就職活動を始めると、応募先企業への志望動機を書く機会があるでしょう。これは面接の際にも聞かれることが多く、採用を決定づけるポイントとして非常に重要なものです。
志望動機は企業や職種のみならず、業界への興味・関心にも触れることになります。そのため、業界研究は必須といえるでしょう。社会には数多くの業界が存在しますが、ここでは物流業界にスポットを当てて、志望動機の書き方をご紹介します。
(※こちらの記事は、2015年9月24日に公開したものを更新しています。)
近年でIT業界が飛躍的な進歩を遂げたように、物流業界もまた大きな可能性を持ちつつ、その需要は高まっています。グローバルを始め、業界全体が国内外問わず変化していくことでしょう。
物流の主な仕事は、商品や材料などの運搬です。企業の工場はさまざまな製品を製造していますが、その製品を企業や家庭に運ぶこと、また回収することが必要となります。運搬する際には、破損や紛失、あるいは遅れなどが生じないように、正確性も求められるでしょう。法人のみならず、個人にとっても非常に身近な仕事といえます。
また、運搬業務だけが物流業界の仕事ではありません。営業や企画、事務職といった職種も活躍しています。倉庫管理も、物流業界において必須ともいえる職種です。職種が異なれば、同じ物流業界の中でも、志望動機が異なってくるでしょう。職種の特性を踏まえたうえで、自身の思いや考えを整理しておくことが大切です。
では、物流業界で好印象を持たれるために、どのような点をアピールすれば良いのか。個人の経験や性格などにもよりますが、特に好まれる内容を3つご紹介しておきましょう。
物流業界で仕事のベースとなる商品や材料の運搬は、一体誰のために行われるものでしょうか。商品の運搬は、運搬を依頼する企業の「製品を問題なく届けて欲しい」という思い、そして届ける相手の「その企業の商品を間違いなく届けて欲しい」という思いに応えるものです。この双方を運搬によって橋渡しする重要な役割を担いますので、正確かつ安全に商品を届けるための責任感が求められます。もし運搬中に商品が破損あるいは紛失するようなことがあれば、自社のみならず製造元の企業にまで迷惑がかかるでしょう。
物流といえば、やはり体が資本となる業界です。運搬はトラックなどで運ぶだけではありません。トラックへ荷物を積み込んだり、積み下ろしたりする作業もあるでしょう。位置の狭い場所では、徒歩で運ぶことがあるかもしれません。体力に自信があり、体力面をアピールできることはとても有利になります。
物流の仕事は、一見すると1人で黙々と作業を進めるように思えるかもしれません。しかし実際には、届け先で多くの人々とコミュニケーションを取る仕事です。そのときの印象で、「またこの会社に荷物を運んでもらいたい」と思ってもらうことも、大切になります。また、運搬に限らず営業や事務職などの職種では、当然ながら社内でのコミュニケーションも重要です。周囲の人々と連携を取りながら、効率的に仕事を進めていきます。
物流業界や業務、または求められる能力等について理解したところで、実際に志望動機の書き方を見てみましょう。いくつか例文を挙げていきますので、参考にしてみてください。
「学生時代、引越しのアルバイトや家電量販店のバックヤードで仕事を経験しました。力仕事には自信があり、人とのコミュニケーションを取ることも得意です。引越しのアルバイトで物流の仕事に関わったことで、物流ビジネスに興味を持っています。」
「私の長所は実行力です。私は学生団体に所属していて、そこで講演会係を担当しています。ここで私が目指したのは、学生のニーズを反映して新しい試みを取り入れ、参加者が満足する講演会を成功させることでした。学生に対して1年前からアンケートを実施して、複数の候補者を選出し、交渉を成立させました。チラシや看板などの宣伝に加えて、ソーシャルメディア等も活用することで、400人近い会場は満席となりました。活動の中ではいろいろなトラブルもありましたが、実行力と想像力で対応してきました。これからは社会の中で、私の実行力と想像力を活かして仕事をしていきたいと思っています。」
「私は、東日本大震災の未曾有の事態でも被災地へ物資を届けていた物流業界の仕事を見て、社会における物流の重要性を感じました。地域に密着した物流サービスや、世界に対するグローバル戦略などにも興味があります。これからの物流業界に求められていることを考え、御社の経営理念も学んで、社会の多様なニーズに応えることに貢献していきたいと思っています。」
物流業界と言っても、その分野は多岐にわたります。近年は物流業務が増える傾向にありますが、反面でドライバーによる事故も少なくありません。こうした社会的モラルも考えながら、志望動機を書くと良いでしょう。
さらに、会社が求める人材になれるか、やりたい仕事と現実がマッチしているかを考えます。そのためには、綿密な企業研究が重要です。自分のやりたい事、また、目指したい自分像を明確にすれば、物流業界への志望動機にも説得力が増すでしょう。具体性を持たせれば、より強く自分の思いを相手に伝えることができます。