今期の就職活動は「売り手市場」と呼ばれ、比較的学生優位の状況にありますが、基本的に就職活動は、悩み、苦しむことの多い出来事です。
特に日本は「新卒一括採用」で、新卒時の就職活動がその後の人生を決定付けてしまう、という印象が根強く残っています。
警察庁によると、大学生の「就活自殺」は、2013年までの7年で218人にのぼっており、産経新聞ではその理由を「思うように内定得られず追い詰められ……」とし、
この数字からも、就職活動が学生にとってかなりの影響力を持っていることがわかります。
JOBRASS編集部で転職経験のある社会人150名に、このことについてどう思うか、率直な意見を集めたところ、
「死ぬくらいなら、就活止めてなにか別の道があるはず」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
「死んだらなんにもならない」(男性/その他/44歳)
「人生終わらせてはいけない。就職が全てではない」(男性/公務員/41歳)
など、「就活は人生のすべてではない、命を落とすことはない」という声。
それと同時に、企業担当者からも「就職活動」自体が精神的に追い詰めてしまっているのはないか、という声も上がってきました。
なぜ就職活動が自殺にまで追い詰められるほどのものになってしまうのか。分析する担当者の意見をいくつか紹介します。
「単純に就職が決まらなかったからではなくゆとり世代のせいにされたり圧迫面接とかも多かった為、精神的に就活生を追い詰めたのだと思います」(女性/その他/29歳)
「周りが就職に成功させるようプレッシャーをかけすぎなんだと思う。そうならないように、自分で視野を広げることも大切だと思う」(女性/その他/33歳)
「大企業に就職できたら勝ち組みたいな概念が自分の首を絞めてしまうのでは。望みの職場でなくても逆にいいことがあるかもしれないし、
経験を積んでから転職してもいいのだから、そんなに思いつめないで欲しい」(女性/総務・人事・事務/28歳)
私が就活をするときは、リーマンショックが落ちついたものの就職氷河期から脱出したばかりの時期で、内定がなかなかとれませんでした。
しかし、周りの友人は次々と内定を獲得し、私個人としては夏まで就職活動を継続していました。
今、現在就職活動を行っている方は、悩んだり、自暴自棄になってしまう時期もあるかと思います。
でもそれは、当然のことではないかと思います。やはり、はじめて働く会社がどのような会社かを決めるのは大事ですし、
とりあえず就活をし、入社をするよりは、しっかりと悩むべきだと思います。
そして今自分自身の就職活動、社会人生活を振り返り、みなさんにお伝えできるのならば、
・早く内定を取ったからといって、長く働けるわけではない(相性がよいわけではない)
・売り手市場だからこそ、採用活動を続けている企業はたくさんある
・みなさんが思っている以上に、転職する人は多い(新卒サイトの運営会社がいうべきことではないかと思いますが)
ということです。
悩みが生じたり、モヤモヤしたら、誰かに相談してみましょう。
親や友達に言いにくければ、就職のプロである人材会社という手もあります。大切なのは、自分が思っているよりもたくさんの“道”があるということです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:転職経験がある社会人の男女 計150名