土日祝が、必ずしも「休み」ではないことが、働く上での特徴のひとつである“サービス業”。あるアパレルショップに勤めるWさん(女性/31歳)は、「勉強とかできなかったので、好きな服飾に携わりたいと思って、就職しました。土日祝が休みじゃないのは、別に……慣れます。それより、会社のなかにずっといて、パソコンとかパチパチ打っているほうが、性格的に無理かも」と笑います。
確かに会社でパソコンを使っていると、いつの間にかキーボードを打てるようになるものですが、反対に、サービス業だからこそ身につくことや、得意になることは何なのでしょうか?
そこで今回JOBRASS編集部では、飲食業や小売、観光、教育、美容などサービス業界にある企業の採用担当者114名に、現在の業界で働くことで、他の業界よりも身につく・得意になるであろうことを教えてもらいました。
多かったのは、コミュニケーション能力。具体的には、「話し方が上手になる」(男性/営業・販売/36歳)、「言葉遣い、プレゼンテーション」(男性/その他/39歳)など、相手の意を汲み取りながらこちら側の思いを伝える、といったことが得意になるという声が大半を占めました。
・コミュニケーション能力がつく(男性/総務・人事・事務/41歳)
・コミュニケーション能力が高くなる(男性/その他/47歳)
サービス業では、相手を不快にさせるのは絶対NG。いろいろな人と話すということもあり、礼儀作法は必須です。
・礼儀作法が見につく。技術が身につく(男性/その他/45歳)
・礼儀(男性/総務・人事・事務/30歳)
飲食店に勤める女性・Rさん(26歳)は、「人への気の遣い方で、印象も変わるもの。例えばどなたかお客様がいらしたときに、私がミスをしたり、不快な思いをさせてしまったりしたら、お店の印象そのものが悪くなってしまう。自分がお店の看板をしょっている、くらいの気持ちで、気遣いに努めています」と話します。
そしてその気遣いとは、「素早く判断し動く」(女性/その他/42歳)と、相手が何を望んでいるかを読み取るだけでなく、判断して動くことができるかどうかまで。行動力も身につけるような努力があって、気持ちのいいサービスを受けることができるのですね。
・気遣い(女性/営業・販売/25歳)
・人との接し方は勉強になる(男性/その他/41歳)
・人に優しくなる(男性/その他/44歳)
・人の心の行間を読む(男性/その他/49歳)
ただ、Rさんは、「クレームをお受けすることもあります。悪かった部分はもちろん謝罪し、改善に努めるようにするのですが、なかには理不尽だな……ということもなくはありません。でも、言い返すのはNG。忍耐力、いったん話を受け止めるキャパが必要になります」とも。その他、「流行りがわかる」(男性/その他/38歳)、「毎日違う人とお話しができるので、楽しいですよ。勉強になることも多いですし、情報のアンテナを広くもつことになるので、刺激は多いです」(Wさん)という声も。
とはいえ、好きなだけでは務まりません。例えば「お酒を飲むのは好きだけど、夜(深夜)働きたくない」という人や、「洋服は好きだけど、他人が着る洋服に興味はない」という人に、サービス業は向かないでしょう。Wさんは、「人に興味をもてるかどうか、というところがいちばんのキモかもしれません。好きであることはベースとして大事ですが、それだけだと続きません」と話してくれました。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年10月13日~23日
対象:企業の採用担当者 計114名