社会情勢や政治情勢などに興味や関心を持つことは、社会人として欠かせません。就活を行う学生であっても、社会人予備軍として常に関心を持っておきましょう。就活の面接においても、社会情勢や時事ニュースに関する質問が行われることがあります。そのため、就活対策の1つとしても、ぜひ常日頃から情報収集を心がけておきたいものです。
そのためのツールに、新聞が挙げられます。しかしこれまで、新聞を読む機会が少なかったという方は多いでしょう。就活に生かすための新聞の読み方をご紹介しますので、参考にしてみてください。
面接当日は、準備などで慌ただしく過ごすことが多いでしょう。そのため、出掛ける前に新聞に目を通している時間はないと思われがちです。またそれ以外に、そもそも新聞を読む習慣のない学生はたくさんいます。
しかし企業によっては、面接当日の新聞1面に出るような記事について、面接で質問することがあるようです。そのため、毎日の新聞チェックを欠かさず、特に紙面を賑わすような話題にはアンテナを張っておきましょう。
尚、新聞を購読できれば良いのですが、学生の1人暮らしなどでは状況により難しいこともあります。そのような際には、「日経テレコン」などのようなウェブサイトでも気軽に情報が得られるでしょう。まずは、新聞に興味・関心を持つことが大切です。
また、Uターン就職を考えている方ならば、地元のニュースも情報として知っておきたいものです。あるいは、志望業界等に関わる情報もキャッチしておくと良いでしょう。デジタル版の新聞ならば、移動中などでも気軽に閲覧することができます。
新聞は、ただ紙面を読み込むだけが活用方法ではありません。記事を読むこと以外にも、いくつかの作業を加えることでより効果的に活用することができます。そんな新聞の活用方法は、大きく分けて「スクラップ」「見出しの書き写し」「コラム(朝日新聞『天声人語』など)の書き写し」「社説を読む」などが挙げられるでしょう。それぞれ効果的な方法を詳しく紹介していきますので、実践してみてください。
新聞を読んでいて気になった記事を切り取り、スクラップしてまとめておくことです。しかし単にまとめておくだけではなく、就活に役に立てるには分析が必要です。まず、気になる記事をまとめてみることで、そこから自分が何に興味・関心を多く持っているかが見えてくるでしょう。このことは、就活を行う過程で志望業種に迷いが生じた場合など、自己判断にも役に立ちます。
また、せっかくスクラップした記事でも、そのまま貼り付けただけでは活用しているとは言えません。記事の要点をまとめたり、自分なりの感想や考察を付け加えたりしてみましょう。自分の考えをまとめたり、疑問点に気付いたりといった力が自然に身についてきます。
新聞には、1つの記事に対して必ず「見出し」が付いています。この見出しは、それを読んだだけで記事の概要が分かってしまうほど簡潔です。見出しを書き写すと、まず世の中の動きを知ることができるでしょう。見出しを追っていくだけで、社会で起きている物事が分かり、そこから世の中の大きな動きが見えてくるものです。
また、要点を簡潔にまとめる力を養うのにも役立ちます。面接などでは短時間に自分の考えをまとめ、相手に分かりやすく正確に伝えなければなりません。見出しは記事の要約であると共に、伝えたいことを相手の興味を引けるようにまとめたものです。この作業を続けていくことで、短い文章で自分の意見をまとめる訓練になります。
最近では新聞の活用術が注目されることも多く、高校生などでもコラムを書き写すよう指導を受けることがあるようです。
コラムを書き写すことで、まず語彙力や集中力が身に付くでしょう。しかし、それだけではありません。コラムというものは、新聞社を代表する記者が記した優れた文章です。そのため、書き写しを続けているうちに、自然と文書力や読解力、あるいは言い回しなどの知識が得られます。さらに、コラムには時勢や季節の風情などを反映していることも多いため、時事力や季節の言葉なども分かってくるでしょう。学生ではあまり馴染みがなくても、社会人にとっては常識とも言える内容です。
新聞の社説は、事件や事故の記事だけではなく、新聞各社の意見を発表する場でもあります。選び抜かれた言葉で、しかも端的な表現で書かれた文章。これらを繰り返し読むことで、文章の全般的な書き方やまとめ方が身についてくるでしょう。
また、テーマに即した内容を決まった文章量にまとめる力も、社説を通じて学ぶことができます。就活では作文が課題として出されたり、あるいは志望動機や自己PRなどの記載に文字制限が与えられたりすることが少なくありません。決められた範囲で必要な情報を読みやすく書くことは、就活生にとって是非とも身に付けたいスキルと言えるでしょう。
新聞は身近なようで、学生にとってはあまり縁のないものかもしれません。もちろん、無理に全ての記事を読む必要はないでしょう。主要なニュース、そして見出しなどから興味を持った内容に限定し、まずは読んでみてください。