残業が多く、祝日も関係ないサービス業やマスコミなどと違い、有給休暇取得率が高いといわれるメーカー。実際にはどうなのでしょうか? JOBRASS編集部では、メーカーに勤める会社員、226名に長期休暇の取得状況を聞いてみました。
【メーカーは他業種に比べて長期休暇を比較的取りやすい、と思いますか?】
・思う 56.6%
・思わない 43.4%
大手も多いメーカーでは、福利厚生や労働組合がしっかりしているため、休みをとることを積極的に推奨している会社も少なくありません。また、人数が多いため、自分がいなくても誰かが代わりに仕事をしてくれるといったメリットもあります。
その他、サービス業ではないメーカーには、工場の生産スケジュールがあります。機械も、一度止めたらなるべく長く止め、動かしたらなるべく動かし続けたほうが効率がいいという事情があるため、GWやお盆などは、全社的に長期休暇にするメーカーも多数(ただし休みになるのは工場だけで、営業は関係ないという企業も少なくありません)。
1)福利厚生・労働組合がしっかりしている「休みをとってもいいという雰囲気」
・会社・労組ともに、年休取得に熱心で、そういうとり易い風土があった(男性・65歳)
・制度がしっかりしている(男性・60歳)
・福利厚生がよい(女性・42歳)
・組合がある(男性・46歳)
・全社ですすめているから(男性・50歳)
・会社内でそういう雰囲気になっているから(男性・34歳)
2)人がいっぱいいるため自分の代わりがいる「休みをとることに、罪悪感を持ちすぎなくていい」
・人が多くいるのでカバーしてくれる人がいる(男性・71歳)
・代わりの人間がいくらでもいるから(男性・37歳)
・複数のメンバーで対応できるから(男性・53歳)
・会社の規模にもよるが、よほど重要なポストについていない限り一人くらい休んでもダメージはないから(男性・45歳)
・会社の規模が大きいと、その分人的にもシステム的にも余裕があるので、一人抜けてもその穴をカバーしてもらいやすい(女性・39歳)
3)工場をもつため「製造スケジュールがあり、休みをとる期間も計画立てしやすい」
・工場に合わせた休みがある(女性・51歳)
・生産をまとめてやるため、休日出勤もあるがその分長期休暇が取れる(男性・65歳)
・生産ラインを止めるときはある程度の期間まとめて止めたほうが良い面があったから(男性・49歳)
・生産スケジュールを立てることができるので、休日も同様に確保できやすい(男性・65歳)
一方、「休みをとりやすい」とは思わないんですけど……というメーカー社員の声は?
1)工場があるため「縛られる」
前述では、工場の生産スケジュールがあるため長期休暇になるという声を紹介しましたが、メーカーによっては365日工場を動かし続けているところもあります。そこでの事情は真逆。休みを取りづらくなってしまいます。
・製造ラインが有るから(男性・43歳)
・365日24時間稼働しているから(男性・58歳)
・年中稼働しているため技術系は休みを取りづらい(男性・63歳)
・製造の予定があることや保守には休みがない(男性・65歳)
2)お客様ありきなので……
取引先に合わせて考えると、営業には関係ないというメーカーや、工場も休めなくなるというメーカーもあります。
・営業職だったから(男性・62歳)
・顧客ありきのスケジュール(男性・64歳)
・顧客思考(男性・71歳)
・顧客あってのメーカーなのでできるだけニーズに合わせる必要があるのでどうしても長期休暇は困難になる(男性・62歳)
・取引先が営業している日は休めない(男性・49歳)
・納期が決まっているため(男性・52歳)
3)他の人に迷惑がかかる
大企業や、ポジションによっては「代わりの人がいる」場合もありますが、小さいチームで仕事をしていると、自分の代わりがいないという場合も。
・チームで仕事をしているから(男性・61歳)
・従業員が多くなかったため(男性・48歳)
まとめると、
・大手の場合、組合や福利厚生がしっかりしており、企業風土としてとりやすい傾向がある
・工場の都合でGWやお盆、年末年始は長期休暇になるところがあるが、反対に365日稼働する企業や職種も(保守など)あり、メーカーだからといって必ずしも取りやすいわけではない
ということで、企業によって実情はかなり異なりそう。メーカー志望で、休みが気になる人は、職種とその休みの取得状況について、実情を調べてみたほうがいいかも?
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年3月10日~2016年3月15日
対象:メーカーに勤める会社員 計226名