勉強や就活の合間に、気軽に気分転換できるゲーム。近年では、スマホの出現で常にゲームで遊べる機材が手元にあるようになりました。ゲーム業界は、これからも発展していく業界です。ゲーム業界の最近の動向はどういったものでしょうか。どんな企業があるのでしょうか。志望動機はどのように書けばよいでしょうか、考えてみましょう。
(※こちらの記事は、2016年4月28日に公開したものを更新しています。)
ゲームというとボードゲームやサッカーやテニスといった相対して行う球技のことも含みますが、ゲーム業界という時にはコンピューターゲームやビデオゲームのようにハードとソフトを必要とするゲームの業界を指します。ゲーム業界は、使うハードによって4つのセクターに分けられます。
1. アーケードゲーム:ゲームセンターなど、大きなゲーム機を使う
2. コンシューマーゲーム:Switchやプレイステーション、VRゲームといった家庭用ゲーム機を使う
3. PCゲーム:CDを買ったり、ダウンロードしたりして使うオフラインゲーム、インターネット上で遊ぶオンラインゲームがありますが、パソコン上で使うゲーム
4. モバイルゲーム:携帯電話やスマートフォン、タブレットといったモバイル端末を使うゲーム
ゲーム会社には、コンシューマーゲーム用のハード、ゲーム機をつくっている任天堂やソニー・コンピュータエンタテイメントのような会社とゲームソフトを専門に開発する会社の2タイプがあります。ゲームソフトを開発すると言いましたが、ゲームソフトを開発する会社と販売会社が別になっていることもあります。もちろん、すべての機能を自社内で持っている会社も多くあります。志望先の企業が、どこまでを扱っているかは確認しておきましょう。ソフト開発では、高性能パソコンベースで開発し、家庭用ゲーム機からモバイル端末までマルチなハードに対応できるソフトをつくるマルチプラットフォーム開発が主流になっています。
ゲームのジャンルには、各地の文化や歴史を扱うもの、スポーツ系ゲーム、RPG、伝統的なボードゲーム、パズルゲームなど、多様なものがあります。開発会社によっては得意分野がありますので、その傾向も調べておくと、自分の適性と合った、マッチする志望先を選びやすくなります。
ゲーム業界の市場規模は1.5兆円を超えており、拡大傾向にあります。コンシューマーゲーム機や専用ソフト、アーケードゲーム業界は縮小傾向にありますが、オンラインゲームは堅調で、モバイルゲームが急成長しているので、市場全体としては拡大しているのです。
モバイルゲーム市場は、スマートフォンの普及につれて急成長しています。基本的にアプリをダウンロードして使用しますから、世界中どこからもダウンロードできるのが強みです。2017年に世界ランキングで第3位に入った「モンスター・ストライク」や6位の「Fate/Grand Order」は、日本発で世界ヒットしたゲームです。ヒットゲームは、開発会社の業績に直接影響するだけでなく、マーケット拡大の起爆剤になります。
ゲーム業界の代表的な企業は以下のようになっています。
1. ソニー(ゲーム&ネットワークサービス):1兆9,438億円(2017年時点)
ハードであるプレイステーションメーカーで、専用のコンテンツをはじめ、マルチなゲームコンテンツを開発・販売しています。2016年にはスマホゲームへ本格参入しています。
2018年5月に発表された「中期経営計画(「第三次中期経営計画」)」によると、年間の売上が1兆円を超え、月間アクティブユーザー数が8,000万を突破し、世界有数のネットワークサービスとなった「プレイステーション ネットワーク」(PSN)を一層成長させることを、成長戦略として発表しています。
また、「プレイステーション ヴィーアール」やクラウドゲームサービスの「プレイステーション ナウ」、映像の「プレイステーション ヴュー」や「プレイステーション ビデオ」、音楽の「プレイステーション ミュージック」の強化も発表しており、ゲーム事業にとどまらない成長計画を立てています。
2. 任天堂:1兆55億円(2017年時点)
Nintendo Switchのようなハードをもち、ゲーム業界を代表するグローバル企業です。世界で売上1300万台を突破したSwitchのように、世界的に爆発的に売れる大ヒット商品を生み出しています。
こちらも近年ではスマホゲームに力を入れており、『Super Mario Run(スーパーマリオ ラン)』た『どうぶつの森 ポケットキャンプ』などヒット商品を生み出しています。
