毎年のように就活生の中には、ESや面接の際の志望動機として「人の役に立ちたい」と答える人が数多くいます。確かにとても大事なことなのですが、実は理由がそれだけという場合、早い段階で選考に落ちてしまう人がほとんど。では一体、どうすれば良いのでしょうか?
今回は、「人の役に立つ仕事がしたい」という人に向けて、なぜ落ちてしまうのかというお話をさせていただくと共に、志望動機がさらに深まる『考え方シート』をご用意しました。ぜひこの記事を参考に、あなただけの志望動機を作ってみてくださいね。
早速ですが、ある面接での就活生と採用担当者のやりとりをご覧ください。
この会話を読んで、あなたはどのように感じたでしょうか。中には「採用担当者ってこんなに追い詰めてくるものなの?」と、面接が怖くなってしまった方もいるかもしれませんね。
しかし、この採用担当者が言うのはもっともなことです。どんな仕事も人の役に立たなければ続けていけません。もしこの就活生がいつも面接でこういった言動をしていたのなら、むしろ指摘してくれたことに感謝したほうが良いでしょう。そしてすぐに気持ちを切り替えて、これまでの志望動機を考え直し、次の選考に繋げることが大切です。今後、同じ失敗を繰り返さないためにも……。
次は、選考に落ちない考え方の手順をお伝えしていきます。
それでは次に『考え方シート』を使いながら、「人の役に立つ仕事」を具体的に考えていくコツを解説していきます。
まず、選考をクリアするためには、徹底的に自己分析を繰り返して、自分の軸を作ることが大切です。その際、考えるポイントは主に以下の2つです。
【1】どんな人の役に立ちたいのか
【2】どんな方法で役に立ちたい
<解説>
【1】どんな人の役に立ちたいのか
この世の中には多様な人々が暮らしていますよね。年齢は赤ん坊からお年寄りまで幅広く、生活している環境も様々です。その全員の役に立つというサービスも中にはありますが、全てが万人に役立つサービスばかりでは、その他の細かなニーズに行き届かず、困る人たちがたくさん出てきてしまいます。
そこで、多くの企業はサービスを届けるターゲットを狭めて、その人たちが本当に求めることを提供し、世の中の役に立っているのです。さて、あなたは誰の役に立ちたいですか? その理由もあわせて考えてみましょう。
<回答例>
・順調に売り上げを伸ばしているものの、人材不足で困っている企業
・認知症になり、一人で生活できない老人とその家族
・就職先がなかなか決まらず悩んでいる人
・日本に旅行に来て、観光地を見てまわることを楽しみにしている外国人
・震災にあい、今も不便な生活を強いられている人
・一人暮らしで、つい食事を疎かにしてしまいがちな人
・不治の病にかかり、闘病生活に苦しんでいる人とその家族
・仕事と子育ての両立に大忙しの人
・漫画を描くのが好きで、同じ趣味の人たちと交流したいと思っている人
・単身赴任で家族と離れて暮らすことになり、寂しさを感じている人
・退職者が増えたため社内環境を良くしたいと思いつつ、解決策に悩んでいる企業
・家族を持ち、今後の資金計画に悩んでいる新婚夫婦
・お洒落をしたいと思いつつ、どうしたら良いかわからない人
・新しくサービスをはじめるため、ホームページを開設したいと考えている企業
・定年を迎え、これから海外旅行を楽しみたいと考えている人
・やむをえず介護離職したものの、優秀でまた働きたいという意欲がある人
・太ってしまい、スリムな体型に戻したい人
・夢に向かって勉強をがんばっている受験生とその親
・美味しい料理を食べることを一番の楽しみにしている人
etc……
【2】どんな方法で役に立ちたいか
これも仕事を決める上でとても大切です。あなたは、自分の興味や特技を生かして、どんなことをしたいですか? 回答はいくつ出してもかまいません。
・笑顔と人懐こさを活かして、人々を元気づけたい
・体力に自信があるので、身体を動かす仕事で社会に貢献したい
・皆と感動を共有するのが好きなので、情報を世に広める仕事がしたい
