就職活動がスタートすると、まず自己分析や企業研究などの対策から着々と準備を進める人が多いはず。同じタイミングで同じことから始めても、1年後には内定が”出る人””出ない人”にわかれます。そう思うと「自分は大丈夫だろうか」と不安を感じるでしょう。
ここでは就活生の動向をもとに、内定が出ない人に共通する4つのポイントをご紹介します。同じ就活をするなら、誰だって効率よくやりたいもの。過去に就活を乗り越えた先輩たちの教訓を生かし、充実した就活を実践してください。
就活が上手く進められない人の中には、最初に決めた志望業界に固執してしまっているケースが見られます。就活が始まってすぐに「志望業界を決めましょう」と言われて、あまり深く考えないうちに業種や企業を絞ってしまう。すると、そこから抜け出せなくなってしまうというケースです。
例えば軽く自己分析を行い、「食べることが好き」というポイントに気付いたとしましょう。それをそのまま志望理由として食品会社や外食産業だけを目標に就活を進めると、仕事内容や勤務条件で希望に合わなかった際、方向転換しにくくなってしまいます。「食」と言っても、関連する職場はいろいろです。企業や施設での栄養・健康管理を担う仕事があれば、教育機関で食育に携わる仕事もあります。あるいは、出版業界でフードエディターを目指す選択もあるでしょう。さらに時間をかけて自己分析すれば、「食」に限らず「ライフスタイル」全体に興味があることに気付くかもしれません。日頃からアンテナを張って情報を集め、自分の興味にマッチする職業を幅広く調べてみましょう。
また、就活を進める中で、新たにおもしろそうな業界を知ることもあります。そんなときには積極的に調べて、まず応募してみるなどフットワークを軽く活動するのも大切なポイントです。
志望業種が決まったら、いよいよ各企業について研究します。売上高や事業内容は企業ホームページや説明会資料に掲載されているので、簡単に知ることができるでしょう。しかし、自分が企業にどう貢献できるかをアピールするためには、具体的な仕事内容や企業の強み・弱み、将来の展望などの情報を把握したうえで、自分が実際に働く姿をイメージしておかなくてはいけません。
こうした情報がホームページや資料に載っていなければ、資料を読み込んで自分なりに分析します。そして、先輩訪問や説明会などの機会に「自分は~と理解していますが、このような理解でよろしいでしょうか」などと確認しておきましょう。企業の弱みについて直接聞くのが憚られる場合は、「~という点が御社の強みであると考えますが、逆に~という点は将来の課題と考えてよろしいでしょうか」など、企業の長所とセットにして質問することで悪い印象になりません。
就活において最も時間がかかる対策のひとつが、自己分析です。志望順位の低い企業には、上辺だけ取り繕った自己PRを書いてしまうこともあるでしょう。しかしそれでは、残念ながら最終的に見破られてしまいます。例えば「私は人とコミュニケーションをとるのが得意です」とアピールする場合、説得力ある根拠が必要です。具体的な経験に基づく自己PRができるよう、以下の手順を参考にしてみてください。
まずは自分の過去を振り返り、次のような項目を具体的に書き出します。
「好きなこと」
「嫌いなこと」
「やってみて楽しかったこと」
「やってみたけど合わなかったこと」
「がんばったこと」
「がんばれなかったこと」
など
授業や部活、ボランティア、サークル、アルバイト、遊び、旅行、友人関係など、シーンは何でも構いません。「できたこと」ばかりでなくても大丈夫です。逆に「できなかったこと」を後で生かせた経験があれば、立派なPRポイントになります。
次に、「好きなこと」「できたこと」に関する共通点を探しましょう。リーダーとして仲間を引っ張っていったのか、人脈を生かして成功したのか。あるいは、地道にコツコツと実績を積んでいったかもしれません。人にはそれぞれ得意なパターンがあります。どういう状況で実力を発揮できたのか分析してみましょう。得意なパターンはひとつとは限りませんので、「こんな状況でもがんばれた」「あんな環境でも結果を残せた」などの経験を探してみてください。
興味があり、熱心になれることや得意なことが見つかったら、いよいよ自己PRを書きましょう。ただし、ここで書く自己PRはいわば“ひな形”です。企業に提出するときには、自分の得意パターンから志望企業に求められている資質を選んで、各社用にアレンジして書きます。企業の必要としている人材像にマッチした自己PRをすることが重要です。そのため、自分の得意パターンはいくつか用意しておきましょう。
スポーツなどで不本意な結果になったとき、「反省しても、後悔するな」という言葉があります。ここでいう反省とは、「どこが悪かったのか」「何が足りなかったのか」を理性的に分析することです。そして後悔とは、「もっと早く始めればよかった」「自分はダメな人間だ」などと考えてしまうこと。内定が出ない人は、ついネガティブに後悔ばかりしてしまい、くよくよと思い悩んで前へ進めなくなる傾向があります。
書類選考や面接で落ちたとき、反省をおざなりにして後悔ばかりするのではなく、まずは自己PRや志望動機を見なおしてみましょう。学校の就職課など、他の人に文章を見てもらうのもおすすめです。自分オリジナルの経験に基づいて書かれているか、また「その企業でなければできないこと」を志望しているかをチェックします。面接での受け答えも可能な限り思い出し、次はどうすればよいか考えてみてください。もちろん、次の企業で同じ質問が出るかは分かりません。しかし、業界に関する知識は深まり、自信にも繋がっていくはずです。
就活は人間の価値が評価される場ではなく、困難に対応するスキルを磨く場と捉えてみてはいかがでしょうか。就活を進める中で、課題解決力をアップすればよいのです。就活に「正解」はありません。自分が納得できるまで準備をして対策を重ね、充実した就職活動にしてください。