朝スマホの目覚まし機能で起きて、スマホでメールをチェックしながら朝食をとり、ダイエットアプリに食べたものを入力。駅まで歩く間も、歩数はスマホが数えてくれていて、電車の中ではスマホでニュースをチェック…生活のどの場面でも、スマホがなかった時代にはどうしていたのか思い出せないほど、なくてはならないものになっているスマートフォン。どのスマートフォンが人気なのでしょうか。スマートフォンのOSの二強、iPhoneとAndroidを比較してみましょう。
iPhoneとAndroidのどちらをお使いでしょうか。シェア状況はどうなっているのか見てみましょう。国際的なリサーチ会社のカンターの発表によると、2015年3月現在でのスマートフォンのOSによるシェア率は次表のようになっています。
日本
iOS:44.6% Android:52.6%
アメリカ
iOS:30.9% Android:64.9%
ドイツ
iOS:15.9% Android:74.7%
イギリス
iOS:36.8% Android:52.5%
オーストラリア
iOS:35.9% Android:56.2%
中国
iOS:21.5% Android:76.8%
世界
iOS:15.0% Android:81.2%
iOS(iPhone)のシェアが世界で最も高いのは日本で、アップル社のお膝元のアメリカよりも高いシェアを占めています。3年前の2012年には、iOS(iPhone)が73.9%のシェアを誇っていました。Android携帯のメーカーは数多くありますが、iOSを使っているのはアップル社だけ、そう思うと日本のスマホ業界はアップル社の一人勝ちといえるかもしれません。
世界でのシェア状況をみると、日本の状況とは全く逆の数字になります。この状況は、どのようにして生まれたのでしょうか。考えてみましょう。
●経済性を訴求したマーケティング
世界では、iPhoneは高い、という認識が実はあります。例えば、トルコでは2200TL(約10万円)、最低賃金の月給のほぼ2倍になります。インドネシアでも、平均月収の2か月分といいます。一方でAndroid携帯は多くのメーカーが参入しているため、10分の1くらいの価格から手に入れることができます。
日本ではどうでしょうか、キャリア会社各社の端末価格を組み込んだプランで、iPhoneが実質0円というのも珍しくありません。それなら、自分のインターネットや通話の使用状況に相応のプランと一緒にiPhoneを買おうという気になります。プランを比べてみると、むしろ、Android携帯の方が、高いイメージがあります。
今では信じられませんが、スマートフォンは、ほんの何年か前に生まれたものです。スマートフォンが従来型のフューチャーフォンにとって代わろうとしている時期に、日本市場に浸透しやすいマーケティングを実現することによって、iPhoneの圧倒的なシェアが確立されたといえるのではないでしょうか。新商品を売り込むためには、まず市場調査を行い、分析をし、市場にあったマーケティング戦略をたて、その計画に沿って企画を作り実行していきます。それぞれの段階で適切な判断がされているかどうかで新商品の浸透度が全く違ってくるというのが、iPhone・Androidの日本と世界でのシェア比較は気づかせてくれます。iPhone・Androidを見ることでマーケティング、リサーチという観点を知ることができるのです。
●日進月歩の新技術
しかし、Androidには強みがあります。それは、Android搭載のスマートフォンを作っているメーカーが数多く、いろいろな新技術を組み込んだ新しい機種が次々と出せることです。国内メーカーのソニーのXperiaシリーズやシャープのAquosシリーズといったAndroid搭載のスマートフォンも数字を伸ばしています。
機能面で比較してみましょう。次表は、2015年第一四半期に日本で最も多く出荷されたメーカー上位5社の最新機種のスペックを簡単に比較したものです。iPhone以外は、Android搭載の機種です。
Apple iPhone 6SPlus | ソニーモバイル Xperia Z5 premium | 京セラ Digno Rafre | シャープ AQUOS ZETA(SH-01H) | Samsung Galaxy Active neo(SC-01H) | |
出荷シェア | 51.1% | 16.6% | 10.5% | 9.9% | 6.1% |
ディスプレイ | 5.5インチ | 5.5インチ | 5インチ | 5.3インチ | 4.5インチ |