「スーパーマリオ」を扱ったアニメ映画の企画開発を開始することが発表され、こちらも幅広い事業に挑戦しています。
3. バンダイナムコホールディングス:6,783億円(2017年時点)
トイホビー、アーケードゲームやアミューズメント施設も持ち、家庭用ゲームソフトやネットワークコンテンツも展開している総合ゲームメーカー。
2018年以降の中期計画として、国内にとどまらず海外事業の強化を発表しています。欧米でのネットワークコンテンツや家庭用ゲームの拡大や、重点地域として中国市場での本格展開を行うそうです。
4. セガサミーホールディングス:3,236億円
コンシューマーゲームやアーケードゲームに強い総合メーカーです。
特にアーケードゲームでは『Fate/Grand Order Arcade』や『オンゲキ』などが業界内外で注目を集めています。
デジタルゲーム事業では、「ファンタシースター」「ぷよぷよ」などに続く、次世代タイトルの開発を強化することを経営企画で発表しています。また、こちらもアジア圏を中心とした海外デジタルゲーム市場に注目しており、各社、海外戦略を検討するゲーム業界企業が増えていることがうかがえますね。
5. コナミ:2,395億円
ゲームだけでなく、スポーツ事業も手掛けており、多角経営で安定した会社です。
注目すべきはeスポーツへの取り組みです。
ゲームをスポーツ競技として捉えるeスポーツは、米国やアジア等を中心に盛り上がりを見せており、大会の観客や視聴者数はリアルなメジャースポーツに匹敵するほど注目されています。KONAMIでは「ウイニングイレブン」シリーズの世界選手権をはじめ、国内外で数多くの選手権を開催しています。
志望する際にはぜひeスポーツ事業にも注目しましょう。
ゲームをつくるということは、何もない所から一つの作品をチームで作り上げていくというクリエイティブな職業です。比較的平均年齢が低く、実力主義の業界でもあります。ひとつヒットが出ると大きく変わる、夢のある業界でもあります。ゲーム業界で、どのような仕事がしたいのかということを、志望動機に入れましょう。ゲームが好きだからだけではなく、なぜ好きなのかを伝えましょう。
内定を獲得した先輩方の志望動機例を挙げておきます、参考にしてみてください。
■ソニー・コンピューター・エンターテイメント
「私は、日本のゲームを通じて、世界中の人々に夢と喜びを伝えたいと思い、御社を志望いたしました。御社のプレイステーションは、世界中で愛されているのをゼミの実習で行った国々でも実感しました。自分の携わった作品が世界中に流通し、楽しんでもらえる可能性があるという点に魅かれました。」
■任天堂
「私は任天堂のゲームをしながら育ちました。日本でゲームといったら任天堂だと思っています。アメリカの友達の家に行った時に、Nintendoのゲームがあり、一緒にゲームをしながら仲良くなることができました。マリオの話をするだけで、アメリカ人と思い出を語り合うことができました。憧れの任天堂で、遊びたいと多くの人が思うゲームを作る手助けをしたいと思い志望しました。」
■バンダイナムコホールディングス
「人に感動や喜びをあたえるものをつくりたいと思いゲーム業界を志望しました。御社の、キャラクターを知的財産としてとらえ、豊富なキャラクターIP戦略をとられているところに魅力を感じました。ゲームはグラフィック、映像、音楽、ストーリーなど様々な要素を含んだ総合エンターテイメントですが、キャラクターはその主役である一方で、ゲームの世界を飛び出して色々な局面で活躍する可能性をもっています。私も、そういったものを作りだす側になりたいと思います。」
■コナミ
「昔からコナミのタイトルをプレイする機会が多く、予想を超えたわくわくするような展開に夢中になっていました。事業幅が広く、近年ではeスポーツのような新たなジャンルの事業を展開している点も魅力的だと感じました。将来的にオリンピックの種目になる可能性もあるeスポーツを国内外に広め、日本のゲーム業界のすばらしさを世界中に広める仕事をしたいと思い、志望いたしました。
■セガサミー・ホールディングス
「私は、大学でプログラミングを学び、学んだことを活かせる仕事がしたいと思ってきました。ゲーム業界を目指したのは、日本でのゲームというコンテンツの社会的地位を高めたいと思っているからです。ゲームクリエイターが人気の職業である国もありますが、日本はゲーム大国である割に、評価が低いのではないかと思います。この状況を、変えるような仕事がしたいと思い、志望いたしました。」