いくつもの「発想法」を知っていても、自分が置かれている状況にふさわしい発想法を選ばないと効果は望めません。
そこで、今回はシチュエーション別にふさわしい代表的な発想法を紹介します。
「オズボーンのチェックリスト」とは、ブレーンストーミングを発明したとされるA・F・オズボーン氏による発想法です。
現状(今あるモノや状況)をどう改善したらいいか思いつかない、という場合に適しています。
改善したいものを、次のリストに当てはめながら方向性を模索していきましょう。
1.転用…他に新しい使い道はないか?
2.応用…何かの真似をできないか?
3.変更…意味・色・働きなどを変えられないか?
4.拡大…大きく(長く・重く・厚く)してみては?
5.縮小…小さく(短く・軽く・薄く)してみては?
6.代用…他の何かで代用できないか?
7.置換…順序・原因と結果を置き換えたら?
8.逆転…前後・左右・上下などに逆転してみたら?
9.結合…いくつかのアイデアをひとつにできないか?
「これは他に使い道がないか?」「他に似たものをさがしてみたらいいんじゃないか?」「大きさを変えてみたらどうなる?」
と発想する対象について、リストの言葉を自問自答して使うこともお奨めです。
マインドマップとは、トニー・ブザンというイギリスの学術ジャーナリストが考えだした発想法です。
「複雑な概念をシンプルに表現できる」というメリットがあります。
ここでは「自分がどうするべきかわからない」という時のための、もっともシンプルなマインドマップの描き方をご紹介しておきましょう。
・白い紙の中央に、表現したい事柄(キーワードや絵)を描く。
・そこから放射状にブランチ(枝)を伸ばし、ブランチの上に、思いついた事柄をひとつだけ描く。
・ブランチの先は枝分かれし、放射状に広がっていく。
・それぞれのブランチに、思いついた事柄をひとつだけ描く。
なお、トニー・ブザンはマインドマップを正しく活用できるよう、12のオリジナル・ルールを定めています。トニー・ブザン以外の人が改良を加えた亜流のマインドマップも数多くありますが、まずはオリジナルを正しく身につけてから応用に進むべきでしょう。
比較発想法とは、固有の発想法の名称ではありません。「AとBを比較して、Bの持つ特徴をAに当てはめてみる」という発想法は何通りもあり、その総称として、ここではこの名称を用います。
アイデアは急にひらめき落ちてくるものではありません。そのような絶対的なものではなく比較をし続ける相対的思考がベースになっている考え方です。
「とにかく今とは違うひらめきが欲しい」という時に適した発想です。
たとえば、冷蔵庫について何か斬新なアイデアが欲しいとき、一例として「トマト」と比べてみることにします。
トマト →生きている→生きている冷蔵庫? バイオ素材を使用、魚を生きたまま冷蔵など
→柔らかい→冷蔵庫の材質を柔らかくできないか?など
もちろん、実用に耐えられるレベルの発想はそう簡単には出てきません。
しかし、漠然と新しいアイディアを模索していただけでは思いつかないであろう発想の飛躍が生まれやすくなるはずです。
世間で比較的よく知られている発想法だけでも、おそらく数百はあると思われます。それぞれの発想法には特長があり、ここで紹介したように、用途によって使い分けるべきものです。
発想法はあくまで手段でしかありません。その手段を最大限有効活用するために、「いま直面している問題を、もっとも合理的に解決できる発想法にはどのようなものがあるか?」と考え、局面ごとによって使い分ける参考になれば幸いです。