働くなら、大好きなカフェ業界! と決め、内定ももらっていたKさん。ところが父や先輩のアドバイスのもと、自分の“働き方”を想像したとき、土日が休めないのは自分にとって合わないのでは?と気がつきます。働くというのは、ただ「好き」なだけではダメ。Kさんの就職活動インタビュー、後半です。
▼Kさんのプロフィール
氏名 : K.H.
出身大学 : 東京家政大学
学部 : 人文学部 教育福祉学科
志望業界 : 特に決めていませんでした
説明会参加:約30社
先輩訪問 :0人
エントリーシート提出:15社
面接 :11社
内定 :3社
具体的な業界名 商社
活動費用 :約45000円
簡単な内訳[交通費[30000]円、外食費[3000]円、クリーニング代[5000]円、証明写真代[2000]円、パンプス代[3000]円、ワイシャツ代[2000]円、ストッキング代[1000]円、SPIテキスト代[2000]円 ]
■Kさんの就活は大体こんな感じ!
【大学3年生8月】
説明会、インターンに参加。“とりあえずインターンというものに行っておくか”という感じで楽そうな説明会に足を運ぶ。
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【大学4年生2月】
大学の就職ガイダンスに3度参加。何となく就活しなきゃいけないのかなと思い始める。この機会に面接の練習や、エントリーシートを書き始める。
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【大学4年生3月】
上旬 合同企業説明会に参加(リクナビ)、大学の学内企業セミナーに参加(約1週間)。
(何もしないよりは、とりあえず行動に移しておこうという感覚。業界は絞らず広くみる。)
下旬 企業の説明会、選考を受け始める。合説で気になった企業に出向き、気になった企業は選考を受ける。就活のように企業をたくさん知る機会は人生にもうないだろうと思い、楽しむことを意識して活動をしていた。
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【大学4年生4月】
3月に引き続きひたすら説明会、選考を受け続ける。
2社内定。“意外と就活いけるかも”と思う。
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【大学4年生5月】
1社内定いたただく(合計3社)。
これにより少し余裕が生まれ、何でもかんでも説明会や選考を受けるのを辞めた。
父の勧めによりアイデムスマートエージェントに出向き、ここから自分にあった企業に絞り込み選考を受ける。
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【大学4年生6月】
引き続き、絞り込んで選考を受ける。
選考がなかなか思うように行かなくなってきて、また周りが就活を終えるようになり、焦り始める。
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【大学4年生7月】
第一志望の企業から内定をいただく(商社、営業)。
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就職活動終了。
就活にあたり、手書きノートを作りました。一つにまとめて見ることができるし、やる気にもつながるかなって。自分なりに企業研究、履歴書をかくためのポイントなどをまとめたものです。最初はカフェを目指していたのでカフェを展開している企業を中心に調べました。
――業界を広げようとして、まずエージェントに登録したのですね。
もう、自力で必死に探してくるのに限界を感じていたので(笑)。父から、エージェント登録をすすめられて、また紹介してもらった企業が、福利厚生、勤務地、「人と接する」という軸など、私の条件に合うのが多かったので、「あ、もう頼ろう!」と思いました。私が調べるよりはエージェントさんに探してもらったほうが絶対いいなって。そこで紹介してもらった企業から、絞っていきました。
――どういう点で、エージェントからの紹介のほうが良かったのでしょうか。
例えば求人サイトなどで「条件検索」をかけていくと、どうしてもヒットする件数が少なくて、なかなか見つからないんです。
でも、エージェントでは、転勤でも全国区なのか都内なのかとか、そういう細かい条件を聞いてもらえるし「ここは条件とちょっと違うけど、雰囲気はいいから行ってみたら?」っていうようなアドバイスをもらえます。いろんな会社、仕事を見るっていうのは自分の経験にもなるし、視野も広がるので、説明会にはなるべく行っていました。“エージェントの方が紹介してくれるなら行ってみよう”っていう信頼もありましたね。
――どういう人に、エージェント登録をオススメしたいですか?
私自身、「自分に、どういう会社が向いているのか」がわからない時期がありました。「好き」で視野を狭くするのではなく、視野を広くしようとしたとき、自分がどこに行きたいのかわからない人。
内定がなかなかもらえないっていう子は、自分のなかで「自分に向いている」とか、「これでいいのかな」とか、悩んでいたり迷っていたりする部分が多いのかなって思います。私もそうでしたし、実際焦っている子にエージェント登録をすすめていました。
――最終的に決めたのは、営業。好きなカフェ業界ではありません。
カフェに関しては働く側ではなくお客さんでいたほうがいいなと。就活を通して、好きなことやものと、そこで働く現実とは違うことを考えさせられました。
就活は、楽しむことを前提にしていました。自分が楽しくないといい会社は見つからないかなって思っていたので、とりあえず楽しんでやろうと。例えば会社説明会に行くのも、どうせあそこに行くなら、あのカフェに行こうというモチベーションを作ったり、面接では会話を楽しんだり。集団面接でもまわりをみて、盛り上げてくれる人がいたら、自分はそれを支えるようにっていう感じで、どんな時も自分が楽しめるようにすることを心がけました。楽しむことによって自分の“素”が出せると思うし、それで見てもらえたらミスマッチが防げると思っていました。
いろんな業界や企業、仕事をみて、自分の知らなかった世界をいっぱい見られたので、良かったなって思います。多くの人に出会って話を聞けたので、勉強になりました。
――これから就活を始める人に、メッセージをお願いします。
やっぱり大事なことは、楽しむことですかね。そして自分が楽しいと思える会社に行くことが、楽しみが増えるし……自分が楽しいって思える会社を探せるのが、就活かなって。やらなきゃいけないんだったら楽しんだほうがいいですしね!
就活を終えた今、食生活アドバイザー資格の勉強をしたり、大好きなカフェでのアルバイトに精を出したりする日々というKさんの表情は、とても晴れ晴れとしていました。
好きなことと、その業界に飛び込んで仕事をするのとでは関わり方が違うもの。でも例えば商社でカフェにコーヒー豆を卸したり、建築やデザイン側からカフェのオープンに立ち会ったりということもあるでしょう。Kさんが食生活アドバイザーとして、カフェメニューを考える日が来る可能性だってあります。好きなことに仕事として“関わる”のは、何もその業界にいなくてはできないこと、ではないのかもしれません。