交通手段として誰にとっても身近であり、だからこそ安定性が高いことでも知られる鉄道業界。鉄道好きに限らず、志望業界としてターゲットにしている就活生は多いでしょう。そのため、鉄道業界は競争率も決して低くありません。内定を勝ち取るためには、早い段階から対策を講じておくことが大切です。
多くの就活生が集まる鉄道業界。エントリーシートや面接では、誰もがその思いを込めて自身をアピールすることでしょう。しかし採用内定を勝ち取ることができるのは、その中のほんの一握りです。そして鉄道業界、特に電鉄系企業に限っていえば、企業数はそこまで多くありません。そのため、やはり他に興味・関心のある業界があれば、併願しておくのが無難でしょう。
もちろん「鉄道業界しか考えられない!」という人もいますし、一つの業界に絞って就活することを間違いとは言いません。何より、理想は誰にとっても希望業界への就職が叶うことでしょう。しかし残念ながら、100%の保証などないのが就活。可能性を広げておくに越したことはありません。
しかし就活本番になってから、広く業界を見ることは難しいでしょう。周囲が内定を得ていく中で、改めて業界研究から始めるのは時間的にも現実的ではありません。鉄道業界に主軸を置くとしても、最初の段階ではできるだけ広く志望業界を検討することをおすすめします。
鉄道業界という揺るぎない第一志望の業界があることは、大きなメリットです。せっかく心に決めた業界があるのですから、早い時期からできる限りの対策を考えて一歩を踏み出しましょう。それではいったい、具体的にどんな対策から着手できるのでしょうか。
・筆記試験対策
まず一つ目は、SPI(適性検査)を含む筆記試験対策です。SPIとはエントリーシートや履歴書、面接などではわかりづらい人物像や基礎学力を見るために利用されるもの。たくさんの企業が採用活動に採り入れてきた適性検査となっています。単なる筆記試験と違い、単純な学力だけを測るものではありません。あくまでもその人の適性を見るための検査であることを認識しておいて下さい。
SPIにはテストセンターで行うペーパーテスト方式と、自宅などからでも受検できるインターネット方式などがあります。ペーパーテスト方式では事前にIDを取得しなければならず、スケジュールに合わせて会場の予約などの準備も必要です。志望する企業のSPI日程を確認したら、早いうちから行動を開始しましょう。そうすれば、受検日が近づいてから慌てずにすみます。
SPIは一般教養試験と違い、内容が「性格検査」と「能力検査」に分かれています。一般常識テストの多くが時事問題や教養、一般的な社会常識などの知識を問われるのに対し、SPIは職務を遂行するために必要な言語や数的理解といった基礎能力を見るものです。志望企業の選考にSPIが含まれているのであれば、自分が持っている能力を出し切るためにも、出題形式や回答時のパソコン操作などに慣れておくと良いでしょう。
・作文対策
鉄道業界においても、採用選考に採り入れている企業の多い小論文。しかし、中には「小論文苦手だ」という学生もいることでしょう。小論文は、いきなりすぐ思い通りの文章を書けるものではありません。読み手に分かりやすく、必要なことが正しく伝わる小論文を確認は、やはり練習が必要です。対策方法として、本を読んだりニュースを見たりといったことが挙げられます。特に鉄道業界に関する時事ネタは、しっかりチェックしておきましょう。その際、自分の感じたことや考えを書いてみましょう。当然、小論文では文字数が指定されているはずです。400字程度の少ない文字数から1000字といった文字数まで、幅広く練習しておきましょう。そして、先生などに添削してもらうことで、だんだん整った文章が分かってくるはずです。尚、誤字・脱字や文法、起承転結をつけた文章構成などは、小論文を書く上で最低限のこと。事前に勉強しておきましょう。
・インターンシップ
インターンシップはすべての企業が実施しているわけではなく、必ずしも志望企業で経験できるものではありません。しかしインターンシップを受け入れているならば、できるだけ早い時期に参加しておきましょう。インターンシップの期間は半日・1日というものから、2週間、1ヵ月など長期にわたるものまで多様です。あらかじめスケジュールを押さえておいてください。複数回開催されていれば、早い時期に参加することで、実際の就活と重なるなどの事態を防げます。もし鉄道業界、あるいは志望企業でインターンシップが開催されていなくても、「社会を知る」「仕事を知る」という意味では、それ以外の企業でインターンシップ参加することも貴重な経験になるはずです。
鉄道業界では、毎年多くの新卒学生が採用されています。志望先が電鉄会社ならば、その路線に乗ってみることもできるはず。その中で、運転手や駅員などの対応を見聞きすることもできるでしょう。狭き門の人気業界だからこそ、早い段階から対策を始めてください。