最近では採用人数を減らすなどのニュースも出ており、来年度も就職への倍率の高さが予想されるメガバンク。そんな難関のメガバンクの志望動機を書く際に、どういったことに気を付けたらよいでしょうか。説得力のある志望動機にするために、気を付けたいポイントはどんな点でしょうか。考えてみましょう。
(※こちらの記事は、2016年3月8日に公開したものを更新しています。)
メガバンク志望者が必ず聞かれること、志望動機の中で説明しなくてはいけない2つの質問があります。
1. なぜメガバンクで働きたいのか
2. 他のメガバンクではなく、そのメガバンクで働きたいのはなぜか
これらの質問に答えられる志望動機を書くためには、まず業界研究、そして企業研究をしっかりする必要があります。メガバンクで働きたい理由を明らかにするには、3段階の考え方を踏まなくてはなりません。まずなぜ金融機関なのか、そして他の金融機関ではなく、なぜ銀行なのか、銀行の中でも地銀や政府系金融機関ではなく、なぜメガバンクなのかという3段階です。この3段階を矛盾しないかたちで説明できなくてはなりません。
「地元の経済に貢献したい」と言いながらメガバンクを志望するなら、地方銀行や信用金庫に行くように言われてしまいます。
2つ目の質問、メガバンクと言われる銀行の中でそこを選んだ理由を明らかにするには、メガバンクそれぞれの特徴を押さえておかなくてはなりません。また、それぞれの違いを知った上で志望先を選ぶなら、働き始めた後でのミスマッチングを防ぐこともできます。
1996年に始まった金融ビッグバンの結果、金融再編が進み、都市銀行は合併を繰り返し、メガバンクが誕生しました。「三菱東京UFJ銀行」「みずほファイナンシャルグループ」「三井住友ファイナンシャルグループ」と3つのメガバンクがあります。それぞれの銀行にはどういった特徴があるでしょうか。
1. 三菱東京UFJ銀行:日本最大の銀行
2006年に東京三菱銀行(東京銀行と三菱銀行が1996年に合併)とUFJ銀行(2001年に東海銀行、三和銀行、東洋信託銀行が合併)が合併した銀行です。合併前の地盤がそれぞれ首都圏、東海圏、近畿圏と3大都市圏にあり、バランスよく日本全体をカバーする国内最大のメガバンクです。従業員数も10万人を超えています。タイのアユタヤ銀行を買収するなど海外への進出も積極的です。就活生の人気ナンバーワン企業に選ばれることも多い企業です。
2. 三井住友銀行:利益率・収益率の高い銀行
2001年に住友銀行とさくら銀行(1990年に三井銀行と太陽神戸銀行(太陽銀行と神戸銀行が1973年に合併))が合併してできた銀行です。3大メガバンクの中では最も営業経費が少なく、利益率・収益力が高くなっています。従業員数は6.8万人。いち早くインターネットバンキングを始めたり、投資関係のリテールバンキングに強みを持っていたりといった特徴もあります。海外進出という点では、インドネシアのBTPN銀行に出資しています。就活の際の希望部署に配属される率が高い、就活生に平等な銀行という面もあります。
3. みずほ銀行:経営基盤の安定した銀行
1999年に日本興業銀行と富士銀行、第一勧業銀行(1971年に第一銀行と日本勧業銀行が合併)が合併した銀行。日本で最初に作られた銀行、政府系の銀行を母体にしており、経営基盤のしっかりした銀行です。メガバンクの中で唯一宝くじの取り扱いを行っているのも、前身から引き継いだ業務です。コーポ―レートファイナンスに強みを持っています。支店数も多く、47都道府県すべてに支店があります。従業員数は5万人超。就活生にも人気のある企業でランキングでも10位以内に入っています。
業界研究、企業研究を行って、そのメガバンクを選ぶ理由を明らかに出来たら、志望動機をまとめましょう。説得力のある志望動機にするために気を付けるポイントは何でしょうか。
志望動機は、自分をアピールする機会です。自分がどのような人となりで、志望している仕事に関してどのように考えていて、なぜ志望しているのかを相手に伝えるチャンスです。一方で、1,000人を超える採用を行うメガバンクの採用担当者は、何万人もの就活生を見ています。作り物はすぐにばれてしまいます。説得力のある志望動機にするためには、自己分析も必要になります。
自己分析は、自分がしてきたこと、自分の特徴、性格を客観的にみることです。自分が志望しているメガバンクで、自分がどういった仕事をしたいのか、どういった貢献ができると思うのかを書き出してみてください。そして、その裏付けとなる経験や特徴を書きこんでください。今までに経験してきたことを絡めて、どういった仕事をしたいかという視点の裏書きを加えるなら、説得力が増します。自分の経験をまとめてみましょう。経験を増やすために、インターンプログラムに参加したり、志望先の支店を働くことをイメージしながら訪問したりといったことをすることもできます。
自分なりの志望動機を書いたら、声に出して読んでみてください。志望動機は、あなたを志望企業に知ってもらうチャンスです。自分の良さを的確に伝えることができていると感じられるまで推敲しましょう。そして、できあがったものを親しい友人や家族に見せてください。自分が伝えたいと思っていることが伝わっているかを、その反応を通してみることができます。客観的な意見をもらうことで、さらに良いものにすることができます。
OB訪問は、企業研究のためにもぜひ行いたいです。自分が行った業界研究や企業研究から得たイメージが、正しいのかどうかを確認することもできます。OBに質問をすることで、自分なりに作った企業観が独りよがりなものに終わっていないかがわかります。就職活動を頑張った後に入ったメガバンクで、これは間違ったと思わないためにも、ここは頑張りましょう。
最後に、志望動機を伝える場は何度かあります。エントリーシートに書くものと、面接で口述するものは、それぞれ作りましょう。媒体が違うのですから、内容や形式は違って当たり前です。エントリーシートは、簡単明快に、なおかつ、興味を持ってもらえるような内容のものにするようにしましょう。引きが大事です。何万ものエントリーシートの中で読んでもらえる工夫を考えてください。
「自分だったら読むかな?」と考えながら書いてみるようにしましょう。面接では、展開を考えてください。相手が聞き続けてくれるような、興味を引きつけられるような展開にすることが重要です。また、自分が志望する動機のロジックが破たんしていないか、というのは必ず確認してください。業界研究、企業研究、自己分析をした内容を整理して、きちんと理屈が通った内容であれば、仮に突っ込まれても慌てることはありません。銀行は信用が第一の企業ですから、採用の際にも、信用してもらえることを第一にしましょう。