「こういう業界で、こういう職種を、出来ればこの規模の企業で働いてみたい」就活生の皆さん誰もが、そんなイメージを抱いて就活を進めていることと思います。
就活のプロセスにおいて、業界や企業を選択する時。ポジティブな思考で志望先を決めることが就活を成功させる秘訣。
例えば……
「理系ではないから研究職は出来ない」
「社交的ではないから営業は向いていないだろう」
「残業してまで仕事はしたくない」
「あまり責任を負わずに定時で日々帰れるような職種が良い」
など、ネガティブな思考はできる限り捨てましょう。就活でこうした考えはマイナスにしかなりません。ネガティブ思考を持ったままでは、エントリーシートや志望動機も上手く書けないものです。自信のなさややる気のなさは、文章からでも伝わってしまうでしょう。
良く聞こえてくるのは、「入社動機って何を書けばいいの?」という声です。面接においても「当社を選んだ理由は?」と必ずと言って良いほど聞かれます。しかしそこで、
「御社は、将来性があると感じました」
「企業理念に共感いたしました」
など、その企業の客観的な意識だけで答えようとしていないでしょうか。このような言葉では、企業側の心を掴むことは難しいでしょう。企業側が知りたいのは、多くの同業企業の中でなぜ自社を選んだのかという点。そして、なぜその職種を望むのかという志望動機です。そのため、まず志望動機では、「その企業でなければならない理由」を明確に伝える必要があります。
特に一般事務の仕事は、多くの企業で採用されていることもあり、あまり仕事内容に差別化要素を見出しにくいかもしれません。そこで職種ではなく、事業全体に対する志望動機を盛り込むことも効果的でしょう。明確に伝わる志望動機の一例を挙げてみます。
「この数年、市場は○○の方向へと展開していくだろうと私は思っています。御社が△△の販売に着手していることは、市場をよりリードしていくだろうという将来性を感じています。私は、大学のゼミで○○を勉強し、卒論は○○をテーマに目下執筆中です。学生ではありますが、大学で学んでいる知識を活かすために、インターンシップで▽▽業務を経験し大変興味を持ち、御社の△△の事業に相通じるところがあることから、御社の△△販売事業に自分の培ってきた経験や知識を持って、御社の発展に貢献していきたいと考えています。」
このように、市場の分析力や情報収集力に加え、自分の思い、体験会得した内容の説明を織り交ぜます。そこへ企業の特徴や事業内容などを添えれば、志望動機が独自性を持ってくるでしょう。企業への志望動機が明確であれば、一般事務という職種そのものへは、「パソコン操作が得意」「じっくりデスクで集中し取り組める一般事務が向いている」などでも構いません。
転職の志望動機ならば、応募先で活かせる経験やスキル、即戦力性を積極的に伝えることができます。しかし新卒の就活生にとって、当然ながら仕事そのものが未経験です。そのため、経験やスキルを即戦力であることとしてアピールすることは難しいことでしょう。
そこで、自分の目指すものがその業界や企業の方向性に強く共感している部分、あるいはこれまでの経験から、自分自身にとって一般事務がいかに適職であるかを伝えましょう。そのためには、自己分析が重要なポイントとなります。
自己分析によって自分の強みや性格を知り、その企業の企業研究を通してその企業独自の強みを分析しましょう。すると、その企業における一般事務という仕事が担う役割が見えてきます。そのうえで「なぜ一般事務職を希望しているのか」をアピールできれば、志望動機のアピールのきっかけになります。あとは事務業務に適した自身の強みや特徴について、根拠となるストーリーを交えながら相手に伝えていきましょう。
下記の文例はあくまで参考ですが、一例としてご紹介します。自分の性格や経験に照らしあわせ、志望動機を完成させてみてください。
「私は、性格がおとなしく、あまり派手な事は好みません。そして地道な作業をコツコツと行うことが好きです。また、物事は何事も順序だてて考えて取り組むことも好きです。こうした性格から、正確な仕事をしなければいけない事務作業には、特に適性があると考えております。いままで事務の経験はありませんが「MOS資格」を所持しております。私の適性や資格、そして御社の業態には、学生時代より関心があり、ゼミや卒論執筆で得た知識を少しでもいかせると考えて、志望させていただきました。」
志望動機の書き方、骨格はどの職種でも基本は同じだと考えて問題ないでしょう。次の点について、分かりやすく思いを伝えてください。
1.業界や業種を選んだ理由
2.業務を志望する理由
3.入社したらどうなりたいのか、どのように貢献したいのか(自らの能力や経験、エピソードを照らし合わせて説明)
一般事務という仕事は、多くの企業に存在します。主にパソコンを利用したデスクワークであり、企業によって大きな差はないかもしれません。しかし扱うデータや体制、発生する細かな業務は、よく業界・企業を研究すると分かってきます。職種としての差別化が厳しければ、業界全体を見渡しながら志望企業の独自性を探ってみましょう。