「ゆとり」といえば、なにかとネガティブに捉えられがちなワードの一つ。もともとは一時期おこなわれていた“個性を大事に”“競争させない”などという「ゆとり」教育を受けた子供たちのことを指します。そして、「ゆとり」教育の結果、マイペース過ぎる人間が増殖したことが問題視されるというわけ。
厳密に「ゆとり」世代でなくても、最近の若者に“ゆとりっぽい”印象を抱く人も多いようです。どんなときに「ゆとりっぽい」と思われてしまうのでしょうか。そして、何故「ゆとり」がネガティブに捉えられてしまうのか、採用担当者の声を聞いてみました。
【最近の新入社員に「ゆとりっぽさ」を感じますか?】
・よく感じる 19.0%
・たまに感じる 52.0%
・あまり感じない 25.0%
・全く感じない 4.0%
その結果、「よく感じる」「たまに感じる」という人の合計が71.0%。「全く感じない」は4%に過ぎず、「あまり感じない」との合計は29.0%。7割以上の人が“最近の新入社員に「ゆとりっぽさ」を感じる”経験があることがわかりました。
では、社会人たちはどういうときに「ゆとりっぽさ」を感じるのでしょうか。もっとも多いキーワードは「ガツガツ感がない」でした。類似表現として、
「アグレッシブさが感じられない」
「ガツガツしてなく、マイルドな人が多いから」
「おっとりしている。素直」
「簡単にあきらめる」
「ハングリーさがない」
「競争心がない」
「燃えてない」
「仕事のスピード感、仕事の向上心が薄い」
「自分から動かない」
「争いを好まない」
などがあります。またガッツがないということの別表現になりますが、マイペースで、のんびり型が多いという声も目立ちました。
「スピードがなく、ゆったりとしている」
「のんびりしている」
「チームプレイより、マイペースの個人プレイ」
そしてこの“マイペース”というのは、ドライ、職場でのイベントに参加しないということにも通ずるもよう。
「謝らない」
「ドライ」
「飲み会に参加しない傾向が強い」
「休憩時間が長い」
「すぐにだるそうにする」
なお職場での“マイペース”っぷりは、裏を返すと
「わがまま」
「いわゆる空気が読めない人が多い」
「協調性に欠けていると思われる点や自己中心的な対応をとるとき」
「何事にも自己中心的」
など、“協調性に欠ける”とみられることも多いようです。
さらに、ガッツがない=指示待ち人間の多さを指摘する声も多数。
「考えない。答えをすぐ求める」
「いつまでにその仕事をしなければならないのかを聞いてこない」
「指示されなければ動かない」
「打たれ弱い」
「信念が無いと感じた時」
「ちょっとしたことですぐ退職する」
マイペースで、言われたことだけをやる姿は、「新しい発想がない」という認識をする人もいます。実は会社の先輩たちは、新入社員には、疑問や「こうしたい」というアイデアなどをどんどん言ってもらいたいというのがホンネです。臆することなく、どんどん意見は言ってOK。
採用担当者たちは、面接のときにすでに「ゆとりっぽさ」を見抜いているともいえそう。例えば挨拶がしっかりできない、何か質問をしたときの回答の仕方があいまい、などです。
「挨拶、一般常識が無い」
「基礎学力がまるでない」
「返事の仕方があいまい」
「面接時の回答があやふや。いい加減、友達感覚」
働くというのは、端的にいえば“お金儲け”。企業側の理屈からいえば、会社の人と一緒になってお金儲けをする姿勢がみられないのに、お給料をあげるわけにはいきませんよね。面接のときにもガッツを見せることが大切です。もちろん、ゆめゆめ「えーっと」「微妙ですが」「~みたいな」などといった“微妙な”表現は使わないように!
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年11月10日~2015年11月13日
対象:企業の採用担当者 計100名