就活では、ほとんどの就活生が会社説明会に参加します。
会社説明会は事業や職務内容、仕事のやり甲斐など、就職先の会社を選ぶうえで重要な情報を収集する絶好のチャンスです。会社側からの説明を受けることはもちろんですが、自分から積極的に質問することで、さらに豊富な情報を得られるでしょう。
それが、他の就活生と差をつけることにも繋がります。
「何を質問すれば良いのか分からない」という就活生も多いでしょう。そこで、まずは会社説明会ですべき具体的な質問を、いくつかご紹介していきます。
会社の事業内容などをはじめ、客観的な情報はインターネットやパンフレット資料から知ることができます。そのため、こうした内容をわざわざ会社説明会で聞くのは、非常にもったいないでしょう。せっかく会社で働く社員・役員から話を聞ける場ですので、その会社で働かなければ分からない情報を引き出しましょう。例えば、以下のような質問です。
1)仕事のやりがいは何ですか?
2)仕事で一番つらいことと、一番嬉しいことは何ですか?
3)現在の職場にどのような魅力を感じていますか?
4)入社後にギャップを感じたことはありますか?
実際に働いている人々の生の声は、その会社に入社した後の自分をイメージするのに役立ちます。回答を得たら、就活における自分の志向性と照らし合わせてみると良いでしょう。
会社へ実際に入社してみると、就活中のイメージと違っていたということが少なくありません。入社後、イメージギャップに悩む新卒社員は多いのです。そうした事態を防ぐため、事前に入社後のイメージを膨らませる情報を収集しておきましょう。具体的には、次のような質問がおすすめです。
1)配属部署はどのように決定されますか?
2)人事評価のポイントは何ですか?どういう人が評価されますか?
3)社員教育の特徴は何ですか?
4)一日のスケジュールを教えてください
就活における会社選びでは、会社の将来性や事業内容も大きなポイントとなります。場合によっては、同業他社との比較も行うことになるでしょう。そのうえでは、出来る限りリアルな事業情報を知ることが大切です。事業の将来性や業界内における位置付け、競合他社との違い、あるいは今後の事業展開などは、やはり実際に働く社員から聞くことが最も有効といえます。次のような質問で、表からは見えにくい情報を聞き出しましょう。
1)同業他社と比較した時の、御社の強みと弱みを教えてください。
2)現場での仕事を通して、業界はどのように変化していくと感じていますか?
3)この事業の将来性についてどう考えていますか?
会社説明会は、自分以外にも多くの就活生が足を運んでいます。面接と比べると先行的要素は少なく、気持ちのうえでも質問はしやすいでしょう。会社説明会で出来るだけ情報を収集しておけば、その後の選考を受けるか否かの判断にも役立ちます。
質問する際には、いくつか注意すべき点があります。失礼にならないよう、次のようなポイントを踏まえて質問しましょう。
・ポイント1:質問は短く
就活生の中には、質問の前に長々と前置きしている人がいます。これは不要に質問時間を長引かせて、他の学生の質問時間を奪ってしまう行為です。他の就活生はもちろん、企業担当者も含めて、聞いている側も苛立ってしまいます。そのため、質問は要点をまとめて短くするように意識しましょう。
・ポイント2:質問は1つ
よく「~と、~と、~について…」と、一度に複数の質問を投げかける就活生が見かけられます。質問の機会は他の就活生にも平等であり、1人でいくつも質問することは、そうした人々への配慮に欠けます。また、質問に答える側もすべての質問を覚えることは難しく、回答の歯切れも悪くなるでしょう。一度に質問する内容は、1つだけにしてください。
・ポイント3:質問の意図を明確に
質問しようと焦るばかりに、意図を明確にすることが見落とされがちです。「なぜその質問をしようと思ったのか」「質問を通じて何を知りたいのか」という2つのポイントを、相手に理解してもらうように心がけましょう。そうすれば、より具体的な回答が期待できます。質問時間が有意義なものとなるはずです。
・ポイント4:質問は具体的に
漠然とした質問には、漠然とした答えしか返ってきません。逆に具体的な質問を行えば、具体的な答えが返ってくるものです。例えば、「社内の雰囲気についてどう思いますか?」という質問。悪くはありませんが、「社内の雰囲気で、好きだと感じるポイントはありますか?」とすれば、具体性が高まります。相手にとっても、質問に答えやすくなるでしょう。
これら4つのポイントを踏まえ、最後に具体的な質問例を3つ挙げておきます。
<質問例1>
「私は自分のキャリアを築くうえで、成長業界で働くことが非常に重要だと考えています。実際に、仕事を通して業界の成長性を感じる瞬間はありますか?」
この質問は、まず自分がなぜ業界の成長性を気にしているのか、その理由を明確に述べています。そのうえで具体的なシーンを質問しているため、答える側も意図を汲んだ具体的な回答をすることができます。
<質問例2>
「部下を持つとしたら、どのような部下が欲しいですか?スキルとパーソナリティの両面で、1つずつ教えてください。」
この質問は、単純に「どのような部下が欲しいですか?」では終わっていない点がポイントです。スキルとパーソナリティという2つの面を挙げることで、相手がより具体的な人物像をイメージして答えやすくなっています。
会社説明会の質疑応答は、就活生にとって貴重な時間です。もちろん、他の就活生も質問しようと準備しているでしょう。そのため、まずは恥ずかしがらず手を挙げ、質問のチャンスを獲得することが大切です。ただし、説明会の話をしっかり聞き取り、すでに話された内容を質問してしまわないように注意してください。