入社時には、誰しもが夢と希望を抱くもの。でも、「部署の希望にこだわり過ぎて、入社1年目にしてウツになり、3年目で会社を辞めた子がいました……」というのは、大手メーカーに勤める28歳女性です。「でも、私もいきたい部署になかなか行けないでいます」と悶々とする心境も吐露。
部署の希望は、こだわるべきなのでしょうか? それとも、こだわり過ぎると損なのでしょうか? JOBRASS編集部では、「はじめから部署の希望にこだわり過ぎると損かどうか」について、社会人5~10年目の先輩に、意見を聞いてみました。
【はじめから部署の希望にこだわり過ぎると損だと思いますか?】
・思う 59.0%
・思わない 41.0%
こだわり過ぎると損だと思う人のほうが多く、約6割。どうして行きたい部署にこだわると「損」なのでしょうか?
1)いろいろな経験は大切
2)適性は自分の考えだけではわからない
3)視野が狭くなる
4)ウルさいヤツだと思われる
5)そんなに自分の思い通りにいくと思ったら大間違い
6)雇われる以上、与えられた場で全力を尽くすべき
1)いろいろな経験は大切
いろいろな経験を積むことで、スキルアップ、また後々のキャリアの糧になるという意見が大半を占めました。その他、「どんな仕事か、だけでなく、誰と働くかも大切だから」(女性/愛知県/一般事務・33歳)という意見も。
・いろいろ経験をしたほうがいいと思うので(男性/北海道/営業・31歳)
・経験がモノを言うと思うから(男性/青森県/一般事務・31歳)
・色々な部署を回れるのは良い経験になるから(男性/青森県/営業・33歳)
・いろんな部署に目を向けたほうが良いと思うから(女性/千葉県/一般事務・31歳)
・融通が利かない人間は必要なくなってくるので(女性/東京都/営業・33歳)
・いろいろな知識や技術を身に着けたほうが将来的に自分のためになると思う(男性/石川県/その他専門職・28歳)
・色々な部署を経験するほうがスキルアップにつながるから(女性/福岡県/その他専門職・30歳)
・いろんな分野の知識をつけるために他部署も経験したほうがよいから(男性/大阪府/その他専門職・30歳)
2)適性は自分の考えだけではわからない
もしかすると、自分で気がついていない適性があるかもしれない。それは機会損失だ――という意見も多く見受けられました。また、
「確かに自分のやりたいことは多くあると思うが、それだけ視野が狭いということかも知れないし、本当にやり続けたいという気持ちを持ち続けることができれば、必ず出来るとまだ思っているから」(男性/大阪府/その他専門職・46歳)
という声にあるように、最初は不本意でも、希望を持ち続けていれば、何かしら叶えられるという見方をする人も少なくありません。
・自分の適性はやってみないとわからない部分もあるから(男性/千葉県/営業・30歳)
・適性は仕事をしながら見つけられるから(男性/神奈川県/営業・32歳)
・はじめは何でもやってみて、出来ること向いていることを徐々に探していくのがいいと思うから(女性/三重県/その他専門職・33歳)
・別の仕事でもやりがいがあるかもしれず、かたくなだとそのチャンスを逃すかもしれないから(女性/京都府/購買調達・30歳)
・自分が気づかない才能がある場合が多いから(女性/愛知県/人事採用・33歳)
・やってみれば面白いこともある(女性/香川県/情報システム・32歳)
3)視野が狭くなる
これは先の1)、2)にも通じます。企業で働き、社会に接するということは、他人の視点を受け入れることも大切です。
・そればかりだと自分の視野が狭くなりそう(男性/東京都/営業・26歳)
・色々な可能性があるから、知らないと損するから(女性/兵庫県/営業・30歳)
・視野を広く持ち、与えられた仕事を行うことで自身の能力を高められると思うので(男性/東京都/営業・35歳)
4)ウルさいヤツだと思われる
企業人事には、異動がつきものです。最初から希望の部署にいくと、次に異動になるときには、希望通りではなくなる可能性のほうが高いかもしれません。何かと執着し過ぎる姿勢は、部下としても使いにくいと思われがちという指摘もありました。
・自分のしたい仕事でないことをしなければならない場合に、不平不満が強くなってしまう(男性/新潟県/一般事務・32歳)
・こだわりすぎると上に使いにくいと思われる可能性があるから(男性/愛知県/購買調達・30歳)
5)そんなに自分の思い通りにいくと思ったら大間違い
企業人事においては、適性だけでなく、「人数」の事情というものがつきものです。例えば広報部にいきたいと思っても、そこに空きがなかったり、新人配属をしていなかったりすると、いくことはできません。部署の希望が100%叶えられると思うのは危険です。
・現実と理想は違うから(女性/東京都/財務経理・33歳)
・希望がかなっても理想と現実の差に悩むから(女性/神奈川県/その他専門職・30歳)
・希望通りになるとは限らないから(男性/大分県/その他専門職・32歳)
・叶わない率の方が高いから(男性/愛媛県/その他専門職・31歳)
6)雇われる以上、与えられた場で全力を尽くすべき
4)と似ていますが、雇われたのであれば、どこでも全力を尽くすべきという意見。人事はそういった姿を必ずみているものなので、姿勢をみせて結果を出していけば、希望部署に配属される日がくる可能性も高くなるでしょう。
・会社に雇用されている以上、言われたことをこなすべき(女性/神奈川県/その他専門職・32歳)
・雇ってもらったら、どこでも自分の全力で頑張るべき。(女性/愛知県/その他専門職・30歳)
では、反対に、部署の希望はこだわるに越したことはないという人の意見をみてみましょう。
1)希望部署じゃないと、やる気が出ない!?
2)自分の適性は自分がよくわかっている!
3)その人がやりたいことが尊重されるべき!
1)希望部署じゃないと、やる気が出ない!?
もっとも多かったのは、希望部署じゃないと、モチベーションが保てないという意見。希望の部署にいったほうが仕事を覚えるのも早いという考え方です。
・モチベーションが大事なので(男性/神奈川県/営業・30歳)
・やりたいことが明確であれば仕事を覚えるのも早いと考える(男性/東京都/その他専門職・31歳)
・何でも覚えるから(男性/東京都/その他専門職・53歳)
・こだわっている方が仕事への向上心が湧く場合もあるから(男性/愛知県/その他専門職・29歳)
2)自分の適性は自分がよくわかっている!
専門知識や適性は、自分がいちばんよく把握しているので、希望は言うべきとする声です。ただ、覚えておきたいのは、あくまでもその人は専門性をもっているだけであって、実際に“活かす”のは雇う側であること。もしどうしてもこだわりたいのであれば、「御社では専門分野を生かして業務ができますか」など確認しておくとよいでしょう。
・自分の適性があるので、自分が希望したものが優先されるべきだと思う(男性/北海道/営業・27歳)
・自分の専門性を活かしたいならこだわった方が良いと思うので(女性/東京都/一般事務・30歳)
3)その人がやりたいことが尊重されるべき!
自分がやりたいことをやらずして……という意見がこちら。
・自分のしたいことをやるべき(男性/愛媛県/その他専門職・27歳)
・自分の意思を大事にしたい(女性/福岡県/その他専門職・58歳)
・やりたいことやるべき(男性/長野県/その他専門職・32歳)
もちろん希望ややりたいことを持つのは大切なことです。100%自分の希望通りの仕事、職場環境が叶えられればそれに越したことはありませんが、なかなかそうはいかないことも知っておきましょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年1月14日~2016年1月20日
対象:社会人5~10年目の会社員 計100名