就活では、作文を書く機会がたくさん出てきます。何社もの企業を受験することになれば、課せられる作文のテーマも多様となるでしょう。そんな作文を書くときに大切なのが「構成」です。構成を考えずに書き始めてしまうと、後で文章がおかしくなってしまうこともあります。
就活では作文が選考課題として出されることもあります。出版業界を志望する際は準備するかと思いますが、それ以外の業界でも出題されるケースはあり、選考過程を公表していない企業では「作文なんて想定していなかった」と慌ててしまう学生もいるようです。
作文を攻略するためには、やはり事前準備が必須。突然の事態にも慌てず対応できるようにしておきましょう。ここでは、まず作文でよく出されるテーマについてご紹介します。ある程度テーマが想定できていれば、事前に書くべき内容も整理しておけるはずです。
・「学生時代に最も力を入れたこと、頑張ったこと」
一般企業で出されるテーマとして非常に多いものです。学生時代に得たものを問い、それを企業でどう生かせるかが見られています。
・「10年後はどのようになっていたいですか?」
未来の自分を問われていますが、その企業でどんな仕事をするのかを理解していないと、10年後のキャリアを想像することはできません。さまざまな年代の社会人から話を聞く機会を得ておくと、書きやすくなりますよ。
マスコミ系を受験する人は、一般企業とは異なり抽象的なテーマが多くなります。対策がまったく違いますので、作文攻略のためにはマスコミ用の対策が必須です。抽象的なテーマでは作文そのものが難しくなるため、テーマを想定するだけでなく、「作文を書く」練習をこなさなければ合格は困難になるでしょう。
作文の基本構成は「起承転結」です。小論文なども、その多くは「起承転結」の構成で書かれています。「起承転結」に基づいて内容を構成を組み立てていくことで、文章が流れるように読みやすくなります。
しかし就活の作文では、「起承転結」の「転」を除いて書くようにします。この「転」の部分は、文章の流れを変えるために新しい展開が必要です。就活で出題されるテーマで流れを変えるような内容を組み込むのは、かなり高度なテクニックを要します。場合によっては、むしろ読みにくくなってしまうかもしれません。そのため、起承転結をすべて組み込もうとしないことも1つの方法です。
「起承結」で構成された作文は、「前置き〜本文〜結論」という流れになります。これなら、就活の作文として非常に読みやすくなります。
文章作成の基本とされる「起承転結」ですが、逆に結論から書き始める構成もよく使われています。志望動機を踏まえた作文を書く場合にも、結論から書き始める方法は合っていると言えます。
結論から書くメリットは、支離滅裂な文章になることを防げるという点です。「起承転結」の構成通りに志望動機などを書くと、ついいろいろ書きすぎてしまい、結局何が伝えたいのかまったく分からない文章ができあがる可能性があります。しかし結論をまず伝えることで、最初から「何を伝えたいのか」を読み手に認識してもらえます。結論を述べたら、あとはそのための説明を加え、内容を発展させていけば良いのです。
結論から書く場合、展開として「理由を盛り込む」「具体例を挙げる」ことがあげられます。結論から書いていますので、その続きに裏付けとなる理由を書いていく流れです。理由を書けば、「なぜその結論が出たのか」が伝わりやすくなります。
次に、具体例を挙げることで説得力が増します。「こういう出来事があり、こういう理由が出たため、こういう結論に至った」と、自然な流れから納得してもらえるはずです。
構成を考えることも大切ですが、その他にも注意すべき点はたくさんあります。せっかく構成を考えても、文章自体の書き方を間違えてしまったために、構成が生きてこないことも。以下のような点に注意することで、構成を生かした魅力的な作文を書くことができます。
・書くテーマは1つに絞る
・段落分けをする
・主語、述語をはっきりと書く
・一文は長すぎず、短すぎないようにする
・句読点はしっかりと使う
・誤字、脱字に気をつける
・「~だ」「~です」調は揃える
この中でも、特に「書くテーマは1つだけ」という点が非常に重要。テーマを1つに絞らないと、作文の中でいろんな話題が出てしまい、何を伝えたいのかボヤけてしまいます。就活時の作文で、企業側から課題テーマを与えられた際には、与えられたテーマのみに集中するようにしてください。余計なことを盛り込んでしまうと、採用担当者から「出題の意図が分かっていない」とマイナスの印象を持たれかねません。