会社のなかにきちんと入って働いたことがまだない学生にとって、「ブラック企業」というのは、ニュースで見聞するばかり。実態がわからないためもあり、戦々恐々とする就活生も少なくありません。
ただし、社会人にしてみれば「そりゃあ仕事があれば残業や休日出勤もあるし、残業代を申請できる残業時間は決まっているから、時と場合によってはサービス残業になることもある。それだけで“ブラック”扱いされるのはツラい」という声や、「結局、好きな仕事や職場だったら、多少のことはガマンできる。イマイチなところに就職してしまうから、些細な不満を“ブラック”としてしまうのでは」という声も。
そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者102名に、「学生から見たらブラックと受け取られてしまうかもな…」と思ってしまう自社の制度や特徴、慣習などがあるかどうかを聞いてみました。
【「学生から見たらブラックと受け取られてしまうかもな…」と思ってしまう自社の制度や特徴、慣習などはありますか?】
・ある 16.7%
・ない 83.3%
アンケートの結果、「ない」と答えた担当者が8割を超えましたが、「ある」と答えた担当者が16.7%いるのも事実。では、どういったポイントが、「学生から見たらブラックと受け取られてしまいそう」なのでしょうか?
やはりというべきか、16.7%のなかでも多くあがったのが「残業」にまつわるものでした。
「サービス残業が余儀なくされることもある」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)、「営業職には残業がつかない」(男性/営業・販売/47歳)などで、転職して今の会社に入ったというKさん(女性/IT系/35歳)は、
「前の会社は残業がそこそこつけられたのですが、今の会社はほとんど出してくれません。会社によって、残業のつけ方とかって違うんですね……。確認すべきでした」
とちょっぴり後悔している様子です。
続いては、給料関係。「拘束時間に対し、給与が低いと思われそう」(男性/総務・人事・事務/40歳)という声や、「インセンティブ給与」(男性/営業・販売/43歳)をあげた担当者も。
インセンティブとは、つまりは“歩合”です。固定給に加えて、成果に応じて支払われるものであるため、やればやっただけという考え方ができる一方で、給料は不安定になりがちです。
その他、
「有給は上手く仕事をこなさないと取りづらい」(男性/営業・販売/39歳)
「離職者が多い」(男性/総務・人事・事務/42歳)
など、有給休暇や離職率をあげた担当者も。
入社してから、自分にとって「ブラック」かも……と思うことのないように、企業研究をするときには、是非残業の程度+残業代の支払われ方や休暇のとりやすさ、離職率なども調査しておくと良いかもしれませんね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:企業の採用担当者 計102名