就活というと、志望する企業に向けた活動ばかりを意識している就活生は多いでしょう。しかし就活のカギは、まず自己分析が握っています。しっかりと自分自身を知るからこそ、志望企業が明確となり、志望動機にも説得力が増すというのです。
とはいえ、いきなり自己分析しろと言われても困惑する就活生は少なくありません。そんな自己分析に、実はフレームワークがとても役立ちます。ここではフレームワークやその他ツールを活かした自己分析についてご紹介していきましょう。
フレームワークは、企業でも広く使われています。しかし学生にとって、あまり身近なものではないでしょう。フレームワークとは、「頻繁に考えなければならないことを、楽に考えられるように枠を用意しよう」と考えて作られたもの。つまり、無駄な労力をかけず、効果的に目的が得られるツールといえます。
その中でも代表的なものが、「SWOT分析」です。これは就活のみならず、ビジネス活動においても数多くの方々が使用してきました。この「SWOT分析」を上手く使いこなせば、エントリーシート作成や面接の前などに、自分あるいは企業に関する情報を簡単にまとめられるようになるはずです。
「SWOT分析」とは、企業や事業の現状を分析するために作られたフレームワークです。
類似した分析を行うためのフレームとして、「3C分析」「4P分析」とともに三大分析に入るといわれます。SWOTとは「Strengths:強み」「Weaknesses:弱み」「Opportunities:機会」「Threats:脅威」の頭文字を取った名称。そしてSWOT分析は、自社を取り巻く外的や内的要因を分析し、現状を正確に把握するためのフレームワークです。
この「SWOT分析」を就活で活用するシーンは、現状を整理して戦略を考える必要がある場合。つまり、それが自己分析と企業分析です。自己分析では、自分の特徴をSWOT分析に当てはめて整理してみます。さらに周囲の学生や企業の方針を「Opportunities:機会」や「Threats:脅威」に当てはめることで、他社との差別化の戦略を立てることが可能です。なお、企業分析では企業が伝えていることや自分が調べた内容をSWOT分析の各要素に当てはめてみることで、「企業の環境に対して自分の軸が合っているか」「入社することで自分の思いが実現できるかといった内容を整理できるでしょう。
ただし「SWOT分析」を効果的に使うには、まず自分についてある程度理解していることが大切です。先に自分なりの自己分析を行い、自分の持つ特徴などを捉えておきましょう。
「SWOT分析」を使う前段階としての自己分析で、活用できるツールをご紹介しておきましょう。自己分析に不慣れな学生であろうと簡単に使えるはずです。
・ポジティブ心理学の診断サイト
ポジティブ心理学の診断サイト内にある「VIA-IS(VIA Inventory of Strengths)」は、自己分析にも活用できます。このツールは、自分が平等や挑戦といった要素の中で、どれを重んじているかということを診断してくれるものです。海外では、かなり権威のある心理学の診断ツールとして利用されています。
質問項目が多いのですが、正直に答えていくことで新しい自分を発見できるかもしれません。結果として導き出された自分が重視するポイントから、適正を見極めていくこともできるでしょう。
フレームワークは、実にさまざまなものが作り出されています。その基本となることは、ある基準や条件に基づいて自分を見つめ直すという作業です。この基準をどのようなものにするかによって、フレームワークのやり方は大きく違ってきます。
就活セミナーなどでも、フレームワークが使われることがあるでしょう。中には大学あるいはセミナーなどでフレームワークの使用が推奨されて、就活生が一生懸命に問題整理を行っていることがあります。しかし実際には、肝心の問題解決まで至らない人が多いようです。問題が整理できたら、「どこが問題なのか」「どうすれば解決できるのか」を考えてください。決して、フレームワークの使用自体を目的にしてしまってはいけません。
就活で活用したいのは、自己分析という目的に合ったフレームワークです。自分を知ることは、そのまま自信を持つことにつながります。就活生はぜひフレームワークを上手く活用して、自分を見つめ直し、さらに自信を持って就活に臨んでください。