就活生のみなさんは、『IoT』と聞いてすぐにピンときますか? 『IoT』とは、Internet of Thingsの略、つまり「モノのインターネット」という意味です。近年、この『IoT』に対する関心が高まっており、様々なメディアで盛んに取り入れられるようになってきました。
『IoT』を簡単に説明すると、モノにセンサーを組み込みネットワークに接続して、離れた場所でデータを収集・処理する技術です。2020年には500億を超えるIoTデバイスがインターネットに接続され、身の回りにある多くのモノが繋がると言われています。
例えば、冷蔵庫。『IoT』の活用によって、外出中でも冷蔵庫にある食材の消費期限をスマホで確認できたり、中にあるものだけで作れる料理を教えてくれたり、足りない食材を自動でオンライン注文できたり……そんな時代がすぐそこまで来ています。
冷蔵庫だけではありません。『IoT』によって、あらゆる業界が変革の時を向かえようとしています。「人がいなくてもいい」世界から、さらに「人の限界を超える」世界を、どのように生み出しビジネスに活かしていくのか……。それは将来、あなたがどの業界にいたとしても、きっと無関係なことではありません。
そこで今回は、この『IoT』を使って実現したもの、または開発されつつあるもの、まだアイデアの段階のものなどの例をたくさん集めてみました。これから働くみなさんも、ぜひまだ見ぬ世界に想像力を働かせて、就活での志望動機やグループディスカッションのアイデアに役立ててくださいね。
それではここから、『IoT』に関する16の活用例をご紹介します。
エアコンをスマートフォンと連携
……これまでなら帰宅したとき、夏は汗だく、冬は震えながら家に入るというのが普通だった。しかし『IoT』によって、最寄り駅に着いたあたりでエアコンの電源が自動でONになり、家主が帰宅する少し前から部屋を冷やして(あるいは温めて)おくことができる。
人形にマイクとスピーカーとWi-Fiを取り付け、子どもと会話できるようにする
……子どもが話しかけると、その音声データが情報処理センターに送られ、話している内容に合わせて最適な返事を生成し、そのデータが再び人形に送られる。子どもの個性に合わせ、人形のパーソナリティが形成されるため、楽しく会話できるようになり、やがてかけがいのない存在となれる可能性がある。
レンタカーと駐車場からデータを収集し、クルマを短時間単位でシェアする
……スタッフがいる大きな店舗まで行って、受け渡しや返却をする手間がなくなり、街中いたるところにある専用の駐車場で出来るようになる。管理側は、運転データやレビュー機能などで利用者の行動を可視化することで、管理コストを抑えられる。
公衆トイレにセンサーをつけ、リアルタイムでデータを集約する
……利用者(匿名化)の排泄物から血中アルコール濃度や薬物、感染症などを把握することができる。感染症の広がりや危険な犯罪が起きる兆候はないのか、早い段階で判断し、防ぐことができるようになる。また、清掃スタッフを派遣するのに最適なタイミングを計ることができる。
学校や企業・公共機関のオンラインコミュニティで共有
……その学校がいま全体としてどのくらい健康なのか、感染症の流行などをいち早く察知できるようになる。自分の子どもの熱を計るだけではなく、学校に通わせても問題がないかがわかるようになる。
選手のあらゆる行為をデータ化
……リストバンドなどを装着することにより、人間が記録しきれないデータまでをリアルタイムで解析できる。監督は、選手一人ひとりのコンディションなどを見ながら、試合中の戦略などに活かすことができる。
炎天下で働く作業員にセンサーつきの肌着を着てもらい、体調を管理
……作業員の心拍数や発汗をモニタリングして、熱中症などのリスクを回避。わずかな管理コストで、重大な事故につながる可能性を抑制できる。
スマートフォンアプリで解錠・施錠
……誰がどの鍵を開けられるか設定したり、どのカギがいつ開けられたという情報をリアルタイムで確認したりできる。特に、個人宅の民泊やシェアオフィスでは、カギの管理が大きな課題だったため、受け渡しがなくなるとメリットが大きい。
看板広告にカメラを内蔵し、それを見る通行人に合わせて表示内容を変える
……「笑顔を見せる」「立ち止まる」などの行動を把握し、フィードバックして自ら改善していける。それぞれの地域の人たちの好みに合わせて広告を変え、長期的に進化し続けることによって、人件費などのコストを削減できる。
血圧計や電子聴診器など身体の症状や行動に関するデータを、通信ネットワークで1か所に集約する
……介護に携わるための知識を持つ人は貴重だが、高齢化社会で人材不足が大きな課題となっている。そこで、患者の様態や行動をデジタル化・共有することで、今よりも効率的に介護を行えるようになる。
電車の各車両にセンサーをつける
……各車両の重量を感知し、混雑率を把握することによって、電車を止める際にブレーキの最適な制御を行うことができる。また乗客は、車両内の気温や混雑状況をリアルタイムで把握できる。
赤ちゃんの足首にアンクレット型の機器を装着し、スマートフォンにデータを転送する
……心拍数や対応、体の動きと向きを把握し、赤ちゃんがいつ起きるのか予測できる。それにより、母親は「まだ起きないようだから先に掃除しておこう」など、家事を効率的に行える。また、赤ちゃんの状態に合わせて、部屋の温度や湿度、明るさなどを自動調整できるようになる。
店舗に設置された洗濯機と乾燥機から、稼働状況のデータを収集する
……近年、コインランドリーは需要が増え続けているにも関わらず、経営の手間がかかるという課題があった。しかし、各店舗における売上実績や機器のトラブル情報、利用者の動向分析ができるようになるため、少ない手間で全体が把握できるようになる。たとえ遠方でも経営が可能となるため、さらに市場拡大できる可能性がある。
牛に無線ICチップを着け、一頭ごとの搾乳量管理や万歩計を使った運動量を把握する
……5000頭近い牛を飼育しながら、1頭ごとに乳量のピークや繁殖に適した時期を正確に把握するのは難しい。しかし『IoT』によって、牛の健康状態や繁殖時期を正確につかむことができるため、先を見据えて計画的に生産性を高めることができる。
車のワイパーにセンサーを取り付け、使用状況データをリアルタイムで取得する
……ワイパーがどのくらい劣化しているのか把握できるので、修理業者が店舗に近づいたドライバーに対して「交換○%OFF」などの宣伝ができる。それだけでなく、多くのクルマがワイパーを使っていれば、その地域に雨が降っているということがわかるため、付随して新たな価値が生まれる。
ジェットエンジンの機器に無数のセンサーを組み込み、大量のデータを収集・分析する
……小さな不具合でも迅速に発見し、重大事故を防ぐことができる。また、将来的に発生する異常を予測し、計画的なメンテナンスが可能になるため、稼働率を高めることができる。
『IoT』が当たり前になる世界が、少しずつイメージできるようになったでしょうか?
昔は夢のようだったことも、今は沢山の人がスマートフォンを持つようになったこともあり、現実に商品化されるものも増えてきました。今後も各企業がより良い商品やサービスを開発し、さらに便利な世の中になっていくはずです。
今回は記事の都合上、専門的な説明は割愛させていただきましたが、興味のある方はさらに調べてみると、他のライバルの就活生から一歩リードできるかもしれません。ぜひこれまでの常識にとらわれず、若い柔軟な感性で新しい価値を生み出していってくださいね。
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