対して、どんなことを重視しているのか気になりませんか?
企業にもよりますが、「求める人物」としてよく挙げられる一つに“人間力”というものがあります。「人間力のある人物」と聞くと、なんだかすごく魅力的で立派なイメージが浮かびますよね。でも実際、“人間力”とは具体的にどんなことを指すのでしょう? 考えてみると、かなりざっくりしていて、いまひとつ掴みづらい言葉です。
そこで今回、 JOBRASS編集部が“人間力”という言葉について検索してみたところ、2003年に内閣府の人間力戦略研究会が発表した『人間力戦略研究会報告書』にたどり着きました。今ではその頃から長い月日が流れていますが、この資料には、まさに多くの採用担当者が求めていることが書かれていたのです。
とはいえ、いまひとつ自信が持てない就活生の中には、「自分は“人間力”なんてないから関係ない……」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、 “人間力”は多かれ少なかれ誰でも必ず持っているもの。それに捉え方によって、様々な解釈ができるはずです。
ぜひあなたもこの記事を参考に、自己分析で自分ならではの“人間力”を探してみませんか? 今回は、就活に役立つ“人間力”の見つけ方をご紹介します!
人間力戦略研究会では、“人間力”について「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義しています。なんだか曖昧な表現ですよね。しかし、「人間力の具体的な構成要素」として挙げられた以下の項目に注目してみると、みなさんが就活でどのようなことを意識すれば良いのか、そのヒントが見えてきます。
【“人間力”の具体的な構成要素】
|
いかがでしょうか。まだ曖昧に感じられる部分もありますが、少しイメージできるようになってきたのではないでしょうか。次の章では、この内容についてさらに踏み込んでいきます。
それでは、先ほど挙げられた能力のうち、あなたに当てはまるものがあるか、一つひとつ確認していきましょう。まず現状を把握し、自分の“長所”を伸ばしつつ“短所”を改善することによって、“人間力”を高めることができるようになります。就活では、こういった心がけがしっかりとできているか、採用担当者から必ずチェックされていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【論理的思考力】
・あなたは、難しい内容をできるだけシンプルに説明し、相手を納得させることができるほうですか? ・あなたは、どのような思考で結論に至ったのか、論理的にわかりやすく説明できるほうですか? ・あなたは、現状をしっかりと把握し、目標を達成するための具体的な改善策を考えられるほうですか? |
【創造力】
・あなたは、それまでにない新しいものを一から作り出すことが得意なほうですか? |
【コミュニケーションスキル】
・あなたは、互いの感情や状況を理解し合い、信頼関係を築いていけるほうですか? ・あなたは、場の空気や相手の表情を読み取り、周囲の状況を推察できるほうですか? ・あなたは、会話のキャッチボールを楽しめるほうですか? ・あなたは、周囲の人と情報を共有し合い、物事を進めていけるほうですか? ・あなたは、異なる意見を調整しながら、合意に導くことができるほうですか? ・あなたは、会話しながら相手の意見や要望を引き出せるほうですか? |
【リーダーシップ】
・あなたは、目的を達成するためにチームをまとめられるほうですか? ・あなたは、チーム内の意見をまとめ、的確な判断や指示を出せるほうですか? ・あなたは、チーム内のメンバーの個性を理解して、それぞれの能力を最大限発揮させられるほうですか? |
【公共心】
・あなたは、自分のことだけでなく、公共の利益のために尽くすほうですか? |
【規範意識】
・あなたは、道徳、倫理、法律等の社会のルールを守ろうとするほうですか? |
【意欲】
・あなたは、自ら進んで行動するほうですか? |
【忍耐力】
・あなたは、信念や目標のために、どんな苦労も耐えられるほうですか? ・あなたは、どんな困難があっても、物事を諦めずに挑戦し続けられるほうですか? |
【自分らしい生き方や成功を追求する力】
・あなたは、自分らしい生き方について、具体的なイメージがありますか? ・あなたは、自分らしく生きるために、行動しているほうですか? ・あなたは、自分らしく生きるために、心がけていることがありますか? |
あなたの“長所”や“短所”が見えてきたでしょうか? ここで一番大切なのは、質問に対して「はい/いいえ」と答えるだけで終わりにしないことです。そこから一歩踏み込んで、「なぜそう思うのか」その根拠となる具体的な理由を挙げてみましょう。
就活では、初対面の採用担当者に対しても、簡潔にわかりやすくあなたという人物を伝える必要が出てきます。自己分析は、やればやるほど深まっていくものですので、今から詳細なエピソードを書きだしておきましょう。
いかがでしたか? 繰り返しになりますが、どんな人にも“人間力”は必ずあります。ただ、自分でその能力を発掘したり、人に上手に伝えたりする作業が難しいために、悩む就活生が多いというのが現実なのです。みなさんも、今から「何を」「どのように」アピールすれば良いのかじっくり考え、これまでの集大成を採用担当者にプレゼンするつもりで頑張りましょう。
“人間力”が最大限発揮されたプレゼンは、それだけで人を惹きつけるものです。そのストーリーの説得力を高めるために、次はぜひこれまでを振り返って「自分史」を書いてみてください。時間軸を辿りながら、その時々の気持ちや行動を具体的に振り返ることにより、あなたならではの“人間力”が見えてくるはずです。
最後に、公益社団法人・日本青年会議所が毎年開催している「人間力大賞」をご紹介しましょう。この賞は、熱い情熱を持って活動している”光輝く傑出した若者”に贈られ、「青年版国民栄誉賞」と位置づけているものです。みなさんと歳の近い多くの若者が受賞していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
▼人間力大賞▼
https://www.jaycee.or.jp/ningenryokutaisyo/
▼▼▼あなたにオススメの記事▼▼▼
【自分史を書こう】キャリアコンサルタントがおすすめする自己分析
自分だけのキャリアデザインを描こう。今のあなたに必要な能力とは? <就活入門>
業界でなく「人」にこだわり、理想の企業に出会えた|インタビュー【金子りえ-東邦大学理学部】