従業員に長時間勤務やこなしきれないノルマなどの劣悪な環境で過酷な労働を強い、それができないと、パワハラやセクハラを行うこともあるという「ブラック企業」。でも、入社前にその会社がブラックかどうか、どうしたら見抜けるのでしょうか? 入社してから「ブラック企業」だとわかった人の割合と、その対処法は?
誰しもブラック企業では働きたくありませんが、入社しないと気が付かないこともありますよね。JOBRASS編集部では、「入社後にブラック企業だと感じた」ことがある人の割合を調べてみました。
「入社後にブラック企業だと感じたことがある」
・ある 39.8%
・ない 60.2%
なんと約4割の人が、自分の勤めている会社のことを「ブラック企業」だと感じたことがあると回答しています。入社前に会社研究をしたり、社員に話を聞いたり、面接を何度も受けていたりしても、わからないこともあるということが浮き彫りになりました。
入社後、どういうときに自分の働いている会社が「ブラック企業」と感じるかというと、やはり「月100時間残業」のように、負荷がありえないくらい大きいとき。パワハラ・セクハラ被害にあったというケースもあるでしょう。では、就活生はどうやったら「ブラック企業」を見抜けるのでしょうか?
人事畑で18年キャリアを積んできた、ある人事担当者はこういいます。
「その会社での離職率の高さ、過労死の有無は一つの目安です。離職率は、例えば3年で3割、4割の人が辞めていくとか。過労死は言うまでもありませんが、いつの時代の話なのかも調べたほうがいいですね。その後、改善されている可能性もなくはないからです。
会社紹介では、職種に何の仕事をするのかわからないカタカナが並んでいたり、漠然とした文言がならんでいる場合。例えば“アットホームな職場”というのは、人によって良し悪しの変わる表現。一見素敵に思えますが、その空気に馴染めないと、かえって自分がいづらくなるでしょう。その他にも初任給が平均とくらべて多過ぎたり、いきなり責任の重い仕事を課してきそうな場合も注意が必要です。人を育てる基盤があるかどうかもチェックしましょう。まったく触れられていない場合、重たい仕事をムチャぶりされる可能性も高いかもしれません。
社員へのヒアリングができればいいのですが、ネットで検索するのもアリでしょう。ただ、ネットへの投稿はネタとして大げさに“ブラック”と言っていることもあるので、見極めが肝心です。いずれにせよ納得のいく就職をするためには、自分の力で情報収集をし、たくさんの企業に触れることで、企業を見る“目”を育てることです」
「ブラック企業」は厚生労働省も問題視しており、電話相談窓口を設置しているほか、社会的影響力が大きく、「ブラック企業」にあたる社名を公表する取り組みをスタートさせています。社会問題になっている「ブラック企業」ですが、就活生は入社後に後悔しないよう、まずは企業をみる目を鍛えることが必要です。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年9月25日(金)~2015年9月28日(月)
対象:入社1~2年目の社会人 計128名