・震災で大変な想いをした経験を活かして、防災関連の仕事がしたい
・ITを学んできたことを活かして、生活を便利にするアプリを開発したい
・食に興味があるので、美味しいものを考えて人々を楽しませたい
・トーク力をよく褒められるので、営業の仕事がしたい
・よく相談される性格を活かして、人の相談にのる仕事がしたい
・語学力を生かして、外国人と日本人の架け橋になりたい
・掃除が好きなので、世の中の隅々を綺麗にしたい
・ダイエットで成功した経験を活かして、同じように悩む人を手助けしたい
・チームワークが重要なスポーツを続けてきたので、個人プレーよりチームプレーで行う仕事がしたい
・縁の下の力持ちとよく言われる性格なので、サポートをする仕事がしたい
・ものづくりが好きなので、日々を楽しくするアイデアグッズを企画したい
etc……
あなたのやりたいことは見えてきましたか? 【1】と【2】が思い浮かんだら、次はその2つを掛け合わせて仕事に結びつきそうか考えてみましょう。はじめは視野を広げておいたほうが良いので、一つに限らず思いついたものはどんどん書き出しておくことをオススメします。
※『考え方シート』のダウンロードはこちらから。1枚ではなくたくさんプリントして、様々なパターンを考えてみてください。
↓
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先程の2つから具体的な仕事が思い浮かんだら、次は業界・企業研究を行い自分との接点を見つけて、志望動機を作成しましょう。
一例として、就活生Aさんの『考え方シート』と志望動機をご紹介します。
【1】どんな人の役に立ちたいのか → 就職先がなかなか決まらず悩んでいる人
理由……自分自身が就活をとおして成長していると感じているため、この経験を活かして求職者が将来への第一歩を踏み出すお手伝いをしたい。
【2】どんな方法で役に立ちたいか → よく相談される性格を活かして、人の相談にのる仕事がしたい
理由……姉御肌で話しやすいと言われることが多いから。自分自身も人の話を聞いてアドバイスをするのが好きという自覚があり、向いていると感じている。また、感謝されることに喜びを感じる。
<考えられる仕事> 人材紹介会社
【志望動機】
私はこの就活をとおして自分が大きく成長したと感じています。これまで私は周囲から「“姉御肌”で頼りになる」と言われ、相談されることが多かったのですが、就活がはじまってからは、逆に周囲の人を頼ってたくさん相談するようにしていました。その結果、アドバイスをもらえるありがたみを知ることができ、日々改善しながら自分の力に変え、少しずつ成長していると実感しております。そうした経験を重ねるにつれ、今後は自分の強みを活かして、就活や転職に向けて頑張る方々の力になりたいと考えるようになりました。
御社は、人材会社の中でも特に新卒部門に力を入れており、『○○』というサービスではキャリアアドバイザーの方が、就活生と個別面談でアドバイスをされています。私も利用させていただきましたが、数値で根拠を示しながら業界のことを教えてくださったり、話し方のクセを指摘していただいたりと、具体的なアドバイスがとても心強いと感じました。私ももし入社することができたら、孤独を感じている就活生を励ましながら、志望企業の内定獲得まで導き、「相談して良かった」と思ってもらえるように頑張りたいと考えております。
いかがでしたか? 「人の役に立つ仕事がしたい」と思ったとき、さらに考えを深める方法を理解していただけたでしょうか。
志望動機を考える際に注意すべきポイントは、企業から見て「この人を採用したらどんなメリットがあるか」「入社したら利益をあげられそうか」といった具体的なイメージができる内容になっているか、ということです。ぜひ参考にしてみてくださいね。
JOBRASS編集部一同、みなさんの就活を心より応援しています!
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