採用担当者にしてみれば、採用した学生が入社後実際どうなるかは“賭け”に近いもの。もちろん「意欲があり、この学生ならウチの社風にも合う」という確信をもって採用をするのですが、なかには「もしかして大化けするかも」と期待を込めて採用するケースも少なくないようです。
そこでJOBRASS編集部は、採用担当者115名に対して本来の採用基準や社風からは外れるものの、期待を込めて「一か八か」で採用した学生がいるかどうかを質問。「いる」と答えた担当者には、その学生が実際に入社後、どうなったかを聞いてみました。
どのくらいの企業が、「賭け」の採用に出たことがあるのか、そしてその学生はアタリ? ハズレ? 採用担当者が本音で語ってくれました。
【本来の採用基準や社風からは外れるが、期待を込めて「一か八か」で学生を採用したことはありますか?】
・ある 23.5%
・ない 76.5%
「ある」と答えた担当者は23.5%。採用した理由は、「どうしても当社で働きたいと熱弁をふるった学生に賭けた」(女性/その他/30歳)「マンネリのなか、新しい風を入れようと思った」(男性/金融関係/49歳)などでした。では、その学生は、入社後どうなったのでしょうか?
多く見られたのは「期待以上だった」という声。アピールする力が弱くてもコツコツやるタイプ、そして社風を理解し、馴染む努力をするタイプは「期待以上」になることができるようです。
・うまく順応して、自分なりに仕事を覚えて、きびきびしています(男性/コンピュータ関連以外の技術職/49歳)
・期待以上に成長してくれた(男性/営業・販売/45歳)
・雰囲気というか人柄に魅力を感じ、面接時は特段いいアピールができたわけでもなかったが、実際に働いてみたらお客様からの支持を一番獲得しているスタッフに成長しました(女性/その他/30歳)
・変わっていたが、個性があるせいか、営業成績が良かった(男性/その他/41歳)
「やっぱりハズレだった」「すぐに辞めた」という声も散見されました。社風に合わなかったという理由のほか、学歴・人柄重視で採用したものの、仕事をさせてみたらダメだったという報告が目立ちました。
・自信満々に見えたのに、見かけ倒しのハッタリ野郎でした。びっくりするほど他力本願(男性/研究・開発/32歳)
・社風に合わなかった(男性/営業・販売/41歳)
・非常に性格の良い学生であったが、仕事を吸収する能力が低かった(女性/その他/46歳)
・有名大学だったので採用したが、入社後の発言・行動をみて期待外れでガッカリした(女性/その他/49歳)
・学歴は申し分なかったですが、仕事になると全く芽が出ず、大失敗でした(男性/その他/54歳)
・合わないと思ったが、能力の高さを感じたので採用しました。半年で退社しました(男性/総務・人事・事務/48歳)
「採用された同期のキャラクターをみても、自分だけが浮いていて、なんで採用されたのかわからず、入社当初は違和感がありました」と話す大手食品メーカー勤務の中村さん(女性/26歳)は、「同期はみんな、休みの日はバーベキューしちゃいますみたいな、社交的で明るい人たち。私は割と“こもる”タイプなので……。就活時、確かに社風がコミュニケーション重視ということは知っていましたが、その会社で働きたかったので、ダメ元でチャレンジしたんです。そうしたら合格して。一人くらいこんなヤツがいてもいいと思ったんですかね? あっ、でも、唯一共通点があるとすれば、なんとなく女性の背格好はみんな似ているかも」と笑います。
そして、「行きたいと思う会社があったら、“この社風に自分は合わないな”などと最初から決めつけるのではなくて、本当にその会社の仕事がしたいかどうかをまず考えて。それから体当たりしてみたらいいと思います。就活は、積極的になってナンボです!」とエールを送ってくれました。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名