RAM/ROM | 2GB/128GB | 3GB/32GB(200GBまでのmicro SDXC対応) | 2GB/16GB(128GBまでのmicro SDXC対応) | 3GB/32GB(200GBまでのmicro SDXC対応) | 2GB/32GB(200GBまでのmicro SDXC対応) |
カメラ | 1,200万画素 | 2,300万画素 | 1,300万画素 | 1,310万画素 | 800万画素 |
重量 | 143g | 180g | 155g | 151g | 154g |
防水防塵 | なし | あり | あり(ハンドソープで洗える機能付き) | あり | あり(超タフネス) |
指紋認証 | あり | あり | なし | あり | なし |
ソニーモバイルXperiaはカメラの画素数において、iPhoneを圧倒しています。
使い方は人それぞれ違いますから、どの機能が必要かも人によって違ってくるでしょう。どのスマホが良いかは、当然、人によって違ってくるので一概に言うことはできません。ただ言えることは、各社が競い合って新しい機能を追加してくれると、使う方にとっては選択肢が増えて喜ばしいということです。
京セラのDigno Rafreは、ハンドソープで洗うことができるといいます。防水機能だけでもすごいと思っていましたが、洗うことができるとは。スマホは手で持つために、気を付けていても油汚れがついてしまうことがありますよね、ハンドソープで洗えたら、簡単に清潔さを保つことができます。トイレに入っているときに、電話がかかってきても、手と一緒に洗えると思ったら安心して話すことができるのではないでしょうか。
防衛企業関係の話だと思っていた指紋認証や生体認証システムが取り入れられているスマホもあります。iPhoneも5Sから指紋認証機能が搭載されています。最初はAndroid携帯の目玉だった指紋認証機能ですが、iPhoneにも搭載されるようになると、今度は虹彩認証を取り入れたAndroidスマホが出てくるというかたちで、その進歩は目を見張るばかりです。
●新技術を支える企業たち
Apple社は2012年に指紋認証センサーを開発していたAuthenTec社を買収し、その後発表された5Sから指紋認証機能が搭載されるようになりました。iPhoneにしろ、Androidスマホにしろ、メーカーであるAppleやSumsungだけの技術で成り立っているわけではありません。
ドラマの「下町ロケット」には、ロケットのキーデバイスの一つを開発し特許を取っていた佃製作所の技術力が描かれていました。企業の大小を問わず、夢を持ってものつくりをする、妥協しなければいつか報われる、と思わせてくれました。スマホでも、夢でしかないと思われた技術を現実のものにするべく技術開発に励んでいる多くの企業のおかげで、シーズン毎に新しい機能が発表されているのではないでしょうか。
●iPhoneとAndroidスマートフォンを形成しているもの
スマートフォンは、機種本体(デバイス)とOSの下で動くアプリから成っています。
デバイスを部品レベルまで落としてみると、約800〜1,000近い部品から成り立っているそうです。タッチパネル、基盤、通信ICやアンテナ、メモリー、イメージセンサー、バッテリー、LCDといったすぐに思いつく部分以外にも、何百個もの部品が200gにも満たない機種の中に入っていて、それぞれに機能しているかと思うと気が遠くなりそうです。
部品によっては、スマートフォン以外の目的にも使われているものがあるでしょう。例えば、基盤はパソコンにも使われています。パソコン用のものとスマートフォン用のものとでは大きさも軽さも全く違ってくるでしょう、そうすると、使われる素材から替えていく必要があるかもしれません。その場合、新しい素材を開発しているメーカーも関わってくることになります。
iPhoneの人気の一つには、アプリの多様性と質の高さがあるといわれています。また、iOS特有のシステムのためにセキュリティ面でもAndroidよりも安全だとか。とはいえ、Androidのアプリも日々新しいものが発表されていますから、使っていて不便を感じることはほとんどないでしょう。どちらのOSでも搭載されているGPS機能や、MAPのアプリは就職活動にもなくてはならないものですよね。
参照元サイト
https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/201507012Apr.html
https://iphone-mania.jp/news-82475/