人それぞれ、誰もが異なる学生生活を送っています。部活動に入部した人もいれば、アルバイトに明け暮れた毎日を送っている人もいるでしょう。もちろん学業においても、資格取得を目指したり、研究に没頭したりするという場合もあるはずです。
就活では、そんな学生時代について「頑張ったこと」をよく聞かれます。
最近では「学生時代に力を入れたこと」=略して「ガクチカ」なんて言われることも。面接はもちろん、エントリーシートではもはや鉄板とも言えるテーマでしょう。しかしいざエントリーシートを作成する段階になって、「頑張ったこと」が上手く書けないという人は少なくありません。中には「何か頑張ったかな…」と悩む場合も多く、だからこそ採用選考ではとても重要な内容なのです。
そもそも企業は、なぜ新卒採用で就活生に「学生時代に頑張ったこと」を聞くのでしょうか。その意図が分からなければ、エントリーシートの内容が的はずれなものになってしまうかもしれません。
そもそも努力した経験というものは、仕事を含めさまざまな場面で活かされます。結果的に失敗に終わったことであっても、そのプロセスからは多くを学ぶことができるでしょう。しかし何気なく学生生活を送っていては、「頑張る」機会すら得られません。企業側は、まずそうした機会を得るだけの積極性があるのかを見ています。また「頑張る」ということは、その先に目標ややり甲斐などを持っているということ。その背景を知れば、あなたがどのようなことに興味を持ち、打ち込めるのかが分かるでしょう。
また頑張るということは、何かしらの困難が目の前に起きているはずです。では、その困難をどのようにして乗り越えたのか。それこそが、頑張ったことの詳しい中身と言えるでしょう。同じ困難でも、人によって乗り越え方は異なります。例えばアルバイトで人手が足りない場合、瞬時に効率化できる方法を考えて実践する人もいれば、ヘルプに来てくれる人をアサインし人数補填しようと考える人もいるでしょう。
頑張ったことの過程からは、その人の志向性がよく分かります。企業でも、常にさまざまな困難が起きているもの。そうした場合に就活生がどのように考え、行動してくれるのか。「学生時代に頑張ったこと」から、そうしたことを読み取ろうとしているのです。
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学生時代の経験といえば、部活動や学業、アルバイトが多くを占めるでしょう。そのため、どうしても「頑張ったこと」の内容が類似してしまいます。もちろんそれが頑張った経験であれば、取り上げることは悪くありません。企業側も、そうした背景は知っています。
しかし同じような経験であっても、すべてが同じということはほとんどありません。先に挙げた例でも「困難の乗り越え方は違う」と述べましたが、例えば「人手不足のアルバイト現場を自身の工夫によって改善した」という経験も、その過程は人によって異なるものです。そのため、頑張ったことの過程や工夫を具体化することで、同じような経験でも大きく差別化できます。
そのためには、「頑張った」経験をいまいちどしっかり振り返ることが大切です。1つ1つの過程を紐解き、順序立てて見て行きましょう。その中に、きっと自分独自の発想や工夫が隠れているはずです。
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企業は「学生時代に頑張ったこと」から、採用後に自社内でどのような活躍ができる人材なのかを見極めています。そのためエントリーシート等でも、できるだけ実際の仕事に紐づけてイメージできるよう書くことが大切です。いくら素晴らしい成果を挙げた頑張りであっても、企業にそれが必要とされなければ意味がありません。
例えば文系に進みながら、「これからはIT知識が必要だ」と考えて独学でプログラミングを覚えたとしましょう。サイト構築、あるいはアプリ開発なども個人単位でできる時代ですので、こうした経験を持つ学生は少なくありません。中には社会人に引けをとらないほどの実績を学生時代から挙げる人もおり、その努力が並大抵のものではないでしょう。
しかし志望先が、人材サービス業の営業職だったらどうでしょうか。確かにIT業界でも人材採用は行われており、同業界を担当するのであれば知識は活かせるかもしれません。しかしそうでなければ、残念ながら努力そのものは認められても、「自社で活かせる」という判断にはならないでしょう。これは、とても勿体ないことです。
学生時代に頑張ったことは、できるだけ志望企業で生かすことのできるものが適しています。つまり可能であれば、学生時代から将来を意識した経験を積むことが大切ということです。長い学生生活において、「頑張った経験」は1つではないでしょう。それならば、たとえ1つの経験が志望企業に合致しなくても、他の経験が活かされる可能性は十分にあります。1つの頑張った経験に執着するのではなく、過去全体を振り返りながらいくつか取り上げておくと良いでしょう。そうすれば、たとえ就活中に志望業界を軌道修正するようなことがあっても、柔軟に対応することができるはずです。
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