働き方改革の一環として、味の素が今年4月から、毎週水曜日に本社ビル(東京・京橋)を午後5時に消灯。またカルビーは、4月から、これまで週2日までだった社外で勤務する「テレワーク」の上限日数を撤廃しました。やはり4月からは、キッコーマンも、在宅勤務制度を導入しています。“働き方”を見直すべきだという機運が高まるなか、実際に働く人は、“働き方”についてどう思っているのでしょうか。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが5月9日公表した意識調査(新入社員セミナー受講者1,327名を対象)では、新入社員は「給料」よりも「休日」を重視する傾向があることがわかりましたが、今回JOBRASS編集部でも、20代~30代の若手社会人101名に、「最も重視する働き方の条件」をアンケート。給料? 休み? やりがい? あるいは在宅勤務制度の有無? 浮かび上がってきた“条件”は……
【あなたが最も重視する働き方の条件は?】
・給料 32.0%
・自分のやりたいこと 19.0%
・やりがい 15.0%
・職場の人間関係が良好 15.0%
・休みがとれるかどうか 13.0%
・自分の成長 5.0%
ダントツで1位となったのは、「給料」でした。「やりがい」や「休みがとれるかどうか」よりも、まずはお金ありき、と考える人が多いことがわかります。では、それぞれの理由をみてみましょう。
生活のうえでお金は大切。さらに、「ある程度キツくても、お給料が良ければ頑張れる」という声や、「モチベーションにつながる」といった声も目立ちました。自分のやりたいことややりがいはさておき、給料の高さを重視する若者が多いことがうかがえます。
・生活にお金は不可欠だから(男性/総務・人事・事務/27歳)
・まず生きる上で必要だから(男性/コンピュータ関連以外の技術職/29歳)
・ある程度きつくても、良い給料なら頑張れる(女性/その他/31歳)
・モチベーションに繋がる(男性/その他/24歳)
・給料が良ければあまり不満も出ないから(女性/その他/27歳)
・自分がいかに評価されたかがわかる(男性/コンピュータ関連以外の技術職/32歳)
・生活が成り立たなければ、やりたい仕事も楽しく無くなるから(女性/その他/25歳)
「給料」につづいて多かったのは、「自分のやりたいこと」をもっとも重視するという回答。その理由は、「やりたいことじゃないと楽しくなく、結局長続きしない」というものでした。
・やりたくない仕事では続かない(女性/その他/30歳)
・自分のやりたいことができなければモチベーションにつながらない(女性/その他/25歳)
・失敗してでも、一度は自分のやりたいことをしてみたい(女性/コンピュータ関連以外の技術職/26歳)
・人生は一度きりなので、安定した収入などはもちろん大切ですが、それよりも自分がやりたい職業に就くことが1番大切なんじゃないかと思います。やりたい仕事であれば、続けようという意志も続くと思いますし、何よりも本気で頑張れると思います。それが、人間らしく生きるってことなんじゃないかなと思います(男性/その他/23歳)
「自分のやりたいこと」と似ていますが、さらにそれが他者から“認められる”ことが、「やりがい」です。やりたいことに加え、それが認められることで楽しさを見出すことができ、結果として仕事を長く続けられるから、というのが「やりがい」を重視する理由です。
・やりがいがあれば、仕事も楽しく続けられるから(女性/総務・人事・事務/28歳)
・やりがいがないとやる気にならないから(女性/コンピュータ関連以外の技術職/32歳)
・やりがいがないと長続きしない(男性/営業・販売/27歳)
・やりがいがなければ働く気力が保たない(男性/その他/27歳)
・仕事で落ち込んだとき、やりがいがあると頑張ろうと思えるから(女性/総務・人事・事務/26歳)
「やりがい」と同列3位だったのは、「職場の人間関係が良好」でした。これを挙げた人の理由は、「どんなに給料がよく、やりがいがあっても、人間関係で苦労すると続けられない」というもの。人間関係は自分の力でどうしようもない、という声も散見されました。
・どんなに好きな仕事でも、人間関係で悩んでしまっては嫌になってしまうかもしれないし、逆に少し苦手なことでも人間関係が良好であれば助け合いで乗り越えられることもたくさんあると思うから(女性/金融関係/26歳)
・嫌な仕事は努力でカバーできるが、人間関係は努力だけでは解決できないから(女性/総務・人事・事務/28歳)
・職場関係が良好でない限り、働きにくいと思うから。いくら給料がよくても職場関係が良好でない限り、働こうと思わない(女性/その他/24歳)
・人間関係で職場のいやすさは左右されるから(女性/その他/24歳)
・人間関係や複雑だと長続きしないから(女性/総務・人事・事務/26歳)
休みを重視する人もいます。「お金を稼いだり、仕事にやりがいがあっても、プライベートが充実してこそ」というプライベート重視のスタンスの人たちです。
・休みがないと体がもたないから(男性/公務員/35歳)
・いくら楽しくても休みや労働条件が合わないとやっていけない(男性/総務・人事・事務/35歳)
・どんなに忙しくても、休みが保証されていたら頑張れるため(女性/その他/26歳)
・プライベートがあるからこそ仕事を頑張れるから(女性/その他/29歳)
・稼いだお金を好きなように使える時間があることが一番重要だから(男性/総務・人事・事務/25歳)
自分自身の“成長”に重きをおく人からは、「人間関係、給料、どれも大切だが、自分が成長できることを見つけて仕事をしないと新しいアイディアも生まれず、その場で足踏みしてしまう。給料などに不満があるならば成長した自分でまた勝負をし、転職したら良い」(女性/研究・開発/27歳)という意見が寄せられました。
給料、休み、やりたいこと、やりがい、人間関係、成長……。すべて大事といえば大事な要素ですが、自分がもっとも重視するのは何? 就活にあたり、「どの企業を受ければいいのか、そもそもわからない」という人は、まず“自分が重視するもの”に順位をつけて考えてみると、良いかもしれません。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年4月14日~2017年4月19日
対象:社会人1~2年目の男女 計101名