自己PRで就活生がよく使う「アルバイト経験」。しかし、企業の人事担当者は「アルバイト経験」をアピールする学生を飽きるほど見てきており、平凡な内容では印象に残らないという話もよく聞かれます。
でも、アルバイトぐらいしか頑張ってきたことがないという学生も多いですよね。「アルバイト経験はムダなの?」そんな暗い気持ちになった方、いやいや、そんなことはありません! アルバイトをすることで、言葉づかいやビジネスマナーなどを学べたり、社会人として働くイメージが湧いたり、学校では身につかない様々なことを経験できるのですから、メリットも多いのではないでしょうか。
そして最も大切にしたいのは、あなたがその経験によってなにを学んだのか? ということ。働いているときも、ただ漠然とお金を稼ぐのではなく、自分なりの成長を意識していきましょう。
では、「アルバイト経験」を就活に繋げていくには、これから具体的にどのようなことをしていけばいいのでしょう。今回は、ぜひおさえて欲しい3つのポイントをお伝えします。
これからアルバイトをはじめる人は、応募先を決めるにあたり、ただなんとなく選ぶのではなく、そこで働く目的をしっかりと考えてみましょう。アルバイトをする時間は、1日あたりは短いようでもトータルでみるとかなり長く、どのように働いていくのかによって大学生活が大きく変わってきます。
もし、すでに興味のある業界があるのなら、できるだけ近い職場を選んでみるのもおすすめ。実際に働きながら社員の方と話をしたり、積極的に学んだりしていくうちに、その業界への理解が深まるかもしれません。特に興味のある仕事が思いつかない場合でも、学生のうちにいろいろなアルバイトにチャレンジしてみることで、その後の就活に役立つのではないでしょうか。
以下はほんの一例ですが、このように少しでも目的に近いアルバイトを考えてみてください。
<例>
・コミュニケーション能力を身に付けたい→ 飲食店の接客、塾講師など
・食に関わる仕事がしたい→ レストランのキッチンスタッフ、スーパーの食品担当など
・事務の仕事に興味がある→ データ入力、テレフォンオペレーターなど
・体力を活かした仕事がしたい→ 引っ越し業、土木作業など
・人の役にたちたい→ 介護スタッフ、保育スタッフなど
・デザイン業界を見てみたい→ デザイナー、DTPオペレーターなど
「アルバイト経験」を自己PRに繋げるならば、そこで働きながら「具体的にどう成長していったのか」を伝えるのが重要なポイント。そのためには、与えらえた仕事に対してどのように取り組み、困難にぶつかったときにどう対処し、何を学んだのか、筋道を立てて説明できなければなりません。
例えば、職場内で人間関係が悪くなったとき、どのように行動するかは人によって様々ですよね。アルバイトをしていると、時には難しい問題にぶつかることもあるかと思いますが、そんな時こそ立ちはだかる壁をどう乗り越えていけばいいのか、冷静に考えながら動いていくことが大切です。その経験は、いずれ「あなただけのエピソード」となり、自己PRの内容を裏付ける材料となることでしょう。
世の中には様々なアルバイトがあり、働くうちにあなたの長所や短所が見えてくると思います。人には向き不向きがあり、早くから自分の「適性」について考えていくことで、志望先を決めていくときに良い判断材料になることでしょう。もし、憧れていた業界に自分が向いていないと気づいたとしても、学生のうちならいくらでも軌道修正ができます。
また、アルバイト経験で得た「あなただけのエピソード」の中にも、そういったヒントが溢れているはず。それらを材料にして自己分析をしていけば、きっとあなたならではの「人柄」が見えてくるに違いありません。
そしてこの自己分析は、具体的な経験を積み重ねていく中で、いくらでも深まっていくもの。アルバイトをしながら、自分が社会に出たときに何ができるのか意識して、少しずつ成長していきましょう。
いかがでしたか?
企業が選考をとおして本当に知りたいことは、アルバイトを経験したという“事実”ではなく、その経験をとおして見えるあなたの「適性」や「人柄」。そこが自社の求める人物に合っているのかということも、合否を決める大事なポイントなのです。そのためには人事担当者からきちんと判断してもらえるよう、今から少しずつプレゼンテーションの戦略を立てておきましょう。
これからアルバイトをする人も、現在アルバイトをしている人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。