時間や労力をかける就職活動だからこそ、誰もが第一志望の業界に入りたいと思うもの。
しかし残念ながら、第一志望の業界や企業に必ずしも入社できるとは限りません。
今回は、第一志望の企業に落ちてしまう理由やケース別の切り替え方についてお伝えしていきます。
JOBRASSマガジンで人事担当者に内定をもらっていない学生に足りないポイントを挙げてもらったところ、アピール度、表現力、元気さ・明るさ、真剣さ、自己分析という回答が出てきました。
▼採用担当者からみる「まだ内定をもらっていない学生」の足りないポイント
これに加えて【第一志望】という要素が加わった上で、企業の選考に落ちてしまう理由を考えてみると以下が考えられます。
1.倍率が高い
→第一志望の業界は人気企業や大企業の場合も多く、まず受ける学生の数が圧倒的に違います。学生に人気の食品や玩具メーカーなどは、文型総合職でも採用が数名ということも多く、倍率が数千倍になる可能性があります。
また、選考が進めば進むほど、いわゆるハイスペックの学生も多くなり、母集団のレベルがグッと高くなるのです。
2.企業・業界研究が不足しているために他の学生と差別化ができてない
→企業の担当者からすると、企業・業界研究ができていないと「この学生は本当に入社したいのか?」と疑問に思ってしまいます。それが上記のように、人気企業や大企業であれば、その差はなおさら。CMなどで商品を知っている分、イメージだけで語ってしまう学生も多くあきらかに業界研究や企業研究ができていないことがわかるのです。
3.感情が前面に出てしまう
→第一志望の場合、入りたいという思いが当然強いものですが、その思いが前面に出すぎてしまうのもあまりよくありません。またよくあるのが、「商品が好きだから受ける」というパターン。「好き」という思いを伝えるのは、問題ないのですが、それだけで終わってしまってはあまり意味がありません。「(このように)働きたい」という思いが伝わる必要があります。特にテーマパーク、玩具、鉄道、食品メーカーを受ける学生にこうした傾向がみられます。
▼【好きだけではNG!】“ファン”から企業が欲しい“人材”になるポイント
更に付け加えるとすると、企業との相性が問題となります。企業の社風や考え方によっては、みなさんがどれだけ優秀であっても、やむなく落としてしまうこともあります。みなさんにとってみれば、悔しいことかもしれませんが、素直に縁がなかったと思い、切り替えることもおすすめします。選考が進んで落とされた場合は、相性がよくなかったものの、言ってしまえば皆さん自体は評価されていると思ってよいと思いますのでしっかりと切り替えて、就活を進めていきましょう。
▼面接官が語る「惜しい学生」から「採用したい学生」に変わる方法
・第一志望が民間企業だった場合
…まずは選考の状況を振り返り、「なぜ落ちてしまったのか」を考えてみましょう。そして、選考を受ける企業を探すときには「第一志望の企業でやってみたかった」ことや「なぜその企業に興味を持ったのか」を振り返ることで、別の企業を探していきましょう。
・第一志望が公務員・教職の場合
…公務員試験や教職試験に落ちてしまい、民間企業の就職を考える場合には、まず、公務員や教職を今後も視野に入れていくのかを考える必要があります。これらの試験は倍率も高く、複数年受験する学生も多くいます。また、一度臨時職員として働く人もいます。
考えた結果、民間企業での就職を考えられたならば、まず認識として「それまでの試験への努力は認められる」ということです。出遅れてしまったという考えもありますが、それまで試験対策をしてきた時間を企業は認めてくれるはずです。そのため、教職員や公務員試験学生を対象とした夏・秋採用を企業によっては行っています。ただし、「なぜ教職員・公務員から民間企業で働こうと思ったの?」という質問は必ずといっていいほど聞かれますので、答えを準備しておくようにしましょう。
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・【共通】切り替え方
就職活動では基本的にスムーズに進むことは少なく、落ち込んでしまったり失敗したと思う機会のほうが多いものです。必要最低限の振り返りを行ったあとは、リフレッシュをすることが大事です。就職活動とはまったく関係ないことで、趣味に没頭したり、友人と何気ない会話をして、自分を必要以上に追い込まないようにしていきましょう。先日、就活を終えた学生を聞いてみたところ、彼は野球観戦が大好きで、うまく行かなかったときには野球をみて思いっきり声をだすことでストレスを発散できたようです。
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人によっては1年以上かけて、憧れの業界や職種をめざしてきた人もいると思います。
その人にとっては、簡単にあきらめ、切り替えることも難しいと思うこともあるでしょう。そんなみなさんに、いろいろな選択肢をお伝えします。
▼あくまでもその企業・業界を目指す場合
どうしてもあきらめられず、新卒で入社を目指すためには、
・夏採用・秋採用・冬採用を目指す(複数応募が可能の場合)
・就職浪人をする
という選択肢が考えられます。ただし、前者の場合は、ハードルが高く(応募学生や採用対象学生のレベルがあがっているため)難易度は春採用よりもあがっていることを認識しておく必要があります。また、後者の場合、企業の面接で必ず「この1年間何をしてきましたか」と聞かれます。きちんと努力した旨を伝えられるかどうか、企業担当者を納得させられるかどうかが大事になってきます。
L4人に3人の採用担当者が「就職浪人」に否定的、その理由は?
このようにまだまだ就職浪人に対して、否定的な考えを持つ担当者が多いことも知っておきましょう。
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▼自分の志望を振り返り、別業界をめざす
そもそも「第一志望の企業に何を求めていたのか」を問い直していくことが大事です。知名度?やりたい仕事?勤務地?残業時間?……それらの要素が「本当に第一志望の業界でないとできないのか」を考えてみることが大事です。たとえば、出版社や新聞社を第一志望と考えていた場合、なぜそれらを目指していたのかを振り返ってみると「多くの人に情報を届けたい」ということだったとします。そうしたとき、いまや、ウェブ業界でもメディア事業もありますし、ウェブライティングを目指す人もいます。見られている数で言うと、マスメディアを越えている場合もあります。
このように、見る視点を変えると、受けていく企業や業界が変わっている場合もあります。
第一志望の業界で何がしたかったのかを一度振り返ることが大事です。本当にそこでしかできないことなのか、また自分に何が足りなかったのかを一度考えてみると、今持っているこだわりや辛さはやわらぐかもしれません。
また、就職活動は一人で抱え込むべきではありませんので、エージェントの担当者やキャリアセンターの担当者に相談していくのもひとつの方法です。