子供のころから親しみのあるお菓子。おまけが欲しくて買い集めたり、大好きなお菓子を大人になったら大人買いするんだと思ったり……。誰しも、お菓子に関する何らかの思い出を持っているのではないでしょうか。就職を考えた時に馴染みの深い業界、大好きな業界に就職したいと思う人も多いようです。また、食は欠かせないものなので、食品業界は景気に左右されにくいという面もあり、食品メーカーやお菓子メーカーは就活生に人気の業界となっています。そんな食品メーカーから内定をもらえる志望動機は、どういったことに気をつけて書いたらよいでしょうか。考えてみましょう。
(※こちらの記事は、2016年3月24日に公開したものを更新しています。)
大好きなお菓子や大好きな食品、それを作っているからこのメーカーを志望したいという方もいらっしゃるかもしれません。それは、とっかかりとしては間違っていないと思います。好きを仕事にするのは、幸せなことですから。ただ、志望メーカーの製品が好き、は最低条件です。同じメーカーを志望している人のほとんどは、そのメーカーの作っている製品が好きなはず。あなたの好き、を周りの人の好きとは一味違うものにするために、つまり、採用相手に好きなんだという気持ちを伝えるためには、あなたの好きな気持ちを整理して熱意をわかってもらうしかありません。なぜ、好きなのでしょうか、どういう経験から好きになったのでしょうか。あなただけの好きの理由があるはずです。そのオンリーワンの部分を整理してください。
■チロルチョコの例
私は御社の商品への取り組みにとても興味を持っています。
元々チョコレートは好きだったのですが高校生のとき、友人から、私の大好きなペットの写真が入った
オリジナルパッケージのチョコレートをもらいました。
それこそがまさに御社の企画である「DECOチョコ」だったのです。
友人が私のことを考えてくれてプレゼントしてくれたチョコレートは、大げさではなくとてもおいしかったのが印象に残っています。
友人が資格を取得した際のお祝いには、お返しに自分でデザインしたイラストの「DECOチョコ」を送ったほどです。
また、チロルチョコはコンビニやスーパーなどで新商品を発見する楽しさや、
その価格の安さから老若男女問わず手に取りやすく「買いたい」と思わせる、
愛される魅力を持つ商品だと考えています。
消費者に「おいしい」という価値を提供するだけではなく、
「嬉しい」や「楽しい」などを共有できる小さな感動の提供を進めているチロルチョコという商品、
そしてその魅力を支えている御社の考え方に共感し、今回志望いたしました。
志望企業の商品名を出して、その商品とのエピソードを書くなら、他の企業ではなくてなぜその企業を志望するのかという理由に説得力が出ます。同時に、その企業の企業風土や企業理念といったものに対する共感も出すことができます。こういった経験がなくても、自分の大好きな商品があるなら、その商品にまつわる自分なりのエピソードを整理して、志望動機に織り込むことができます。大好きな商品を食べてみるだけでなく、パッケージもよく観察し、研究してみてください。あなたが好きな理由を客観的に訴求できるものを見つけることができるのではないでしょうか。
「○○が好きだから、御社に入りたい」という熱意を伝えられたとしても、それだけでは、だから何? といわれてしまいます。志望先でどういったことをしたいのか、仕事として、あるいは社会人としてどういったことをしたいのか、就職後のビジョンを考えて、志望動機に入れるようにしましょう。ビジョンを考えたら、そのビジョンを検証してください。まず、それは本当に自分がしたいことなのか、自分の適性とあっていることなのか? そのビジョンは、業界研究、企業研究をして自分なりにまとめた志望先企業で実現可能なことだろうか? という2点から、見直しをしてください。そのために、自己分析と、志望先の業界・企業研究は必須です。ただ、これらがマッチしていないと、就職した後に自分が不幸になってしまうかもしれません。今、きちんと考えておきましょう。
ビジョンを考える際に、もう一つ考慮に入れると良いことがあります。それは、志望先企業の企業理念です。特に、食品メーカーの多くは、企業理念をわかりやすくしたスローガンのようなものがあるところも多いです。作っている商品群と関連している場合もありますし、お菓子・食品メーカーの企業研究をする際には、商品やスローガン、企業理念を含めて研究してみてください。企業理念の一例を挙げてみます。
・東ハト :「最高の品質でユニークな価値のある製品を提供し、お客さまによい驚きと笑顔をもたらす存在になる。」
・梅林堂 :「人と人の心をつなげるお手伝いを。」
・ヤマザキ :「良品廉価・顧客本位の精神で品質と製品、サービスをもって世に問う」
・森永製菓 :「おいしく たのしく すこやかに」
・明治 :「明日をもっとおいしく」
・江崎グリコ :「美味しさと健康―おいしさの感動を 健康の歓びを 生命の輝きを」
・ブルボン :「美味しい笑顔の真ん中に」「おいしさ、思いやり、いつもいっしょに」
志望動機を書く際に、気を付けたいこと、考慮したいことを見てきました。実際に内定をもらった先輩の志望動機例を挙げておきます。参考にしてみてください。
◆ブルボンに内定したAさん
「お菓子にはおいしさだけではなくて、家族のコミュニケーションを盛り上げるきっかけづくりになる力があると思います。私の父は、単身赴任をしていましたが、帰ってくるときには必ずお菓子をお土産に持ってきてくれました。そのお菓子を食べながら赴任先の話を家族みんなで聞く、というのが私の原風景の中にあります。お菓子の力で、家族間が疎遠になったり、寂しい思いをする人を減らし、笑顔を増やせると思います。その観点から、御社の「美味しい笑顔の真ん中に」というスローガンに強く共感しました。また、年間300種類もの新商品を作ることができる商品開発力や多数の営業拠点をもっていらっしゃることにも惹かれました。より多くのコミュニケーション拠点を作る、コミュニケーションの輪を広げる仕事をしたいと思います。」
◆江崎グリコに内定したKさん
「私は、日本だけでなく世界中で多くの人に笑顔を届ける仕事がしたいと思っています。タイのセブン・イレブンでの就業体験時に、御社の商品が現地でも、パッケージや味を変えつつ、親しまれているのを目の当たりにしました。日本からの観光客も手に取って笑顔になっていました。お菓子を通して、日本だけでなく多くの人々に直接的な形で貢献できると思います。私は、サークル活動やインターン、就業体験などを通して、大切な仲間とともに、目標を立てて挑戦し、努力し、達成をする経験を積み重ねてきました。御社の総合コースで多くの人と出会い、多くの職種を経験する事で将来携わりたい商品開発業務に求められる広い視野を持った人間になりたいと思っております。」
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