さまざまな企業で、働き方を見直す機運が高まっています。残業時間ばかりが焦点にあげられがちですが、有給休暇(有休)の取得率にも注目したいもの。
今回JOBRASS編集部では、20代~30代の若手社会人101名に、有給休暇をきちんと取得できているかどうかの実態をアンケート。「取得できていない」という人の割合が「取得できている」という人の割合を若干上回る結果になりました。「取得できていない」という人の理由は何なのでしょうか。また、「取得できている」人との違いとは?
【有給休暇を、きちんと取得できていますか?】
・できている 46.0%
・できていない 54.0%
有給休暇を取得できているという人は、半数を下回る46%。有給休暇制度はあるものの、実際には取得できていないという人の割合が54%と過半数を占めました。
■取りにくい雰囲気
もっとも多かったのは、「なんとなく、取るような雰囲気じゃない」というものでした。
・きまずい空気(男性/公務員/35歳)
・取れる雰囲気ではない(女性/その他/27歳)
・冷たい目で見られる(女性/総務・人事・事務/28歳)
・冠婚葬祭以外は取りにくい(女性/主婦/24歳)
・サボっていると思われる(男性/コンピュータ関連以外の技術職/30歳)
その理由を掘り下げてみると……
■先輩や上司が休まない
「自身の業務量の問題で休んでいられない」(男性/企画・マーケティング/27歳)など、忙しすぎて休めないという声はわずか。最多だったのは、“先輩や上司が休んでいないのに、休む気か?”という圧を感じる、という声でした。結果として、「他の人が休んでいないのに休むのか、という雰囲気」(女性/その他/25歳)が蔓延するようです。
・先輩に気を使う(女性/総務・人事・事務/23歳)
・上司が休まないから取りにくいです(男性/コンピュータ関連技術職/29歳)
・上司が休まない人なのでグチグチ言われる。辞める人のように引き続きをしろとしつこく言われる(女性/総務・人事・事務/26歳)
・繁忙日は避けろと威圧してくる(女性/その他/22歳)
■周囲の人に迷惑がかかる
なかには、「周りの人を考えろ、という暗黙の了解で3連休禁止。取ると査定に響きます」(女性/総務・人事・事務/26歳)という声も……。
・接客業なので、閑散期の希望休は言えますが、土日は基本的に冠婚葬祭以外は出せませんでした。冠婚葬祭の時でさえ、嫌味を言われました(女性/主婦/29歳)
・人数が少ないので休んだら周りが大変になる(女性/主婦/28歳)
・怪我とか家庭の事情で使っている人もいるが、その皺寄せが周りに来るからあまり良い顔はされない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/22歳)
では、取得できるという人とは、何が違うのでしょうか?
■職場として、みんな有休を取っている
共通していたのは、「休みやすい雰囲気」というもの。労働基準の観点から、「休むように」と言われることもあるようです。
・皆自由にどうぞという感じ(女性/その他/35歳)
・取るのが当たり前(女性/主婦/28歳)
・むしろいっぱい取れと言われるくらい、有給休暇に対しては前向き(女性/金融関係/30歳)
なかでも「取得できていない」という人たちと大きく異なったのは、上司の態度や周囲の人たちとの関係でした。
「部長でもマネージャーでも休みたい時に休んでいる。非常に取得しやすい職場です」(女性/金融関係/25歳)という声にあるように、上の人が休むと、休みやすくなるほか、「職場の皆が公平に取得できるよう配慮してくれている」(女性/その他/25歳)と、上司によって、有休を取れるかどうかの雰囲気は大きく左右されそうです。
■迷惑がかからなければOK、助け合う雰囲気ができている
周囲に迷惑さえかけなければ休んでもOKという考えの職場は、休みやすいとの声が複数寄せられました。また、「全く問題ない。お互い助け合っている」(女性/その他/27歳)というように、有給休暇を取得しやすい職場は、“お互い様”という精神があるのかも。
・仕事をしっかりしていれば誰も何も言わない(女性/金融関係/26歳)
・周りに迷惑がかからないようにすればOK(男性/コンピュータ関連以外の技術職/26歳)
・周りの人も有給を取っている。職場関係が良好で、助け合いをするから取りやすい(女性/その他/29歳)
制度として有給休暇があっても、それが取れなかったら意味がありません。また、「取得できている」と答えた人のなかにも、「嫌味を言われた」という声が散見されましたが、どうせなら気持ちよく休みたいですよね。入社してから「休めるかと思ったら休めない……」ということのないように、有給休暇は、制度としての有無だけでなく、社員に話を聞くなどして、リアルな実態を調べたほうがベターです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年4月14日~2017年4月19日
対象:社会人1~2年目の男女 計101名